平成26年度 ○ 福井県小学校教育研究会理科部会 研究主題 自然に親しみ、体験を通して、科学の有用性を実感する理科教育 ○ 趣 旨 情報化社会の進展に伴い、子どもたちは、実際に足を運んで観察したり、自分で実 験して確かめたりしなくても、容易に科学情報を手に入れることができる。しかしな がら、それは、自然事象を自分の諸感覚を使って感じ取ったり、自分の頭で考えたり したことではないために、分かったつもりになっているだけだということが多い。 子どもが身近な自然に興味をもち、自ら問題を見出し、本気で対象とかかわり、問 題解決する学習活動を行っていくことを重視したい。子どもが「やってみなければ分 からない」「理科で得た学びがこんなに生活に役立っている」と実際の自然や日常生活 を捉え直していくことが必要である。自分のもっている知識を事象に当てはめて考え、 実験・観察を行い、他者と共有化しながら考察していくことで新たな知を更新し、そ の知を活用していくことができる子どもの育成を目指したい。 また、理科で学んだことが身近な自然とかかわっていたり、日常生活で役立ってい たりすることに気づくことで、理科で学んだことの有用性を感じ、理科は将来にわた って必要な学びであるという思いをもたせたい。さらに、自然への理解を通して、環 境への関心を高めていきたい。 そのためには、これまでのように「体験を重視した問題解決」を重んじ、実感のと もなった理解につなげていくことが大切である。また、科学的な思考力・表現力の育 成を図る観点から、「信頼できるデータが得られる観察・実験を十分に行い、その結果 を整理し、子ども自身が考察する学習活動」の充実を図りたい。 ○ 1 研究推進上の留意事項 自然や日常生活へ着眼し、体験を通して問題解決活動をすることで、実感をともな った理解のある学習になるように工夫する。 2 理科の特徴となっている「系統性」を意識する。 3 自然事象に対する自分の考えを顕在化させ、相互の情報交換を行い、問題解決を行 う。 4 観察・実験では、観察の視点をもたせて事実をしっかり捉えさせたり、複数回の実 験を行う等信頼性のあるデータが得られるようにしたりする。 5 子どもが出した観察・実験の結果やそこから考えたことを共有化し、予想・仮説と 照合しながら考察する場を設定する。 6 子ども自らが、自然に親しみ、事象に働きかけられる場を用意したり、子どもの考 えを実証するのに適した観察の道具や実験の器具を選定したりする。
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