「イラリス®」が新たに 3 つのまれなタイプの周期性発熱症候 群の治療薬

ノバルティス ファーマ株式会社
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虎ノ門ヒルズ森タワー
http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIAS • MEDIENMITTEILUNG
2016 年 10 月 17 日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が 2016 年 9 月 23 日(現地時間)に発表したものを日
本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については
英語が優先されます。英語版は http://www.novartis.com をご参照ください。
ノバルティス、「イラリス®」が新たに 3 つのまれなタイプの周期性発熱症候
群の治療薬として FDA の効能追加承認を取得
•
「イラリス」(カナキヌマブ)は腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、高
IgD 症候群/メバロン酸キナーゼ欠損症および家族性地中海熱の治療薬として
FDA から承認を得た初めての、また唯一の生物学的製剤
•
患者さんの医療ニーズを踏まえ、FDA は画期的治療薬として指定し、迅速審
査の結果、3 つの適応を同時承認
•
「イラリス」は、これらのまれな消耗性周期性発熱症候群の症状を速やかに、
かつ持続的にコントロール
2016年9月23日、スイス・バーゼル発 –ノバルティスは本日、「イラリス®」 (一般
名:カナキヌマブ[遺伝子組換え]、以下「イラリス」)が、米国食品医薬品局
(FDA)から、3種類のまれなタイプの周期性発熱症候群の治療薬として同時に承認
を取得したと発表しました。
「イラリス」は腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群(以下TRAPS)、高IgD症候群
(以下HIDS)/メバロン酸キナーゼ欠損症(以下MKD)および家族性地中海熱(以
下FMF)の治療薬としてFDAの承認を受けた初めての、また唯一の生物学的製剤で
す。これらの3つの疾患は遺伝性周期性発熱症候群(以下HPF)としても知られる、
まれな周期性発熱症候群2に属しています。このなかでFMFは最も頻度が高く、東地
中海に祖先を持つ家系が主に罹患します。なお、東地中海に祖先を持つ家系で罹患
している人は250人~1,000人に 1人で、その多くが小児です3。
ノバルティス ファーマのCEOポール・ハドソン(Paul Hudson)は、次のように述
べています。「『イラリス』が3つの適応の承認をFDAから同時に取得できたことは、
これらの重篤な消耗性疾患を患う患者さんにとって重要な転機となります。これら
の疾患には、特に子供たちにおいて、重要なアンメットニーズが存在しています。
ノバルティスはこのような治療選択肢を切望されていた患者さんに、新たな治療選
択肢を提供できることを誇りに思っています」
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FDAの承認は、第III相臨床試験(CLUSTER試験)の結果に基づいて取得されました。
この試験では、TRAPS、HIDS/MKD、またはFMFのいずれかを有する患者さんに
「イラリス」を16週間投与した群とプラセボを投与した群とを比較して、すみやか
に(投与後15日目において)、かつ持続的な疾患コントロールが得られることが示
されました1。このデータに基づき、FDAは「イラリス」を画期的治療薬に指定し、
これら3つの周期性発熱症候群の各適応について迅速審査することを認めました。
周期性発熱症候群は、まれな遺伝性自己炎症疾患の一群であり、日常生活に支障を
きたす長期にわたる発熱を引き起こし、関節痛、腫脹、筋肉痛および皮疹などの症
状を伴い、生命を脅かしうる合併症を引き起こすこともあります 2 。米国において
「イラリス」は、周期性発熱症候群の別の一種であるクリオピリン関連周期性症候
群(以下CAPS)および自己炎症性疾患である全身型若年性特発性関節炎(以下SJIA)
に対する有効かつ忍容性の良好な治療薬として既に承認され、販売されています。
また、「イラリス」は、2016年8月に成人発症型スティル病(以下AOSD)を有する
患者の治療薬として、欧州委員会から承認を取得しています。
周期性発熱症候群について
周期性発熱症候群は、非感染性の免疫活性により重篤かつ再発性の発熱および病的
炎症を引き起こす疾患群です。ほとんどの患者さんは乳幼児または小児の時に発症
しますが、成人になって初めて発症し診断される患者さんもいます2,3。
これらのまれな疾患に対する従来の治療薬には、副腎皮質ステロイドのような経口
抗炎症薬がありますが、これは症状を抑えるためのものです。非ステロイド性抗炎
症薬(以下NSAID)などの医薬品は症状緩和に若干の効果を発揮しますが、発熱発
作を予防または経過を変化させることはありません2。
「イラリス®」について
「イラリス」(カナキヌマブ)は、免疫系防御の重要な部分であるインターロイキ
ン-1(IL-1)βを阻害する選択的高親和性ヒトモノクローナル抗体です4。特定の炎症
性疾患では、過剰なIL-1βの産生が主な原因となります5,6。「イラリス」は、長時間
にわたってIL-1βの作用を阻害し、IL-1βの過剰産生を原因とする炎症を抑制すること
で効果を発揮します4。
「イラリス」は現在、米国およびEUでSJIAの治療薬として、EUでAOSDおよび難治
性急性痛風関節炎の対症療法として承認されています。「イラリス」は、生涯にわ
たり消耗性の症状を伴うまれな遺伝性疾患であるCAPSの治療用として、EU、スイス、
カナダおよび日本を含む70を超える国々でも承認されています。米国において「イ
ラリス」は、CAPSの二種サブタイプであるマックル-ウェルズ症候群(MWS)と家
族性寒冷自己炎症症候群(FCAS)に対して承認されています。承認された適応症は、
国によって異なります。
国内において「イラリス」は、CAPSのサブタイプである家族性寒冷自己炎症症候群、
マックル・ウェルズ症候群、新生児期発症多臓器系炎症性疾患に対して承認されて
おり、さらにFMF、「TNF受容体関連周期性症候群」、HIDS/MKDについて、効能
追加申請中です。また、SJIAの国内第III相臨床試験を実施しており、さらに「心筋
梗塞後患者における心血管イベントのリスク軽減」の国際共同第III相臨床試験に参
画中です。
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免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、
その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリ
スクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳
細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けております Form20-F
をご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケ
ア(眼科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医
薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の 2015
年の売上高は 494 億米ドル、研究開発費は 89 億米ドル(減損・償却費用を除くと
87 億米ドル)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約 118,000
人の社員を擁しており、世界 180 カ国以上で製品が使われています。詳細はホーム
ページをご覧ください。http://www.novartis.com
参考文献
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3.
4.
5.
6.
Novartis Data on File.
Cleveland Clinic. Periodic Fever Syndrome. Available at: https://my.clevelandclinic.org/services/orthopaedicsrheumatology/diseases-conditions/periodic-fever-syndrome. Accessed September 2016.
National Amyloidosis Centre. Amyloidosis Patient Information Site: The inherited periodic fever syndromes –
general information. Available at: www.amyloidosis.org.uk/fever-syndromes/inherited-fever-syndromes/.
Accessed September 2016.
Dhimolea E. Canakinumab, MAbs. 2010 Jan-Feb;2(1):3-13.
Jesus AA, Goldbach-Mansky R. IL-1 blockade in autoinflammatory syndromes. Annu Rev Med. 2014;65:223244.
Toker O, Hashkes PJ. Critical appraisal of canakinumab in the treatment of adults and children with cryopyrinassociated periodic syndrome (CAPS). Biologics. 2010;4:131-138.
以上