工学系研究科 O I S H I 電気電子工学専攻 TOSHIYUKI 大石 敏之 教授 「高周波半導体電子デバイス」 [キーワード] 見 え 無線電力伝送用電子デバイス,ワイドバンドギャップ半導体,窒化ガリウ ム,ダイヤモンド,酸化ガリウム,デバイスモデル,高周波回路モデル な い 力 で , 豊 か な 社 会 を 実 現 研究紹介 ◆研究概要 高周波(電波)は,「見えない」「空間を伝搬できる」 という特長を使って,生活の様々な場所で活躍していま す.以下に,具体な例を挙げてみます. ① 情 報 伝 送 : スマートフォン,基地局,衛星通信など ②センシング:空港監視レーダ,気象レーダなど ③ 電 力 伝 送 : 加熱,ワイヤレス給電など これらの高周波を利用したシステムには,「電波を増 幅して送信する」もしくは「信号を受信する」デバイス が必要となり,このデバイスは半導体または真空管を使 って作られます.本研究室では,高周波で使用する半導 体デバイス,特にこれまで取り扱うことが難しいとされ ていた「高周波かつ高電力」の領域で活躍可能な半導体 デバイスの実現を目指しています. ◆無線電力伝送用電子デバイス 現在,高周波半導体電子デバイスはエネルギーの比較 的小さい情報を取扱う情報伝送システムを中心に活躍し ています.しかし,電源や加熱といった大きな電力エネ ルギーの伝送には真空管が用いられており,このシステ ムは大きく重くなる傾向があります.そこで,大きなエ ネルギーを取扱える電子デバイスを研究し,システムの 小型化,軽量化を目指しています.当研究室では,電子 デバイスを試作し,電気的特性を評価することで,性能 の優れたデバイスの構造や作製方法を検討しています. さらに,高周波での動作を実証するため,高周波電子回 路を設計し,作製した電子デバイスを組込んだ評価解析 を実施しています. リウム砒素半導体と比べて,絶縁体に近い性質を持つた め,高電圧においても破壊せず,高電力を取り扱えます. また,電流の元になるキャリアの移動時間を短くする構造 で高周波動作が可能となります.これらの性質を持つ半導 体が「ダイヤモンド(C) 」 「窒化ガリウム(GaN) 」 「酸化 ガリウム(Ga2O3)」です.本研究室ではこれらの半導体 を使った電子デバイスを作製し,高周波回路の性能を向上 させる研究を行っています. 高周波では信号の強度が高速で変動し,電子デバイスの 内部で想定外の現象が発生します.高周波回路の性能を向 上させるためには,この現象が発生する原因,回路性能へ の影響,そして,対策を検討する必要があります.このた め,実際のデバイス特性にシミュレーションを加えること で,内部で生じている物理や高周波特性への影響を研究 し,より優れた電子デバイスの実現を目指しています. ◆ワイドバンドギャップ半導体 無線電力伝送用電子デバイスだけでなく,情報伝送, センシング,加熱などへの応用には,ワイドバンドギャ ップ半導体が利用されます.現在,主流のシリコンやガ 掲載情報 2016 年8月現在 企業の方へ 一言アピール 30 年近く,企業で電子や光の半導体デバイスの研究と開発に携わった経 験を活かして,大学で研究を実施しています.半導体デバイスに関するこ とは,気軽にお声かけください. 産学・地域連携機構より 大石教授の研究室は,半導体を使った電子デバイスの研究を通じて,省エネ社会を実現する ためのブレークスルー技術と電気電子工学の明日を担う技術者の育成を目指しています。 詳細は研究室 HP(右)をご覧ください.http://www.ee.saga-u.ac.jp/sedlab/index.htm 佐賀大学研究室訪問記 2016 佐賀大学 産学・地域連携機構 (佐賀県佐賀市本庄町1番地) (お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課 TEL:0952-28-8416 E-mail:[email protected]
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