基礎物理数学 第4回 力とポテンシャル(偏微分) 2.2 高次の偏導関数と全微分 ① テキストの説明(p.21~23) ② ③ ④ ⑤ 合成関数 オイラーの関係式 テキスト[問題2.5] 波動方程式 テキスト[問題2.9, 2.10] 代表的な偏微分方程式 演習 テキスト21ページ 1 2.2 高次の偏導関数と全微分 (2.14)式 f f 2 f xx x x x 2 f f f xy y x yx 2 f f f xz z x zx 2 2 偏微分の可換性 関数 f とその偏微分係数が連続である場合、 (2.15)式 f f xy yx 2 2 f f xz zx 2 2 f f yz zy 2 テキスト21ページ 2 3 全微分(1) 関数 f(x,y) について、(x,y)から(x+dx,y+dy)への変化に伴う f の変化 df を全微分(完全微分)という。 df f ( x dx, y dy ) f ( x, y ) f f dx dy x y (2.16)式 関数 f(x,y) が、点(a,b)を含む領域において偏微分可能であり、 f x、fy が点(a,b)で連続ならば、 f(x,y)は点(a,b)で全微分可能。 テキスト21ページ 4 全微分(2) 逆に、 関数 g(x,y)dx+h(x,y)dyが与えられたとき、それがある関数の 全微分(完全微分)である必要十分条件は、 g ( x, y ) h( x, y ) y x テキスト22ページ (2.17)式 5 全微分(3) 例1 1 3 x ydx x dy 3 2 は、 1 3 x yC 3 の全微分である。 C は定数 g ( x, y) h( x, y ) x2 y x 1 3 g ( x, y)dx x ydx 3 x y c1 ( y) 1 3 1 3 h( x, y)dy 3 x dy 3 x y c2 ( x) c1 ( y) c2 ( x) C 2 テキスト22ページ 6 全微分(4) 例2 積分因子 ydx xdy は全微分ではないが、1/x2 を掛けた 1 ( ydx xdy ) 2 x は全微分である。 g ( x, y) h( x, y) 1 2 y x x 1/x2 のように、不完全微分形式を全微分に変える因子を 積分因子とよぶ。 テキスト22ページ 7 合成関数について(1) ー課題を解くためにー 合成関数 z g ( y) y f (x) のとき、x の関数 z g ( f ( x)) を関数 f と g の合成関数という。 例 z g ( y) sin y y f ( x) x テキストにはない。 2 合成関数 z sin x 2 8 合成関数について(2) 合成関数の微分(1) y f (x) z g ( y) が微分可能 dz dz dy dx dy dx テキストにはない。 9 合成関数について(3) 合成関数の微分(2) z f ( x, y) x (t ) 、 y (t ) が全微分可能 が微分可能 z z dz dx dy x y dz z dx z dy dt x dt y dt テキストにはない。 10 合成関数について(4) 合成関数の微分(3) z f ( x, y) x (u, v) 、 が全微分可能 y (u, v) z z x z y u x u y u 、 が偏微分可能 z z x z y v x v y v この関係を連鎖律という。 テキストにはない。 11 オイラーの関係式について [問題2.4] U U S ,V ,N が1次の同次関数である、すなわち、 U S ,V , N U S ,V ,N を満すとき、 U U U U S V N S V N であることを示せ。これをオイラーの関係式という。 (熱力学を意識した表現) テキスト19ページ。 12 オイラーの関係式について (2) 一般的には、 変数{x1,x2,・・・・} の関数 f(x1,x2,・・・・) が、変数を倍したとき、 次の関係を満たせば、 f (x1 , x2 , ) f ( x1 , x2 , ) 関数 f は1次の同次関数とよばれる。 ここで新たに変数 ui xi を導入すると、上式は、 f (u1 , u2 , ) f ( x1 , x2 , ) となるが、この式を xi を一定のまま、 で微分すると、 テキスト19ページ。 13 オイラーの関係式について (3) { f (u1 , u2 , )} f ( x1 , x2 , ) となる。左辺に合成関数の微分法の公式を適用すると、 ui { f (u1 , u2 , )}u j ui ( ) x j xi f ( x1 , x2 , ) i 1 ui となるが、さらに、 { f (u1 , u2 , )}u j ui xi f ( x1 , x2 , ) i 1 ui とかける。 テキスト19ページ。 