橋梁改修調査設計業務委託 特記仕様書

橋梁改修調査設計業務委託
特記仕様書
(適用)
第1条 本特記仕様書は、新居浜港務局(以下「甲」という。)が発注する「太鼓大橋及び臨
港橋改修設計業務委託」
(以下「業務」という。
)を受託者(以下「乙」という。)が適正に履
行するため必要な事項を定めるものとし、その他記載のない事項については「新居浜市設計業
務共通仕様書」及び「港湾設計・測量・調査等業務共通仕様書」によるものとする。
(業務目的)
第2条 本業務は、太鼓大橋及び臨港橋について、使用実態及び損傷状況を調査・把握し、
現行基準に合致した必要な改修設計を行い、発注図書用の数量計算、図面作成等を行うも
のである。
(業務対象範囲)
第3条 本業務の業務範囲は、甲が管理する次の2橋を対象とする。
(1)太鼓大橋
(2)臨港橋
(履行期間)
第4条 本業務の履行期間は契約の日から平成29年3月10日までとする。
(提出書類)
第5条 乙は、業務の実施に先立ち、速やかに下記書類を甲に提出し、承認を受けなければな
らない。
(1)業務実施計画書
(2)工程表
(3)管理技術者通知
(4)その他業務の履行に関し、必要と認められる書類
(関係法令等の遵守等)
第6条 乙は、本業務の実施にあたり関係諸法令、諸条件を遵守し、必要となる関係官公庁等へ
の手続きを行い、測量設計業務の円滑な進捗を図るものとする。
(管理技術者)
第7条 乙は、本業務に精通し、かつ相当の経験と知識を有する管理技術者を専任しなければな
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らない。
(業務方針)
第8条 本業務は対象とする構造物について、耐力補強等に関する設計業務に活用するため
に必要な調査等を行うこととする。
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太鼓大橋及び臨港橋はマリンパーク新居浜及び垣生岸壁・荷捌地への唯一のアクセス道
路であるため、通行止めは不可とするとともに交通規制は極力実施しないよう調査計画を
立案すること。
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海上からの調査・点検については、新居浜海上保安署及び地元漁業組合と調整のうえ実
施するとともに安全に配慮すること。
(適用基準等)
第9条 本業務の実施に当たっては、本特記仕様書によるほか、次の各号に示す基準等に準
拠して実施するものとする。
(1)道路橋示方書・同解説 平成24年4月 日本道路協会
(2)その他 関連基準
・既設橋の耐震補強設計に関する技術資料
平成24年11月 国土技術政策総合研究所
・既設道路橋の耐震補強に関する参考資料
平成 9年 9月 日本道路協会
・道路橋支承便覧(改訂版)
平成23年 9月 日本道路協会
・落橋防止システム設計の手引き(改訂版) 平成22年 8月 日本橋梁建設協会
・既設橋梁落橋防止システム設計の手引き
平成17年 3月 日本橋梁建設協会
(貸与資料)
第10条 本業務における貸与資料は以下のとおりとする。
(1)維持管理計画書(平成24年)
(2)設計委託成果品(昭和59年)
(3)港湾台帳
(業務内容)
第11条 本業務の業務内容は、次の各号に示すとおりとする。なお、項目に変更が生じた
場合は監督員と協議を行うものとする。
(1)設計計画
設計業務共通仕様書第1-10条に示される業務計画書を作成すること。
(2)損傷箇所の確認調査
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・現地踏査
設計業務共通仕様書 第2-2条のほか、現況の交通状況、船舶航行状況、用地条件、
道路下の状況等、現地を把握し、併せて業務に必要な文献及び水文資料等の収集も行う
こと。
施設全体や特徴的な箇所について、遠景を含めた写真を撮影すること。
また、荷役・運送事業者等にヒアリング等を行い、交通量、交通方向別、時間当たり、
総交通量、大型車交通量などをとりまとめに反映すること。
・資料収集・整理
既存資料のとりまとめを行う。
既存設計図書や竣工図など業務に必要な資料を収集し、設計条件の整理を行うこと。
設計対象構造物の経常的な特性等を把握し、施工に支障の無い設計を行うこと。
・損傷(現況)調査
業務実施計画書に基づき業務に必要な調査を行う。
目視等により確認した損傷箇所(ひび割れ、コンクリートの剥離、鉄筋腐食など)につ
いて、写真撮影、スケッチなどにより損傷状況を把握する。
