術時間が予定より延 した患者の割合

⼿術時間が予定より延⻑した患者の割合
2014年度の当院の⼿術件数は4471件と年々増加しており、1⼿術室あたりの⼿術件数も550件を超えて
いた。また、緊急⼿術は897件あり、⼿術件数にしめる割合は20%で、⼿術の難度化・⻑時間化が⽬⽴っ
た。しかしながら、医療資源(ハード⾯(⼿術室、医療器具)、ソフト⾯(医療スタッフ))は有限であ
り、患者や地域の⼿術の要望に適切に応えるためには⼿術室の効率的な運⽤が不可⽋になる。その為には、
各科が⼿術申し込みの際に申告した⼿術時間内で⼿術が施⾏されることは、有効な⼿段となる。また、⼿術
時間と⼿術部位感染(SSI)は相関関係があることは広く知られており、適正な⼿術時間内に⼿術が終了する
ことは⼿術部位感染発症を抑制することにもつながる。
4⽉
52%
5⽉
52%
6⽉
53%
7⽉
52%
8⽉
52%
9⽉
40%
10⽉
44%
11⽉
39%
12⽉
45%
1⽉
48%
2⽉
46%
3⽉
41%
47%
H27年度(N=3597)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90% 100%
当院値の定義・算出方法
分⼦: ⼿術時間が申告時間を超過した予定⼿術症例数
分⺟: ⼿術時間が申告されている予定⼿術症例数
×100 (%)
※グラフ中のN数は分⺟の値を⽰しています。
解説(コメント)
⼿術室の効率的な運⽤は、⼿術件数増・コスト削減に寄与することができ、急性期病院では病院経営上重要
なファクターとなる。特に、施設などのハード⾯、マンパワーなどのソフト⾯とも制約のある当院の場合、
予定⼿術が予定時間通りに施⾏されることは効率的な運⽤のため、⼿術を受ける患者の周術期管理のために
も重要である。
改善策について
申告された⼿術時間を超過した症例は47%で、症例によっては2時間以上超過したものも⾒受けられた。
⼿術部編成会議等で外科系各科により正確な⼿術時間申告を依頼するとともに、⼿術時間には⿇酔⾏為も含
まれるため、⿇酔科内で⼿技を⾒直しを⾏うこととした。また、⼿術部看護師は⼿術マニュアルを改訂する
など⼿術がスムースに進⾏できるような体制を構築することとした。
⽂責:⿇酔科主任部⻑
吉村 速