古典論の限界 プランクの黒体輻射 量子力学のおこり 光電効果 コンプトン散乱 黒体輻射,コンプトン散乱,光電効果, 固体の比熱,水素原子 電子線回折 水素原子模型 固体の比熱 1 2 プランクの黒体輻射 光電効果 E = nhν (n = 0, 1, 2, 3, · · ·) 物質に光を当てると電子が放出される 放出される電子の数は光の強度に比例する h = 6.63 × 10−34 [Js] 光の振動数が閾値より小さいとどんなに強い(明 プランクの光量子仮説 るい)光を当てても電子は出てこない 光のエネルギーは電磁波の振動数(ν) で決まり、hν の整数倍のとびとびの 値しかとれない(h: プランク定数) 放出される電子の最大エネルギーは光の振動数と hν 一次関数の関係にある e- 光は運動エネルギーhνの粒子の性質をもつ Emax = hν − W 3 4 コンプトン散乱 コンプトン散乱 電子にX線を当てると、当てたX線の波長とは異 粒子の衝突(ビリヤード) なる波長のX線が放出され、同時に電子も飛び出 運動量保存則 してくる p1 φ p0 φ p2 θ 5 p0 0 = = p1 cos φ + p2 cos θ p1 sin φ + p2 sin θ 6 θ コンプトン散乱 プランク定数 光は {プランク定数/波長}の運動量 をもつ粒子の性質をもつ p φ λ h h = p cos φ + ′ cos θ λ λ h 0 = p sin φ + ′ sin θ λ λ′ θ 7 hと ! 光のエネルギー E = hν h p= 光の運動量 λ h 2π h h = k = h̄k p= = λ 2π λ 2π h h̄ = 1.05 × 10−34 [Js] h̄ ≡ 2π h 2πν = h̄ω E = hν = 2π 8 電子線回折 結晶に電子を当てると、散乱された 電子は回折模様をつくる (水素)原子模型 原子は正電荷を持つ原子核の周りを 負電荷を持つ電子が運動している 電磁波(光) – リチウムの吸着した銅の結 酸化チタンの結晶表面から 晶表面からの電子線回折像 の電子線回折像 電子 + + 陽子 9 10 固体の比熱 古典論の限界 物質のモル当たりの比熱は物質・温 黒体輻射 プチの法則) コンプトン散乱 度に依らず一定値をとる(デュロン・ 温度が絶対零度に近付くと比熱はゼ ロになる 光電効果 電子線回折 水素原子模型 固体の比熱 11 – エネルギーは不連続 振動数 → エネルギー 波数 → 運動量 電子も波の性質 定常状態の存在 「振動」も粒子/波 12 ド・ブロイの物質波 ド・ブロイの関係式 光や電子、陽子、原子などはすべて 波動の属性 波長・波数・振動数(角振動数)と 粒子の属性 運動量・エネルギー(運動エネルギー) E = hν = h̄ω ⎧ ⎨ px = h̄kx py = h̄ky ⎩ pz = h̄kz E = h̄ω p⃗ = h̄⃗k p⃗ = h̄⃗k の両方をあわせ持つ 13 14 光の運動量とエネルギー 自由電子の波長と振動数 光速度 c = 3.00 × 108 [m/s] 電荷 波長 λ ν 質量 振動数 ν= c λ −e = −1.6 × 10−19 [As] m = 9.1 × 10−31 [kg] 1 p2 mv 2 = 2 2m √ h p = 2mE = h̄k = λ h̄2 k 2 E = h̄ω = 2m E= 2π λ 2π = ck ω = 2πν = c λ E = cp h̄ω = ch̄k k= 15 16 光の運動量とエネルギー 力学から量子力学へ 波長 電波(FM放送) マイクロ波 赤外線 可視光(橙) 紫外線 X線 ガンマ線 3.9m 振動数 エネルギー 76MHz 0.32μeV 14cm 2.1GHz 10μm 3×1013Hz 600nm 5×1014Hz 300nm 1×1015Hz 0.1nm 3×1018Hz 1pm 3×1020Hz 8.9μeV 120meV 2eV 4eV 12KeV 1.2GeV hν/mc √2hν/m 5mm/s 262km/h 1×103m/s 2×103m/s 7×106m/s 1.8km/s 2×105m/s 9×105m/s 1×106m/s 7×107m/s 67cm/h 335m/s 7×108m/s 7×108m/s 光の運動量を電子に与えたときの電子の速度 光のエネルギーを電子に与えたときの電子の速度 電子・原子・光など 粒子性(運動量、運動エネルギー) 波動性(振動数、波長) ニュートンの運動法則は適用できない 新しい運動法則(方程式)が必要 注)電子の速度が光速を超えることはない。光速に 17 近くなるときは相対論で取り扱う必要がある。 18
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