調査にあたっては現場状況から必要な場合は検査車両等を使用すること。
なお検査車両を使用する場合に交通規制を伴う場合は、関係機関と協議し、安全の確
保に万全を期すること。
・現況図面の作成
既存成果品の寸法値を用いて現況図面(CAD)を作成する。
・データ整理・損傷図作成
損傷調査により把握した損傷状況を整理するとともに、現況図面から損傷図を作成す
る。
(3)損傷箇所の評価
・対策区分の判定
把握した補修箇所について補修の要否判定を行う。
・試験結果とりまとめ
各種試験結果から、劣化程度、損傷要因を推定しとりまとめを行う。
・報告書作成
損傷箇所の確認調査に係る報告書のとりまとめを行う。
(4)コンクリート補修工設計
・対策工法の検討
対象施設の補修として適当な工法を抽出し、損傷要因、施工性、経済性などから総合
的に判断し補修工法を決定する。
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・設計図作成
補修詳細図等を作成する。
・数量計算
設計図を基に、土木工事数量算出要領に基づき数量を算出する。
・照査
工法選定、設計図面、数量計算書の適正化・整合性について照査を行う。
・報告書作成
補修工設計に係る報告書のとりまとめを行う。
・留意点
既存設計図書、維持管理計画書、現況調査結果及び通行状況をふまえ、構造設計条件
の検討を行うとともに、その結果に基づき必要な改修に関する設計を行うこと。
(5)伸縮装置補修設計
・設計図作成
伸縮装置の補修詳細図等を作成する。
・数量計算
設計図を基に、土木工事数量算出要領に基づき数量を算出する。
・照査
設計計算、設計図面、数量計算書の適正化・整合性について照査を行う。
・報告書作成
伸縮装置の補修に係る報告書のとりまとめを行う。
(6)支承防錆設計
・設計図作成
支承防水工の補修詳細図等を作成する。
・数量計算
設計図を基に、土木工事数量算出要領に基づき数量を算出する。
・照査
設計図面、数量計算書の適正化・整合性について照査を行う。
・報告書作成
支承防水工の補修に係る報告書のとりまとめを行う。
(7)支承取替設計
・対策工法の検討
対象施設の支承取替として適当な工法を抽出し、損傷要因、施工性、経済性などから
総合的に判断し工法を決定する。
・設計計算
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支承取替で必要となる設計計算を行う。
・設計図作成
支承防錆工の詳細図を作成する。
・数量計算
設計図を基に、土木工事数量算出要領に基づき数量を算出する。
・照査
設計図面、数量計算書の適正化・整合性について照査を行う。
(8)橋面防水工設計
・設計図作成
橋面防水工に係る詳細図を作成する。
・数量計算
設計図を基に、土木工事数量算出要領に基づき数量を算出する。
・照査
設計図面、数量計算書の適正化・整合性について照査を行う。
(9)施工計画
検討された工法により工事を実施するために必要な施工方法を立案する。
(10)概算工事費の算定
算出した数量計算に基づき、概算工事費を算定する。
(11)関係機関との協議資料作成
設計図書に基づき、関係機関との協議用資料・説明用資料を作成する。
作成部数及び体裁等は別途指示する。
(12)設計協議
・業務着手時
業務計画書を基に調査方法、調査内容、設計内容の打ち合わせを行い、既存資料等の
貸与を行う。
・中間打合せ(2回)
調査終了時及び設計終了時に調査結果及び設計結果の打ち合わせを行う。
・成果品納入時
成果品の内容について打ち合わせを行う。
(13)既設橋脚の照査及び補強工法検討
道路橋示方書Ⅴ編(平成24年4月)に基づき照査を実施し、不足する耐震性能の程
度を確認すること。
また、現行基準に適合させるための補強工法・構造特性・経済性・施工性等から総合
的に比較検討し、最適工法を選定すること。
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(14)鉄筋コンクリート橋脚の補強設計
・設計計画
決定した耐震補強工法について、使用材料・構造細目・設計条件を整理する。
・設計計算
設計計画に基づき、詳細設計を行う。
・設計図作成
工事実施に必要となる、補強一般図・補強詳細図等を作成する。
・数量計算
数量算出要領に基づき、数量の算出を行う。
・照査
橋脚の補強設計(詳細設計、設計計算、図面及び数量計算書の作成)を行うこと。
現地状況、収集した基礎資料等の確認、補強工法、詳細設計、設計図、数量計算の
