電磁気学I 第14回授業 演習 (pp.851-858の問題より) 問題22. 17 mAの電流が円周2 mの円形ループに流れている。0.8 Tの外部 磁場がループ面と平行に向けられている。 (a) このループ電流の磁気モーメントを計算せよ。 (b) 磁場がループに及ぼすトルクの大きさはどれほどか? 問題23. 導線を密に100回巻いた長方形のループが 縦0.3 m,横0.4 mの大きさを持っている。ルー プは蝶番(ちょうつがい)でy軸のまわりに回転 でき,コイル面はx軸と30˚をなす(図29.29参 照)。図に示す方向に1.2 Aの電流が流れると き,x軸方向に向けられた0.8 Tの一様な磁場が ループに及ぼすトルクの大きさはどれほどか? 予想されるループの回転方向はどちらか? 【解答】 問題22. 17 mAの電流が円周2 mの円形ループに流れている。0.8 Tの外部 磁場がループ面と平行に向けられている。 (a) このループ電流の磁気モーメントを計算せよ。 電流をI,ループの面積をAとすると,磁気モーメント(の大きさ)µは µ = IA ループの半径をr,円周をlとすると, l = 2πr ∴ r= l 2π l2 l A = πr = π = 4π 2π ループ面積は 2 2 問題25. 面積が0.45 m2で225巻きの長方形コイルが0.21 Tの一様な磁場の 中に置かれている。測定によれば,磁場がループに及ぼす最大のトル クが8×10-3 N•mである。 (a) コイルに流れる電流を計算せよ。 (b) 225巻きの導線を延ばして1つの大きな同形の単巻きコイルにする と,同じトルクを受けるのに必要な電流は上の値と異なるか? 説明せよ。(異なる場合は必要な電流を計算する。) 問題22. 17 mAの電流が円周2 mの円形ループに流れている。0.8 Tの外部 磁場がループ面と平行に向けられている。 (b) 磁場がループに及ぼすトルクの大きさはどれほどか? τ = | µ × B | = µB = (5.4 ×10 −3 [A ⋅ m 2 ])(0.8 [T]) = 4.3 ×10 −3 [ N ⋅ m] よって,磁気モーメントは µ = IA = I l2 4π = (17 ×10−3 [A])(2 [m])2 4π = 5.4 ×10−3 [A ⋅ m2 ] 問題23. 導線を密に100回巻いた長方形のループが 縦0.3 m,横0.4 mの大きさを持っている。ルー プは蝶番(ちょうつがい)でy軸のまわりに回転 でき,コイル面はx軸と30˚をなす(図29.29参 照)。図に示す方向に1.2 Aの電流が流れると き,x軸方向に向けられた0.8 Tの一様な磁場が ループに及ぼすトルクの大きさはどれほどか? 予想されるループの回転方向はどちらか? (参考:回転軸が長方形の辺と一致する場合も,トルクは回転軸が長 方形の中心を通る場合と同じ) 1巻きのコイルの磁気モーメント(の大きさ)µは・・・ µ = IA (I:電流,A:ループの面積) コイル面がx軸と30˚をなすので,磁気モーメントのベクトルと磁場 のベクトル(x軸方向) の間の角度θは60˚。 100回巻いたコイルのトルクの大きさは τ =N | µ × B | = NµB sin θ = NIAB sin θ (N:コイルの巻数) = (100)(1.2 [A]){(0.3 [m])(0.4 [m])}(0.8 [T ]) sin 60° = 9.9766 [ N ⋅ m] ≈ 9.98 [ N ⋅ m] トルク・ベクトルの向きは の方向なので,負のy軸方向。よって, µ× B ループの回転方向は,y軸の負の方向を向いた時に時計回りの方向。 問題25. 面積が0.45 m2で225巻きの長方形コイルが0.21 Tの一様な磁場の 中に置かれている。測定によれば,磁場がループに及ぼす最大のトル クが8×10-3 N•mである。 (a) コイルに流れる電流を計算せよ。 トルクの最大は τ =N | µ × B |max = NµB = NIAB (N:コイルの巻数,µ:コイル1巻きの磁気モーメント I:電流,A:ループの面積,B:磁場) ∴ I= τ (8 ×10 −3 [ N ⋅ m]) = NAB (225)(0.45 [m 2 ])(0.21 [T]) = 3.76 ×10 −4 [A] = 0.376 [mA] = 376 [µA] 問題25. 面積が0.45 m2で225巻きの長方形コイルが0.21 Tの一様な磁場の 中に置かれている。測定によれば,磁場がループに及ぼす最大のトル クが8×10-3 N•mである。 (b) 225巻きの導線を延ばして1つの大きな同形の単巻きコイルにする と,同じトルクを受けるのに必要な電流は上の値と異なるか? 説明せよ。 (異なる場合は必要な電流を計算する。) 1巻きの導線の長さが225倍になると,ループの面積は2252倍になる。 導線を延ばして,巻数,ループ面積,電流がN, A, IからN´, A´, I´になっ たとする。 巻数: N → N ′ = N / 225 (= 1) ループ面積: A → A′ = 2252 A 電流: I → I ′ 磁場Bとトルクτは変わらないとき I′ = τ N ′A′B 1 = I 225 = τ 225τ 1 τ = = 2 2 ( N / 225)(225 A) B 225 NAB 225 NAB したがって,必要な電流は1/225でよい。 I′ = 1 (376 [µΑ]) = 1.67 [µΑ] 225
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