改 訂 慢性閉塞性肺疾患 監修:福地義之助(順天堂大学医学部呼吸器内科客員教授) 病・医院名 提供 5034603 001 2009年10月作成 A1009CY-KW 慢性閉塞性肺疾患 慢性閉塞性肺疾患 COPDの危険因子 喫煙 COPDの治療とリハビリ COPDの発症に深くかかわり、 そのリスクを増大させてい る最大の要因は喫煙です。喫煙は肺気腫の原因にもなっ ており、 COPDの危険因子の80%から90%を占めています。 これまで喫煙者の多くは男性だったこともあり、肺気腫は 男性に多くみられる病気でし たが、発症の要因が同じ条件 であれば、女性のほうが発症 しやすいといわれています。 現在、女性の喫煙率が高くな っているので、十分に注意を 払う必要があります。 受動喫煙 たばこの副流煙は喫煙しない人に とっては大きな危険因子となります。 ほかにも、ぜんそく症状、乳幼児の 肺炎、成長期の低栄養状態、大気 汚染などもCOPDの危険因子とな ります。 COPDは、適切な治療により症状を軽くすることができます。 しかし、完全に元の状態には戻らないことが知られています。 この病気をよく理解し、必要な治療や対策を取り入れることにより、病気 の進行をできる限り防ぐこと、症状をやわらげること、 そし て生活の質を向上させることができます。 喫煙者は最大のリスクである喫煙をやめることが重要です。 禁煙、薬物療法、呼吸リハビリテーションが治療の中心です。 ◎ 治療に使う薬 症状が比較的おちついている時 ●抗コリン薬、ベータ2刺激薬(貼付、吸入)、テオフィリン薬: 気管支を拡げるために(長時間効果のある気管支拡張薬) 急に症状が悪化した時 ●ステロイド薬(経口/注射、吸入):炎症を抑えるために ●抗生物質:感染による悪化をくいとめるために ●去痰薬、喀痰溶解薬: 痰を出すあるいは痰を溶かすために ◎ 酸素療法 ゼー ゼー ヒュー ヒュー 6 COPDが進行し、血中の酸素が著しく不足すると、呼吸 不全になります。高度の呼吸不全には、長期的酸素吸 入を行います。現在は酸素濃縮器の普及によって家庭 での酸素吸入が容易になりました(在宅酸素療法)。軽 量のボンベを使えば外出も可能です。 7
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