松工進路だより 9月16日号

松工進路だより
― vol.8―
平成28年9月16日発行
松江工業高校 進路部
《作文》を書く
進路にかかわる試験では「自分の考えを文章で書く」という試験が課されることがあり
ます。
「作文」
「小論文」と呼ばれるものです。与えられた時間内で、指定された字数の文
章で、自分の考えを表現する。今回は、文章を書く上でのコツをいくつか紹介します。
コツ① 構成を考える
「構成=何を、どの順で書くか」です。まずは、出された質問(題)に対する答えを1つにしぼり、相手にわ
かりやすく伝えるための構成を考えます。どんなに立派な考えや経験があったとしても、整理されておらず、わ
かりにくい文章では、だいなしです。構成は以下のようなものです。
<構成> はじめ:答えの提示…自分は何が言いたいのかを、最初に宣言する。
な か:答えの説明…なぜ「答え」と考えるのか理由を説明したり、根拠となる体験を述べたりす
る。
おわり:考えを端的にまとめ直す。多少繰り返しの内容が書かれていてもよい。
※「答え(考え)
」は字数・時間などにより1~2くらいでも構いません。
「なか・おわり」と調整してしぼります。
作文試験の時間配分の目安
見直
す
10%
書く
58%
コツ② 時間配分をする
制限時間がある以上、適切な「時間配分」をして対応するのが、大切です
考え
る
32%
(これは作文試験に限ったことではないですね)
。
時間配分の目安をグラフに
すると、左の図になります。
試験時間がスタートしたら、まず「何を書こうか」とじっくり考えます。
何を、どんな順で書こうか(=構成)を考えるのです。考えたことは、用紙
の余白や裏などにメモします。これがいわば「作文の設計図」となります。
ものを作るのと同じように、
「作文」
「小論文」という作品を作るのにも、
「設
計図(構成の案)
」が必要です。思いついたことをそのまま原稿用紙に書き始
めてはいけません。思いついたことをそのまま書くのは、設計図もなく、寸法も測らず、配線図や回路図もなく
…感覚だけでものを作るような無謀なやり方です。試験時間の3~4割くらいの時間をかけて、考えてみましょ
う。
書く内容を決めたら、その設計図(構成)どおりに原稿用紙に書いていきます。書く時間は、試験時間のうち
の5~6割を目安にします。60分の試験であれば、30~40分くらいです。
「考える」時間と調整しながら書
き上げます。時間が短いと思うかもしれませんが、書く内容を事前に決めているので、大丈夫です。
「自分は人よ
りも書くのが遅いな」と思っている人でも、練習することで試験時間の7割程度で書けるようになります。
→コツ③は裏面に続く。
コツ③ 考える時間の使い方…参考までに
「考える」時間に、思いつかないで焦らないように…マッピングという方法を頭に入れておくといいでしょう。
詳しい説明は、3年生は『匠の言葉』P104、1・2年生は下記の例を参考にしてください。
与えられたテーマについて、
思いつくことをなるべく多く書き出す作業です。
作文に書くかどうかは別にして、
多く書き出しておくと「このエピソードを使おう」
「この例が思い描いてもらいやすいかな」
「どういう順番で使
おうか」など、考えるときに便利です。頭の中で考えるだけでなく、メモとして「書きだす」ことにより、視覚
的にとらえられて考えを整理しやすくなります。
コツ①~③をふまえた例
「好きな動物はなんですか」
◎「まず考える」
・犬
…身近、種類もたくさん、番犬…
・猫
…かわいい、きまぐれ…
河童
世話 水替え・えさ
こうら
飼っていた
かめ
・うさぎ …白い、小学校にいた、耳が長い…
・かめ
…昔飼っていた、ゆっくり、癒された、
ゆっくり
「うさぎ」と「かめ」
→「かめ」にしよう!
の話
癒し
いつの間にか
遠くへ
◎「構成」
休まずコツコツ
はじめ…カメが好き
な か…飼っていた
部活動!?
ゆったり、癒される
最後の大会
結果が出せた
「うさぎ」と「かめ」の寓話
部活動での体験 コツコツ努力・最後の大会で結果が出せた
おわり…カメが好き。思い出すと自信が持て、奮起できるから。
◎実際に「書く」
以上のような作文のコツを学び、実践練習をしたのが、7月下旬に開かれた「就職作文対策講座」です。3日
間の講座では毎回80人近くの3年生が参加し、原稿用紙の使い方から、構成の組み立て方、考えを広げる練習
などをし、作文を書きました。最初は書きにくかった人も回を重ねるにつれ、自分の書きたいことをスムーズに
書けるようになってきたようでした。作文も練習です。時間や字数がわかっている人は、
「同じ時間」と「同じ字
数」で、何度か練習して本番に向かうといいでしょう。
先生にみてもらい、添削をしてもらっている人もいると思います。指摘してもらい、直してもらって終わり…
ではなく、自分の手で書きなおしてみましょう。きちんとした言葉遣い、丁寧な字、読みやすく伝わりやすい文
章のイメージが自分の中にできてくるはずです。
「字は人を表す」と言われることがあります。多くの人は、書かれた字の印象に
よって「こういう感じの人かな…」と書き手の人柄を自然と想像します。
「作文」で
も内容が似たようなレベルである場合、字の印象で優劣を判断する可能性がありま
す。上手いか下手かというよりも「気持ちのこもった丁寧な字を書こう」と意識す
ることが大事です。