授業改善推進プラン 教科ごとの改善プラン <小学校理科>

授業改善推進プラン
教科ごとの改善プラン
<小学校理科>
理科における昨年度の授業改善推進プランの検証
取り組みにおける成果と課題
○ 単元の導入では、興味・関心をもたせるための問題、実験を提示したことで学習意欲が増し、知識・理解の習得・
向上につながり、基本的事項についてはどの学年も成果を上げた。また、実験においては、提示の仕方を工夫し、
予想を立てることにより、実験・観察に意欲的に取り組めた。
「自然事象についての知識・理解」が期待正答率を下回っていた。自然にふれる体験を多くし、身近なものと関連
して考えさせるようにしていく。
理科における調査結果の分析
(4年)昆虫のすみかが、食べ物に関係していることを理解できていなかった。ホウセンカの育ち方の学習では、花
内
容
別
結
果
の
分
析
が咲いたあとには実ができることや実と種子の違いが理解できていなかった。また、太陽とかげの動きについ
ての説明ができていなかった。物事を関連付けて考える力が身に付いていなかった。
(5年)一年間の動物の様子が知識として身に付いていなかった。月と星に関する知識が身についていなかった。
自然の中の水の学習では、空気中の水蒸気が水になる理由を説明できていなかった。
(6年)川の中の石の大きさと川の流れを関連して考えることができていなかった。ふりこの周期がふりこの長さによっ
て変化することが理解できていなかった。平均的に目標値はこえることができた。
観
点
別
結
果
の
分
析
(4年)自然事象の観察や科学的な思考・表現については、期待正答率を下回っている。
観察のポイントを押さえ記録させること、実験方法をきちんと理解させることが必要である。
(5年)自然事象の観察や実験の技能については、期待正答率を下回っている。
観察のポイントを押さえ記録させること、実験方法をきちんと理解させることが必要である。
(6年)すべての項目において、期待正答率には、達している。さらに、正答率を上げるために、事象についての実
験・観察を行い、その変化や結果を図や言葉でまとめて、理解を深めさせる。
調査結果に基づいた授業改善のポイント
1 学習の進め方がわかる授業展開の工夫
→実験を多く経験させ、経験則としての理解が深まるようにさせる。児童自身に、課題意識を十分にもたせ、見
通しをもった実験計画を立てさせる。問題(情報交換)→予想→予想理由→実験計画→実験→結果(情報交
換)→結論(考察)の学習過程を繰り返し行う。実験からわかったことのまとめを重視する。
2 実感を伴った理解と日常生活との関連
→児童の気づきや疑問を大切にし、それを課題として取り上げる。予想は、できるだけ、生活と結びつけて考えさせ
る。課題や学習した内容を、身近な生活と結びつけて考えさせる。ものづくりで既習事項を再確認させたり、身近な
生活と結びつけて考えさせたりすると、さらに理解が深まると考える。
3 条件を明確にして実験を行い、科学的な用語を使い説明する
→課題を見つける活動や考察では、できるだけ情報交換をさせる。自分の考えを記述させてから、話し合う場を設け
る。協力して実験させる。記録については、ノートに、友達の考えで良いものを付け加えさせる。電子黒板等を活用
し、ノートや図などを拡大して映しながら児童に説明させる。結果はできるだけ数値化し、表やグラフを活用してまとめ
させる。考察は、用語を多く使って文章表現させるほか、絵や図も使ってまとめさせる。
4 理科用語の確実な定着をめざす
→実際に栽培活動や実験を通して、事象に十分関わらせ、実感を伴った上で用語について押さえる。用語について
の掲示物をつくり、その都度掲示できるようにする。また、単元学習中は常掲しておくなどして定着を図る。各単元
末にまとめの時間をとり、理科用語を繰り返し用いて学習内容を振り返らせる。
理科の授業改善策
中学年
1.飼育栽培や観察実験の具体的な視点を示しながら学習を進めていくことが求められる。実際の栽培活動を通し
て、実感を伴って理解させる。既習内容を想起させ、「言葉を通して考えさせること」「体験を通して学ばせること」
「知識として定着させること」を重視して学習を進める。実感できないものについては、視聴覚教材を利用する。
2.問題解決型の学習活動を取り入れた指導計画を立て、実験・観察のめあてをはっきりもたせる。
3.具体物での観察・実験、飼育、栽培、ものづくりなどの直接体験を重視する。単元の導入部分では興味・関心を
もたせるための資料を提示したり、課題を与えたり、考えさせる場面を設定したりする。実験においては、協力、分坦
して行わせる。
高学年
1.自然事象についての知識・理解を確実なものにするため、単元末にまとめの時間をとり、プリントで振り返らせる。用
語については反復して指導し定着を図る。
2. 四季を通じて様々な生き物を観察させ、日常的に話題にしながら、児童に注意を向けさせるようにする。
各学年各領域で確実に身につけさせたい知識や技能・表現を明らかにし、系統的に指導し、定着を図る。
3. 実際に観察することが難しい単元については、資料や模型、モデル実験を効果的に取り入れる。具体物での観
察・実験、飼育、栽培、ものづくりなどの直接体験を重視する。その際、実験・観察のめあてをはっきりもたせることが
大切である。また、視聴覚教材も適宜利用する。指導内容に応じて放送番組を活用したりデジタルカメラによる具
体物の写真や動画などで対応したりできるように、視聴覚教材を使い易いよう整備する。
4.問題解決型の学習活動を取り入れた指導計画を立て、単元の導入部分では興味・関心をもたせるため、資料を
提示したり、課題を与えたり、考えさせたりする場面を設定する。また、「言葉を通して考えさせること」「体験を通して
学ばせること」「知識として定着させること」を重視した指導計画を立て学習を進める。まとめでは、得た知識を自分
の文章で書き表せるよう繰り返して指導する。