金融緩和政策の「総括的な検証- 考え方とアプローチ

金融緩和政策の「総括的な検証」
― 考え方とアプローチ ―
「きさらぎ会」における講演
2016年9月5日
日本銀行総裁
黒田 東彦
図表1
企業収益と雇用環境
失業率
売上高経常利益率
6
(季節調整済、%)
6.0
(季節調整済、%)
5.5
5
5.0
4
4.5
3
4.0
2
3.5
1
3.0
2.5
0
06 年 07
08
09
10
11
12
13
14
15
(注)売上高経常利益率は、金融業・保険業を除く。
(資料)財務省、総務省
16
06 年 07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
1
図表2
物価
原油価格
消費者物価
3
(前年比、%)
160
(ドル/バレル)
総合(除く生鮮食品・エネルギー)
総合(除く生鮮食品)
WTI
140
2
2015年基準
120
2010年基準
1
100
0
80
60
-1
40
-2
20
-3
06年 07
0
08
09
10
11
12
13
14
15
16
06年 07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(注)1. 消費者物価指数の総合(除く生鮮食品・エネルギー)は日本銀行調査統計局算出。
2. 消費者物価指数は、消費税調整済み(試算値)。
(資料)総務省、Bloomberg
2
図表3
「量的・質的金融緩和」のメカニズム
2%の「物価安定の目標」への
強く明確なコミットメント
大規模な長期国債買入れ
名目金利
人々の予想物価上昇率
実質金利
低下
上昇
低下
貸出、
資本市場
経済
好転
現実の物価上昇率
上昇
3
図表4
予想物価上昇率
市場参加者
(物価連動国債のBEI)
3.0
(%)
2.5
エコノミスト
企業
(ESPフォーキャスト)
(短観・販売価格判断)
(「上昇」-「下落」、DI、%ポイント)
20
(年率平均、%)
7~11年度先
2.0
2.0
10
2~6年度先
3か月前との対比(全産業・全規
模)
3か月後までの変化(全産業・全
規模)
1.0
0
1.5
0.0
-10
-1.0
旧物価連動国債
(10年物)
-2.0
旧物価連動国債
(最長物)
-3.0
1.0
-20
予測
0.5
-30
新物価連動国債
(10年物)
0.0
-40
06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
09年 10 11 12 13 14 15 16
06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
年
年
(注)1. BEIは、固定利付国債利回り-物価連動国債利回り。物価連動国債のうち、2013/10月以降に発行されたもの
を新物価連動国債、それ以外を旧物価連動国債と呼称。旧物価連動国債の最長物は、16回債(2018/6月償還の
銘柄)の利回りを用いて算出。
2. ESPフォーキャストは、消費税率引き上げの影響を除くベース。調査時点は6、12月。
(資料)Bloomberg、JCER、日本銀行
-4.0
図表5
金融環境
国債利回り
2.2
2.0
1.8
(%)
10年債
5年債
2年債
企業からみた金融機関
の貸出態度(短観)
新規貸出約定平均金利
2.0
4
(後方6か月移動平均、%)
40
(「緩い」-「厳しい」、DI、%ポイント)
全産業・大企業
1.8
短期
長期
全産業・中小企業
30
1.6
1.6
1.4
20
1.2
1.4
1.0
10
0.8
1.2
0.6
0
0.4
1.0
0.2
0.0
-10
0.8
-0.2
-0.4
0.6
06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
年
-20
06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
年
06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
年
(資料)Bloomberg、日本銀行
5