骨子3

プレートテクトニクス 2016-3 講義骨子メモ 3. プレート境界(1)発散境界
3.0 プレート境界の分類
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プレート境界の3類型
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プレートどうしが近づく=発散型境界 divergent (constructive) boundary
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プレートどうしが近づく=収束型境界 convergent (consuming) boundary •
プレート通しがすれ違う=すれ違い型境界 strike-slip (conservative) boundary
特徴的な地表形態
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発散型境界:中央海嶺系、リフト系
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収束型境界:島弧ー海溝系、大陸間山系
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すれ違い型境界:トランスフォーム断層系
3.1 発散型境界
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中央海嶺 mid-ocean ridge
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世界の大洋を70,000km以上にわたって連なる海底火山山脈
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海底拡大の現場
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高速拡大系(>80mm/yr ) 東太平洋海膨
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中速拡大系(>40mm/yr, < 80mm/yr) 中央インド洋海嶺、南東インド洋海嶺
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低速拡大系(>20mm/yr, <40mm/yr) 大西洋中央海嶺
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超低速拡大系(<20mm/yr) 南西インド洋海嶺、北極海海嶺
新しい海洋性地殻が生産される:玄武岩質マグマ
リフト帯 rift (NOT lift !!!)
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大陸内の伸張場、正断層によるリフト地形が発達
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東アフリカ地溝帯:人類起源の地
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バイカル湖:大西洋中央海嶺の終点
3.2 中央海嶺の火成活動
3.2.1 なぜ中央海嶺で火成活動が起こるのか
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広がるプレートの間を埋めるようにマントル物質が上昇する
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上昇流があるからプレートが離れていくのではない(受動的)
マントル物質は断熱的に地表に向けて上昇=減圧し、固体マントルが融解をはじめる
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断熱減圧融解 decompression melting
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プレート速度∼=マントル物質の上昇速度∼=cm/yrオーダーなので、周囲と熱のや
りとりが十分なされるには速すぎる
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概ね地下50km位から融解がはじまる
マントルは部分溶融(partial melting)するので、マントル中の特定の元素(液相濃集元
素:Ka, Naなど)がメルト(液体、マグマ)に選択的に移動する
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玄武岩質マグマ:SiO2が50%以下
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世界中の中央海嶺でかなり均質な組成 MORB mid-ocean ridge basalt
地殻はメルトが固化したものなので、元のマントルとは組成が異なる
プレートテクトニクス 2016-3 講義骨子メモ •
部分溶融による分化
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地球の基本的な層構造の創成
3.2.2. 中央海嶺の火山
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単成火山(1回の噴火)の集合体
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火山活動は主に海嶺軸中心のごく狭い(数km以内)範囲に集中
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海底噴火に特徴的な溶岩の産出
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枕状溶岩
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シート状溶岩
熱と物質の循環に大きな役割
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地球の冷却:マグマ(1350°C)をほぼ0°Cまで冷却する
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固体地球の熱が海洋に移動する
海洋性地殻の付加
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マントルから地表への物質の移動とそれに伴う分化
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地球の現在の火成活動の約8割が中央海嶺の活動
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1億年でおよそ地球表面の60%を置き換えられる量のマグマ
3.3 中央海嶺の断層運動・地震活動
3.3.1 中央海嶺系の断層運動
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伸張場の卓越
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正断層の発達
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歪み速度が大きく断層が活動的な幅は非常に狭い(10∼数十km)
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断層運動による特徴的な地形の形成
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中軸谷の形成:低速拡大系に特徴的
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収束境界における広い境界域と対照的
構造運動 > 火成活動
海底拡大は何によって担われているか
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新たな海洋性地殻の付加+正断層による伸張
3.3.2 中央海嶺系の地震活動
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正断層型の地震
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浅い小規模(M<4) な地震が多数発生
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マグマの移動に伴う火山性地震も観測されている
3.4 中央海嶺の熱水活動 hydrothermalism
3.4.1 熱水循環のしくみ
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海水が海底の割れ目から海底下にしみこむ
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玄武岩の空
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断層の発達
率
海嶺下の高温域で海水が熱せられ、高温の海水が周囲の岩石と反応し、組成の異なる「熱
水」が製造される
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海水中のMg, SO4などは析出して熱水中にはほとんどない
プレートテクトニクス 2016-3 講義骨子メモ •
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地殻中の重金属(Fe, Mn, Li など)やSi, H2Sなどが熱水に
熱水は高温のため地殻中を上昇して海嶺軸付近で海底に噴出 Max~400°C
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噴出孔付近で温度が下がり溶存物の一部が硫化物などになって沈殿
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熱水鉱床の起源
噴出する熱水の組成は母岩の種類や海底下の物理条件により多様
噴出した熱水は周囲の海水と混ざりながら海中を広範囲に拡散
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熱水プルーム
3.4.2 熱水循環の寄与
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対流により、より効率的に海底を冷却
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陸上河川に匹敵する量の各種元素を固体地球から海洋へ運搬
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太陽エネルギーを利用しない生態系(化学合成細菌を一次生産者とする)を維持
4. プレート境界(2)すれちがい境界
4.1 すれ違い型境界 strike-slip (conservative) boundary
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トランスフォーム断層 transform fault
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一方のプレートが他方のプレートとすれ違う
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Wilson(1965)が新しいタイプの断層(みかけの地形のずれと運動方向が逆センス、異
種のプレート境界をつなぐ役割をする)として提唱
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海嶺ー海嶺系をつなぐトランスフォーム断層
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geometryが安定(トランスフォーム断層の長さが変わらない)
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トランスフォーム断層の延長に、非活動的な直線的な構造が存在=断裂帯
fracture zone
海溝ー海嶺、海溝ー海溝をつなぐトランスフォーム断層
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長さが変化し、大きなプレートセッティングの変化を生む
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例:トンガ海溝の北端延長部、アユトラフ
4.2 トランスフォーム断層における諸現象
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火成活動は伴わない
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プレート運動方向が変化した際に、完全な横ずれでない(oblique extension)応力場と
なり、断層帯内に火成活動がわずかに見られるケースはある
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地震活動は、地下の温度が650°Cの等温線(およそ10km)のあたりまで、鉛直な断層面を
持つ横ずれメカニズム。
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断層破砕帯が連続的に存在するので、効率的に水を地下深部に運ぶ。地震活動やリソスフェ
ア構造に影響している