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ノバルティス ファーマ株式会社
〒105-6333
東京都港区虎ノ門 1 丁目 23 番 1 号
虎ノ門ヒルズ森タワー
https://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIAS • MEDIENMITTEILUNG
2016 年 12 月 20 日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が 2016 年 12 月 4 日(現地時間)に発表したものを日
本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については
英語が優先されます。英語版は https://www.novartis.com をご参照ください。
ノバルティス、CTL019 を用いた再発・難治性の B 細胞性急性リンパ
芽球性白血病の小児および若年成人患者を対象とした初の国際共同治
験の結果を発表
•
ノバルティスの試験(ELIANA)の中間解析において、患者の 82%(50 名中 41
名)が完全寛解または血球の完全な回復を伴わない完全寛解を達成
•
ELIANA は CAR T 細胞医療初の国際共同治験であり、2017 年初頭に行う FDA
への生物製剤承認申請(BLA)の根拠となる
•
米国の CTL019 多施設共同試験(ENSIGN)ならびに、これまで行われてきた B
細胞性急性リンパ芽球性白血病を有する再発・難治性の小児および若年成人患者
を対象とした単施設試験の結果は、ノバルティスが実施した ELIANA の主要な
結果を裏付けている
•
ペンシルベニア大学(Penn)は、予後不良の再発・難治性びまん性大細胞型 B 細
胞リンパ腫患者に対する CTL019 療法の全奏効を評価した結果を発表
2016年12月4日、スイス・バーゼル発 – 再発・難治性(r/r)B細胞性急性リンパ芽球
性白血病(ALL)の小児および若年成人患者さんを対象に、治験中のキメラ抗原受
容体T細胞(CAR T)医療であるCTL019の有効性と安全性を評価するノバルティス
の 臨 床 試 験 ( ELIANA ) の 結 果 が 、 第 58 回 米 国 血 液 学 会 ( American Society of
Hematology:ASH)年次集会のオーラルセッションで発表されました(抄録番号
221、12月3日、現地時間午後4:00-5:30)。この国際共同第II相試験において、患者
さんへのCTL019輸注の3カ月後には、82%(50名中41名)が完全寛解または血球の
完全な回復を伴わない完全寛解を達成したとの結果が得られました。完全寛解が得
られた患者さんのいずれにも、微小残存病変は検出されませんでした。また、
CTL019輸注の6カ月後には、奏効例の無再発率が60%(95% 信頼区間 [CI]:36、
78)と推定されました1。この結果をもとに、ノバルティスは2017年初頭に、r/r B細
胞性ALLの小児および若年成人患者に対するCTL019の承認申請を米国食品医薬品局
(FDA)に行う予定です。
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ELIANAは、試験への登録を米国、欧州連合、カナダ、オーストラリア、日本の25
施設で行った小児におけるCAR T細胞を用いた初の国際共同治験です。ELIANAで
は、患者さんの48%がグレード3または4のサイトカイン放出症候群(CRS)を経験
しましたが、これは組換え細胞が患者さんの体内で活性化した場合に発症するとさ
れ、治験中のCAR T細胞医療では既知の合併症です。CRSは、治験施設における
CRS治療アルゴリズムの実施に対する理解を事前に深めた上で、国際的に用いられ
る指標に基づき管理されました。CRSを原因とする死亡例はありませんでした。患
者さんの15%は、脳症やせん妄といったグレード3の神経・精神事象を経験しました
が、グレード4の事象はみられませんでした1。
ペンシルベニア大学(Penn)ペレルマン医学大学院のYetta Deitch Novotny小児科教
授であり、the Children's Hospital of Philadelphia(CHOP)におけるがん免疫フロン
ティアプログラムの責任者である、治験責任医師のスティーブン・グラップ
(Stephan Grupp)医学博士は、次のように述べています。「これらの国際多施設共
同試験で得られたデータは、これまで実施された単施設での有望な研究をさらに発
展させるものであり、これにより再発・難治性B細胞性ALLの小児および若年成人患
者さんへの治療法としてCTL019を前進させることができました」
ノバルティスは、2017年初頭のFDAへのCTL019承認申請に加えて、2017年後半に
は欧州医薬品庁(EMA)に申請することを計画しています。CTL019は、本年初頭
にEMAからPRIME(PRIority Medicines)指定を受けています。
ノバル ティス・オ ンコロジー 事業部 CEOであるブル ーノ・スト リジニ( Bruno
Strigini)は次のように述べています。「これまでに類を見ないこの試験は、再発・
難治性B細胞性ALLの小児および若年成人患者さんを助けたいというノバルティスの
目標に向けて、大きく前進したことを示しています。このような患者さんには、新
しい治療選択肢の提供が急がれています。ノバルティスは、CTL019の前進をお約束
し、今後数カ月間にわたるFDAおよびEMAとの緊密な共同作業を心待ちにしていま
す」
CHOPのシャノン・モード(Shannon Maude)博士は、B細胞性ALLの小児および若