適切性及び整合性について着目し照査を行う。
・報告書作成
成果のとりまとめを行う。
・留意点
必要な落橋防止システム、支承部についても不足する耐震性能を確認し、落橋防止構
造などの設置すべき構造についても整理すること。
(15)基礎工の照査(杭基礎)
道路橋示方書Ⅴ編(平成24年4月)に基づき、既設橋脚基礎の耐震性能照査を実
施し、不足する耐震性能の程度を整理すること。
・設計計画
橋脚基礎の使用材料、構造細目、設計条件、主要構造寸法等を整理する。
・応力計算
既設橋脚基礎(杭基礎)の耐震性照査を行う。
・照査
現地状況、収集した基礎資料の確認、補強工法、詳細設計、設計図、数量計算の適
切性及び整合性について着目し照査を行う。
・報告書作成
成果のとりまとめを行う。
(16)落橋防止システムの検討
現況調査や既存資料(図面等)に基づき、落橋防止のために設置する各構成要素に
ついて照査を行う。
(17)落橋防止構造の設計
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道路橋示方書Ⅴ編(平成24年4月)に基づき、設置の要否について整理し、経済
性、施工性等、本橋にふさわしい最適工法を選定し、各構造の設計を行うこと。
・設計計算
選定した工法により落橋防止構造の詳細設計を実施する。
・設計図作成
工事実施に必要となる一般図、構造図、配筋図等を作成する。
・数量計算
数量算出要領に基づき、数量の算出を行う。
・照査
現地状況、収集した基礎資料等の確認、補強工法、詳細設計、設計図、数量計算の
適切性及び整合性について着目し照査を行う。
・報告書作成
成果のとりまとめを行う。
(18)縁端拡幅設計
・設計計算
縁端距離が不足する場合に縁端拡幅の詳細設計を行う。
・設計図作成
工事実施に必要となる一般図、構造図、配筋図等を作成する。
・数量計算
数量算出要領に基づき、数量の算出を行う。
・照査
現地状況、収集した基礎資料等の確認、補強工法、詳細設計、設計図、数量計算の適
切性及び整合性について着目し照査を行う。
(19)仮設構造物の設計及び施工検討
補修工事を施工する際に必要となる土留工、足場、仮橋等の仮設構造物について、設
置箇所の管理上の施工条件等を充分に考慮し設計を行うこと。
・留意点
補修工事を実施する際の施工方法については、交通規制計画、仮設計画、施工フロー、
施工方法等の検討を総合的に行い、とりまとめを行うこと。
(20)報告書作成
設計業務の成果として成果概要書等のとりまとめを行うこと。
とりまとめにあたっては、基準・出典・根拠・設計方針等を明確にするとともに考え方をわ
かりやすく論理的にとりまとめること。
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(業務の協議等)
第12条 乙は、業務の実施にあたり、甲が定める監督員と常に密接な連絡を取り、適正か
つ円滑な業務の遂行に努めること。
なお、打ち合わせ回数は3回(当初、中間、最終)を予定している。
乙は、打ち合わせ結果を記録簿に記載し、甲と内容の確認をするものとする。
(管理技術者、主任技術者及び照査技術者)
第13条 管理技術者、主任技術者及び照査技術者は、技術士またはRCCM資格保有者と
し、以下に定める要件を1つ以上満たす者とする。
(1)技術士(総合技術監理部門:建設部門・鋼構造及びコンクリート)
(2)技術士(建設部門:鋼構造及びコンクリート)
(3)RCCM(鋼構造及びコンクリート部門)
(資料の収集、貸与、返還)
第14条 乙は、業務に必要な関係資料を甲より借り受けた場合は、責任を持って保管し、
汚損等を生じさせないよう十分注意するとともに、業務終了後速やかにこれを返還するも
のとする。
(秘密の保持)
第15条 乙は、本業務遂行上知り得た秘密とされている事項については、その一切を履行
期限に関係なく他に漏らしてはならない。
(成果品の帰属)
第16条 本業務で履行した成果物は全て甲の所有とし、甲の承諾なくして公表もしくは貸
与してはならない。
(成果品)
第17条 乙は業務が完了したときは、成果品を業務完了届とともに提出するものとする。
(1)報告書及び電子データ(体裁、媒体、形式等は別途指示する) 2部
(2)その他、監督員の指示するもの
1式
(疑義)
第18条 本業務の実施に当たり、疑義が生じた場合は委託者、受託者双方の協議により定め
るものとする。
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