一次不定方程式 整数問題は積の形が基本的に扱いやすい.方程式 の項

一次不定方程式
【例題】
, を自然数とする.4 + 7 = 97 となる,の組を求めよ.
整数問題は積の形が基本的に扱いやすい.方程式
の項が2つなら,つまり, 〇=△ の形なら,両辺
を因数分解するなどして,解き進めることができる.
つまり,この問題は項が1つ多いのが難点である.
そこで,強引だが,定数の 97 を仮に 0 としてみ
よう.そうすると,4 + 7 = 0, つまり,4 = −7
になるので,4 と 7 は互いに素だから, = 4と表
せて…などというように,話が動いていく.では,
どうやって 97 を消すのか?これは,定石ともいえ
る方法がある.とにかく何でもいいから,この式を
満たす整数の組を一組探すのである.
【解答】
= 5, = 11 はこの式の解の1つなので,
4 + 7 = 97
4 ∙ 5 + 7 ∙ 11 = 97
辺々ひくと
4 − 5 + 7 − 11 = 0
4 − 5 = −7 − 11
より,4 と 7 は互いに素なので,
− 11 = 4は整数とかける.
このとき,
4 − 5 = −7 ∙ 4
= −7 + 5
,は自然数だから
= −7 + 5 ≧ 0, = 4 + 11 ≧ 0
よって
11
5
−
≦≦
4
7
は整数だから
= −2, − 1,0
よって
, = 19,3,12,7,5,11
※ = 5, = 11 以外の組を見つけたとしても,答
えは同じ.
※1 組見つけて,辺々引くのは常套手段.しっかり
マスターしておこう.
【1】2 + 25 = 1993 を満たす整数, のう
ち,と の差の絶対値が最も小さいものを求め
よ.
(お茶の水女子大)
(同志社大,表記変更)
【解答】
= 9, = 79 はこの式の解の1つなので,
2 + 25 = 1993
2 ∙ 9 + 25 ∙ 79 = 1993
辺々ひくと
2 − 9 = −25 − 79
2 と 25 は互いに素なので,
− 79 = 2 (は整数)とかける.
このとき,
2 − 9 = −25 ∙ 2
= −25 + 9
よって,, = −25 + 9, 2 + 79
| − | = |−25 + 9 − 2 − 79|
= |−27 − 70|
よって, = −3 のとき,最小値 11 をとる.
このとき,, = 84, 73
【2】 を整数とするとき,, の方程式
2 + 3 = について,
(1)この式を満たす整数, の組を求めよ.
(2) = 100のとき,この式を満たす正の整数
, は何組あるか.
(東京理科大,改題)
【解答】
(1) = 2, = − は解の1つなので,
2 + 3 = 2 ∙ 2 + 3 ∙ − = を辺々引いて
2 − 2 + 3 + = 0
2 − 2 = −3 + 2 と 3 は互いに素だから,
+ = 2とおけるは任意の整数
このとき
2 − 2 = −3 ∙ 2
= 2 − 3
よって,, = 2 − 3, − + 2
2 = 200 − 3 > 0, = −100 + 2 > 0より
200
50 < <
= 66. ⋯
3
は整数なので,16 組.
【3】1 以上の整数全体の集合を&とし,その部
分集合
# = $3 + 7|, ∈ &}
を考える.#はある整数以上のすべての整数を含
むことを示し,そのようなの最小値を求めよ.
(お茶の水女子大)
【解答】
3 + 7 = ⋯ ①とする.
= −2, = は解の 1 つであるから,
3 ∙ −2 + 7 ∙ = ⋯ ②
①-②より,
3 + 2 + 7 − = 0
3 + 2 = −7 − 3 と 7 は互いに素だから,
− = 3は整数)
とかける.このとき
3 + 2 = −7 ∙ 3
= −2 − 7
よって
, = −2 − 7,3 + > 0, > 0より
−2 − 7 > 0 かつ 3 + > 0
よって
2
− < < − ⋯③
3
7
これを満たす整数が存在するためには
2
− − !− " > 1
7
3
>1
21
よって#は 22 以上のすべての自然数を含む.
また,
= 21のとき, ③を満たす整数は存在しない.した
がって, 最小値は 22
※下から 3 行目は大事
整数が存在⇒不等式の「幅」が1より大