年成人患者さんを対象に実施した、米国初のCTL019に関する多施設共同第II相試験
であるENSIGNから得られたデータを示したポスター発表を行いました(抄録番号
2801、12月4日、午後6:00-8:00)2。また、別のポスター発表では、再発・難治性び
まん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の患者さんの予後不良群を対象として、
CTL019の有効性と安全性を検討するペンシルベニア大学主導の第IIa相試験を取り上
げています(抄録番号3026、12月4日、午後6:00-8:00)3。
CTL019は治験中の治療法であるため、安全性と有効性のプロファイルは確立されて
いません。一般的に治験中の治療法は、注意深く管理・監視される臨床試験のみで
受けることが可能です。このような試験では、その治療法の潜在的なベネフィット
とリスクに関する理解を深めることを目的としてデザインされています。また、臨
床試験には不確実な点があるため、世界のどこにおいてもCTL019が市販されると保
証することはできません。
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なお、上記の通り、このELIANA試験には日本の施設も参加しています。また、日本
においても2016年5月に、CD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病、CD19陽性び
まん性大細胞型リンパ腫、CD19陽性濾胞性リンパ腫に対して、CTL019への希少疾
病用医薬品の指定を受けています。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、
その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリ
スクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳
細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けております Form20-F
をご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケ
ア(眼科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医
薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の 2015
年の売上高は 494 億米ドル、研究開発費は 89 億米ドル(減損・償却費用を除くと
87 億米ドル)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約 118,000
人の社員を擁しており、世界 180 カ国以上で製品が使われています。詳細はホーム
ページをご覧ください。https://www.novartis.com
参考文献
1.
Grupp, Stephen A. et al. Analysis of a Global Registration Trial of the Efficacy and Safety of CTL019 in Pediatric
and Young Adults with Relapsed/Refractory Acute Lymphoblastic Leukemia (ALL). Session 614, Saturday,
December 3, 5:00 p.m. PST. 58th American Society of Hematology Annual Meeting and Exposition: Abstract 221.
2.
Maude, Shannon L. et al. Efficacy and Safety of CTL019 in the First US Phase II Multicenter Trial in Pediatric
Relapsed/Refractory Acute Lymphoblastic Leukemia: Results of an Interim Analysis. Session 614, Sunday,
December 4, 6:00 – 8:00 p.m. PST. 58th American Society of Hematology Annual Meeting and Exposition:
Abstract 2801.
3.
Schuster, Stephen J. et al. Treatment with Chimeric Antigen Receptor Modified T Cells Directed Against CD19
(CTL019) Results in Durable Remissions in Patients with Relapsed or Refractory Diffuse Large B Cell Lymphomas
of Germinal Center and Non-Germinal Center Origin, “Double Hit” Diffuse Large B Cell Lymphomas, and
Transformed Follicular to Diffuse Large B Cell Lymphomas. Session 626, Sunday, December 4, 6:00 – 8:00 pm
PST. 58th American Society of Hematology Annual Meeting and Exposition: Abstract 3026.
以上