インドネシア:石炭依存 GHG 排出量削減目標を危うくする 2016 年 9 月 15 日掲載 9 月 7 日付けの地元報道によると、温室効果ガス(GHG)排出量を 2030 年までに 29%削減目標は、急騰 が予想される将来の電力需要を満たすために、石炭使用を継続促進しているため、これまで以上に非現実 的になってきた。 過去 5 年間、発電所でのエネルギー供給は石炭を主体として行われ、その後に天然ガスや原油が続くと いう多様化が行われてきた。この供給源の多様化の進展によって、エネルギー生産者や産業界からの GHG 排出量が大幅に増加してきた。 石炭に依存している事により、エネルギー消費の増大と相まって、炭素排出量への影響面では、エネル ギー部門の影響が、森林伐採の影響を追い抜いた。 エネルギー部門での CO2 排出量は、2010 年には 4 億トン、国家開発計画庁(Bappenas)の予測では 2020 年までに 8 億トン、2045 年までに 17 億トン。一方、農業、林業及びその他の土地利用、泥炭分解と泥炭火災 による CO2 排出量は、2010 年には 9 億トン、2020 年までに 7.6 億トン、2045 年までに 11.4 億トン。 MEMR の電力総局長は、過去には、CO2 排出量の最大部分は、森林火災だったが、将来的にはエネルギ ー部門となり、細かく見れば、大半は石炭になるとした。 MEMR の電力技術・環境局長は、石炭は未だ最も経済的に入手可能なエネルギーであるとし、石炭が最 も容易に入手でき、技術は既に確立されているとした。更に、石炭火力発電所の建設には、僅か 5 年間し か要せず、好むと好まざるに関わらず、最も容易に利用可能なオプションは石炭であるとした。また、石 炭不足の問題解消のために、坑内掘り炭鉱の開発が、今最も議論されなければならないとした。 (石炭開発部 辻 誠) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確 な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとら れた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願 い申し上げます。
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