14 オイラーの関係式について (4) は任意であるから、=1 とおけば、 { f ( x1 , x2 , )}u j ui xi f ( x1 , x2 , ) i 1 xi とかける。 この関係は[問題2.4]のオイラーの関係式と等価である。 U U U U S V N S V N テキスト19ページ。 15 波動方程式に関する[問題2.9]について(1) 課題2 (教科書の[問題2.9]一部改、波動方程式) f u が微分可能であり、 f x at df du も微分可能であるとき、 は、波動方程式、 f 2 f a 2 2 t x 2 2 を満たすことを示せ。これを満たす ※ 教科書の f x , df dx , f u , df du , a テキスト19ページ。 f を波動関数という。 を、それぞれ に訂正している。 16 波動方程式に関する[問題2.9]について(2) f f ( x, t ) を満たす。 は波動関数であり、 波動方程式、 2 2 f f 2 a 2 2 t x u x at と変換して、2変数を1変数とし、 偏微分を常微分へ。全微分、合成関数の微分法を用いる。 テキスト19ページ。 17 波動方程式に関する[問題2.9]について追加説明(3) (参考) 結果として得られる、 f ( x, t ) f (u) f ( x at ) をさらに変形し、 f ( x, t ) f (u ) f ( x at ) f (( x L) a(t L / a)) f ( x L, t L / a) すなわち、 f ( x, t ) f ( x L, t L / a) を得る。 18 波動方程式に関する[問題2.9]について追加説明(4) f ( x, t ) f ( x L, t L / a) 左辺は位置 x 、時刻 t での f の値である。これが右辺によ って“手前の位置 (x - L) 、以前の時刻 (t – L/a)での f の値” に等しく、しかもそれは任意の x について成立する。従って、 ある時間での f の x に関する分布が、時間の進行とともに“ 形を変えずに”速度 a で移動していることになる(次図)。こ れが波動関数の意味である。 f ( x,t ) 時刻(t L a ) fの xL t時刻 時刻 ft の f x x 19 波動方程式に関する[問題2.9]について追加説明(5) 正弦波 t x f ( x, t ) A sin 2 ( ) T 2 A sin (t x / a) T 2 A sin{ ( x at )} Ta f ( x, t ) f ( x at ) 波動方程式の解 A:振幅 T:周期 a:速度 :波長 a /T を満たしている。 20 21 波動方程式に関する[問題2.9]について追加説明(6) f ( x, t ) A sin( t T 2 t =0で、 f ( x,0) A sin( k 2 とおけば、 x ) 2 x ) 2 f ( x,0) A sin(kx) k:波数 も波動方程式の解(時間に依存しない)である。同様に、 cos(kx) 、 cos(k x ) 、 exp(ik x ) も波動方程式の解である。→[問題2.10] 22 2階偏微分方程式(代表的微分方程式の例) 未知関数 z(x,y) の2階線形微分方程式(一般形)について、 R( x, y)r S ( x, y ) s T ( x, y)t P( x, y) p Q( x, y)q Z ( x, y) z F ( x, y ) ただし、 z r 2 x 上式を変形して、 2 z 2 z s 、 t 2 、 xy y z z q p y x 、 2 a( x, y)r 2b( x, y)s c( x, y)t f ( x, y, z, p, q) テキストにはない。 23 2階偏微分方程式(代表的微分方程式の例) a( x, y)r 2b( x, y)s c( x, y)t f ( x, y, z, p, q) ac b 2 として、この の値によって微分方程式は3つの標準形となる。 >0 : 楕円型(代表例:ポアソン方程式) <0 : 双曲型(代表例:波動方程式) =0 : 放物型(代表例:熱伝導・拡散方程式) テキストにはない。 24 >0 : 楕円型(代表例:ポアソン方程式) 0 :電位 :電荷密度 0 :真空誘電率 25 <0 : 双曲型(代表例:波動方程式) f 2 a f 2 t 2 1次元の解 f :波動関数 t :時間 a :定数 t x f ( x, t ) A sin 2 ( ) T a /T A:振幅 T:周期 a:速度 :波長 26 =0 : 放物型(代表例:熱伝導・拡散方程式) a t :温度(濃度) t :時間 a :定数 27
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