磁気30 誘導起電力の公式 (-N)

磁束量の変化による誘導起電力の公式
磁束量の変化による誘導起電力の公式
コイルを貫く磁束量が変化すると、ファラデーの法則により誘導起電力が発生
する
そのときの誘導起電力を求める公式は次のようになります
公式
コイルを貫く磁束が t 秒間でφ[Wb]変化した時の
コイルに発生する誘導起電力 e を求める公式
e  N
Δ
Δt
(*1) (*2)
e [V] : コイルに発生する起電力
N : コイルの巻数
Δφ[Wb] : 変化した磁束の量
Δt[秒] : 磁束が変化するのに要した時間
公式からは次のようなことがわかります
・ 磁束の変化量が多いほど起電力は大きくなる
・ 磁束が変化するのに要した時間が短いほど起電力は大きくなる
つまり、短時間に多くの磁束が変化すると起電力が大きくなることを意味します
公式の使い方を例題でみてみましょう
例題
巻数 10 のコイルを貫く磁束が
1 秒間で 30[Wb]から 20[Wb]に変化するとき
コイルに発生する起電力を求めよ
解説
Δ
の式にN = 10 , Δφ= 30-20 = 10 , Δt = 1を代入する
Δt
10
e  10 
1
e = 100
eN
答 100 [V]
注釈
(*1)
N の前についている(-)マイナスは無視して e  N
Δ
と覚えても結構です
Δt
実際、公式を使って計算した値にマイナスはつけません
N の前にマイナスがついている理由は
磁束の変化によって起きる誘導起電力は、もともとの磁束の増減とは逆になるように
磁束を増減させる、ということをあらわすためで
磁束が増えているときは、これを減らすような
磁束が減っているときは、これを増やすような 逆の誘導起電力が発生することを
意味します
(*2)
Δφ、Δt について
φ、t の頭についている Δ(デルタ)は
一般的に変化した量をあらわすときにつける記号です