ESG投資 - 日興アセットマネジメント

2016年8月4日
ご参考資料
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今回のテーマ
急速に拡大しつつある「ESG投資」に注目
環境・社会・企業統治への取り組みを評価し、投資判断の基準と
新人くん
日興アセットマネジメント
の新人。営業推進部門に
配属され、投信や経済に
ついて勉強中。
するESG投資。海外ではもちろんのこと、日本でもこの手法を取
り入れる動きが拡がりつつあります。今回は、「ESG投資」と、そ
の拡大を後押しする行動原則「PRI」について調べてみました。
1.ESG投資
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企
業統治)の頭文字を取ったもので、この3つの分野に着目した投資
手法を「ESG投資」と呼びます。
ESG投資が通常の投資手法と異なるのは、投資先企業を選別す
る際に、企業の利益などの財務情報に加え、環境・社会・企業統治
の3つの分野について、企業が社会的責任を果たしているかどうか
についても重視するという点です。
具体的には、CO2(二酸化炭素)排出量の削減を通じた環境保護
や、地域社会での活動・貢献、社外取締役の選任や積極的な情報
開示を通じた企業統治の確立など、企業のESGへの取り組みを評
価し、投資判断の基準とします。
ESG投資は、SRI(社会的責任投資)とも呼ばれてきました。SRI
は、1920年代の米国で、キリスト教の倫理的な観点に基づき、武
器やギャンブルなどを扱う企業に投資しないという動きから始まっ
たとされています。このように、当初は、環境や人権など、社会問題
への対応に優れた企業に投資したいという投資家のニーズに応え
た一つの投資手法として扱われていました。
最近では、ESGに取り組む
企業に特化した株価指数
を作る動きもみられます。
海外で公的年金が運用機
関と協力し、ESG指数を開
発しているほか、日本でも、
GPIF(年金積立金管理運
用独立行政法人)がESG
投資導入の足掛かりとして、
日本株を対象としたESG
指数を開発する企業を
募っています。
(次のページヘ続きます)
□当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料
ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料
作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リス
クもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時に
は、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
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その後、ESGへの取り組みは、企業の顧客基盤や経営の質など
を高め、長期的には企業価値の拡大につながると考えられるよう
になり、機関投資家が、投資収益に影響する要因として運用の際
にESGを考慮することは、一般的となっていきました。
現在では、特に欧米で、長期で運用を行なう公的年金などを中心
に、長期的な投資収益の向上につながる手法として、ESG投資が
普及しています。
2.PRI (国連責任投資原則)
ESG投資が世界的に注目されるようになった要因の一つとして、
2006年に、国連が責任ある投資家が取るべき行動として「PRI(国
連責任投資原則)」を提唱したことが挙げられます。
PRIは、委託者から資産を預かり、運用を行なう機関投資家が、
受託者としての責任を果たすために、投資収益に影響する可能性
があるESGについても考慮して投資を行なうべきとしています。具
体的には、ESGの観点を投資の意思決定プロセスに組み込むこと
や、投資先企業にESGに関する情報の開示を求めることなど、6つ
の原則が定められています。
PRIに署名する運用機関は増加傾向にあり、現在では欧米を中
心に1,400機関以上が署名しています。そのため、機関投資家の
間では、ESG投資が一般的な投資手法として浸透しつつあります。
日興アセットマネジメントは、
2007年10月にPRIに署名
しており、 日本でもいち早く
ESGを考慮した投資活動
を行なってきました。ESG
について多岐にわたる項目
を評価し、財務情報と総合
的に勘案して、質の高い利
益を継続的に生み出す企
業を見極めることをめざし
ています。
昨年9月には、日本の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管
理運用独立行政法人)がPRIに署名しました。GPIFがESG投資に
積極的な姿勢を示したことで、これまで欧米ほど普及していなかっ
た日本でも、運用機関がESG投資を取り入れる動きが拡がってお
り、ESG投資の資産規模は急速に拡大しています。
長期的な企業価値の拡大を後押しするESG投資が根付くことで、
日本経済や株式市場の持続的成長が促されることも期待されてお
り、今後もESG投資を巡る環境の変化には注目が集まりそうです。
GPIFの採用により日本でも注目が高まりつつあるESG投
資。社会貢献だけでなく、長期的な企業価値の拡大につな
がる投資手法として、今後の更なる拡がりが期待されます。
□当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料
ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料
作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リス
クもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時に
は、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
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