QLD 州、地下水採取の環境影響評価を義務付ける法案

豪州:QLD 州、地下水採取の環境影響評価を義務付ける法案提出
2016 年 9 月 23 日掲載
9 月 13 日、QLD 州の Steven Miles 環境大臣は、環境保護(地下水管理)及び関連法の改
正案を州議会に提出した。同法案は、環境省に対して地下水採取による環境影響評価の権限
を与えるものである。また、資源採掘のために地下水を採取する企業は、同法に基づき地下
水の採取に係る環境影響評価を行うことが必要になる。また、地下水を採取するための水ラ
イセンスを取得していない企業は、新たに同ライセンスの取得も必要になる。
14 日付けの地元紙によれば、QRC(QLD 州資源協会)の Michael Roche CEO は、同法
案は Adani 社の事業費 160 億豪ドルの Carmichael 炭鉱の開発や New Hope 社の事業費 9
億豪ドルの Acland 炭鉱の拡張などの大型プロジェクトに影響を与える、と述べている。こ
のうち、Carmichael 炭鉱の開発については、既に連邦政府と州政府から認可を得ているが、
今回の法案によれば、地下水に関して新たな環境影響評価を行うと共に、水ライセンスの取
得も必要になることから、Adani 社にとって新たな障害になると報じている。
なお、QLD 州議会の与党は労働党であるが、過半数の議席を得ていない少数与党である。
よって法案成立のためには野党や無所属議員の支持も必要になってくる。しかし、先月、与
党が提出した森林開拓に係る法案については過半数の支持を得られず不成立となっている。
(シドニー事務所
山下 宜範)
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