民事訴訟法

科
目
単位数
名(英文名)
民事訴訟法
2
(Civil Litigation Law)
年
期
次
2年次
間
後期
担 当 者
水野 五郎(ミズノ ゴロウ)
〔授業のねらい・概要〕
知的財産権は私権であり、その行使、侵害に係る紛争は民事紛争である。そして民事紛争の解決手続として最も重要な意味を持つのが民事訴訟で
ある。本講義では、民事訴訟(判決手続)の基本的な制度、原則、概念について学習する。
民法、特許法その他の知的財産法などの実体私法の法解釈はそれらが裁判規範であることを前提としている。したがって、これら実体法を学習する
上で、民事訴訟の基本構造を理解することは不可欠であり、また民事訴訟の学習をすることで、実体私法の理解がより明確に、かつ深くなる。
〔授業計画〕
回
(授業のスケジュール)
テ ー マ
数
第1回
授業の内容 ・ 教育方法
予習/復習
民事訴訟の意義と目的
知的財産の学習にとっての民事訴訟法の意義、本講義の進め方
民事紛争と民事訴訟
裁判規範としての実体私法の適用と民事訴訟の構造、処分権主義、
弁論主義、証明責任
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
訴訟上の請求(訴訟物)、主要事
実、証拠
訴訟物、主要事実と間接事実、証拠、証明の基本概念、自由心証主
義
第11回
判決
裁判と判決、判決の言渡しと確定、判決の効力
第12回
口頭弁論とその準備
口頭弁論の諸原則、弁論準備のための諸制度
第13回
訴えの類型、訴訟要件
確認の訴え、形成の訴え、訴訟要件
第14回
当事者
当事者概念、当事者能力、当事者適格
第15回
上訴、管轄
上訴、管轄
第8回
第9回
第10回
毎回、講義終盤で確認テストを
実施し、講義翌日にwebで前日
の講義資料と次回までの予習
課題を提示する。確認テストで
自身の理解度を確認し、講義
資料を参照して十分な復習を
行うことが求められる。また予習
課題は事例問題を中心とし、教
科書等の該当記載を「探す」だ
けでは解答できず、「考える」こ
とが求められる。
到達目標
本講義では、民事訴訟の本案審理の基本構造を形作る諸原則(処分権主義、弁論主義、証明責任等)に関する基本的な「理解」を得
ることを到達目標とする。「理解」とは、用語を暗記することとは異なり、条文や条文に書かれていない法原則を使いこなす能力を身に
付けることである点に留意していただきたい。
具体的には以下の通り。
(1) 実体私法の法適用(要件、効果とその当てはめ)の訴訟における意義を理解すること、
(2) 本案の審理構造の基本的な理解を得ること、
(3) 本案の審理構造に関する諸原則、法規を理解すること、
(4) 訴訟手続の進行に関する諸法規を理解すること
評価方法
前期試験の成績を中心に、講義中の発言、毎回実施する確認テストでの取り組み姿勢を勘案し、総合的に評価を行う。
前期試験を70%、平常点を30%として評価を行う。
平常点は、講義中の発言、確認テストを中心に判断する。
成績評価基準
A:
B:
C:
D:
F:
到達目標の全てを達成し、期末試験の論述が優れている。
到達目標の全てを達成できている。
到達目標の(1)~(4)について70~80%を達成できている。
到達目標の(1)、(2)を達成し、(3)の内、最も重要な諸法規について十分な理解を得ている。
上記以外
〔教科書・参考書〕
書
教材の別
名
著 者 名
出 版 社 名
教科書
民事裁判入門(第3版補訂版)
中野貞一郎
有斐閣
参考書
民事訴訟法(第4版補訂版)
伊藤眞
有斐閣
〔受講心得〕
上記の通り、民事訴訟法(に限らず全ての法学科目)の学習は、暗記ではなく、理解することである。理解するための講義方法として、講師が一方的に
解説するだけでなく、毎回、予習課題を与え、その課題について講義中に受講者に発言を求める。毎回の予習を行わなければ、講義に出席しても理
解は困難。また理解は短期間では得ることができないので、試験前の一夜漬けでは単位取得は難しい。
本講義の内容は連続性があり、基礎から理解を積み上げていく構成としているため、毎回の講義の理解を確実にしておかないと、次回以降の講義は
理解できない。予習を行い、講義に参加しても、理解できない場合は、必ず翌週までに講義担当者に質問し、疑問を残さないこと。
初回講義時に予習課題と講義資料の入手方法など本講義の受講方法を具体的に提示する。初回に欠席した場合は、必ず翌日までに講義担当者に
連絡をすること。
民事訴訟法を理解するためには、民法、商法をはじめとする実体私法の理解が不可欠。民法の復習を十分に行っておくこと。
〔オフィスアワー〕
水5限 1号館10階水野研究室にて。
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