秋入学についての賛否 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・付 晨晨

秋入学についての賛否
アジア史
付
晨晨(中国)
あき にゅうがく
皆さん、こんにちは。私は今日、秋 入 学 についてお話したいと思います。
せんじつ
どうにゅう
先日 、インターネットで「東大、15 年度末までに4学期制 導 入 へ
とうめん
み
秋入学は
だ
当面 見送り」という見出 しのニュースを読みました。それは、東京大学が大学教
こく さい か
じっし
め
ざ
ぜん めん い
育の国 際 化 を進めるために4年後をメドに実施 を目指 していた秋入学への全 面 移
こう
行 を当面見送り、その代わりに留学生を受け入れやすくするよう、1年間を4つ
せい ど
ないよう
の学期に分ける制 度 を導入することを決めたという内容 でした。
秋入学をめぐっては、’11 年4月、浜田純一総長が5年後をメドに秋入学に全面
こうそう
てい しょう
けん とう かい ぎ
せっ ち
ぎ ろん
移行する構想 を提 唱 して、学内に検 討 会 議 を設 置 し、議 論 を進めていました。私
き ぼう
き たい
は当時東京大学への留学を希 望 している外国人として、大きな期 待 を寄せていた
けっ か
らくたん
のですが、このような結 果 になってしまい、すこし落胆 しています。
い
ぎ
とな
秋入学への反対者は、主に二つの点から異 議 を唱 えています。ひとつは、新た
に入学する学生の場合、高校を3月に卒業してから9月に入学するまで、半年も
くう はく き かん
きょうせいてき
はん とし えん き
の空 白 期 間 があり、学生生活の開始を事実上 強 制 的 に半 年 延 期 させられる点、も
そつぎょう
き ぎょう
かんこうちょう
さい よう し けん
一つは、卒 業 する際に、卒業時期と企 業 や 官 公 庁 の採 用 試 験 の時期との間にズ
しょう
おも
レが 生 ずる点です。これらが今回、秋入学を見送った主 な理由のようです。
さんせい
しかし、そうであるにしても、私はやはり秋入学に賛成 です。
こう りゅう
言うまでもなく、秋入学には海外との交 流 という大きなメリットがあります。
ふ べん
じっかん
日本の4月入学制度による不 便 さは、きっと皆さんも実感 していらっしゃること
め
ざ
き じゅん
でしょう。国際的な大学を目指 すのであれば、国際的な基 準 に合わせなければな
おも
らないと思 います。
かんぺき
秋入学にも確かにいろいろ不便な点はありますが、今の4月入学も完璧 とは言
しょうがつ
いき ぬ
えないでしょう。受験生にとって、年に一度の 正 月 に息 抜 きができないことはし
ま ふゆ
た
きび
かたがないとしても、真 冬 の寒さに耐 えながら入学試験をうけるのは厳 しすぎる
と思います 。
げん こう せい ど
こま ぎ
また、現 行 制 度 では、冬学期は時間が細 切 れになってしまいます。10 月から
こうはん
み
12 月の二カ月は勉強できますが、12 月後半 にニ週間の冬休みがあって、一カ月未
まん
はる やす
満 の授業をやって、また春 休 みに入るので、落ちついて勉強する気になれません。
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いそが
く ぶん
4学期制度はさらに 忙 しそうです。一方、秋入学は、はっきり二つの学期に区 分
れんぞくせい
すぐ
されるので、連続性 の点でも優 れています 。
けってん
あ
ねん ど
秋入学の主な欠点 に挙 げられているのは、社会との年 度 のズレですが、この半
ご がく けん しゅう
年のブランクを利用して、ボランティアとか、留学とか、語 学 研 修 などができま
けいけん
き かい
す。若いうちに、自分を生かして、いろいろな経験 を積むいい機 会 ではないでし
ょう か。
き ぼう
もちろん、留学などを考えず、早く卒業することを希 望 する人も少なくありま
じゅうなん
たいおう
せんが、大学側がそれに応じた 柔 軟 な対応 をすればよいと思います。たとえば、
中国には、二年、二年半、ないし三年の修士学年体制があって、学生自身の必要
り しゅう
かいけつ さく
に応じて履 修 できる制度があります。きっと解決 策 はあるはずです。
み らい せい
以上、未 来 性 を考えると、秋入学への移行はデメリットより、メリットの方が
かいかく
かんしゅう
かんねん
大きいと思われます。改革 の際に、従来の 慣 習 や古い観念 に足をとられることは
さ
こ
い
み
避 けられません。しかし、それを乗り越 えてこそ、改革の意味 があるのではない
でしょう か。
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