東 海 財 務 局 津財務事務所

(県 内 経 済 情勢 報 告 )
平成 28 年 4 月 27 日
東 海 財 務 局
津財務事務所
1.総 論
三重県内経済は、緩やかな回復の動きに足踏みがみられる。
先行きについては、各種政策の効果もあって、企業収益の改善が家計所得などに波及す
るなかで、景気回復に向かうことが期待される。ただし、中国を始めとする新興国等の海
外景気の下振れや為替の動向のほか、労働力不足による供給制約、さらには平成 28 年(2016
年)熊本地震に起因する影響に注視していく必要がある。
【総括判断】
項目
総括
判断
28 年 1 月判断
一部に弱さがみられ
るものの、緩やかに
回復している
28 年 4 月判断
前回との
比
較
総括判断の要点
消費は乗用車販売など一
部に弱さがみられるもの
の、緩やかに持ち直してお
り、雇用は引き続き改善し
ている。こうしたなか、生
産は弱含んでいる。
緩やかな回復の動き
に足踏みがみられる
【主要項目の判断】
項目
28 年 1 月判断
28 年 4 月判断
消費
一部に弱さがみられるものの、緩
やかに持ち直している
一部に弱さがみられるものの、
緩やかに持ち直している
生産
持ち直しつつある
弱含んでいる
雇用
情勢
改善している
改善している
前回との
比
較
(注)28 年 4 月判断は、前回 1 月判断以降、4 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。
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2.各 論
最近の三重県内経済情勢における各項目の動向は、以下のとおりとなっている。
【主要項目】
消費は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している。
百貨店・スーパー販売は、衣料品では、身の回り品が好調なものの、婦人服などが冬物
セールの不振や春物の伸び悩みにより低調なことから、前年並みとなっている。飲食料品
では、生鮮食品が底堅く推移し、催事商品が好調なことから、堅調に推移している。こう
したことから、全体では前年を上回っている。
乗用車販売は、普通自動車では持ち直しているものの、軽自動車では車体課税の見直し
の影響などにより低調なことから、全体では弱含んでいる。
主要観光施設の入込客は、前年を上回っている。
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生産は、弱含んでいる。
輸送機械は、自動車では、小型車が国内向けで増加しているものの、軽自動車が販売低
迷に伴う在庫調整が続いていることから、全体では弱含んでいる。造船では、受注が底堅
く推移していることから、おおむね横ばいとなっている。
電子部品・デバイスは、半導体集積回路(メモリ)では、スマートフォンやタブレットなど
の輸出向けを中心に弱含んでいる。液晶表示装置では、在庫調整などもあって、このとこ
ろ弱い動きとなっている。
はん用・生産用・業務用機械は、国内受注に一服感がみられるほか、海外受注も米国や
アジア向けで減少しているものの、受注残があることから、おおむね横ばいとなっている。
電気機械は、持ち直している。
石油化学は、おおむね横ばいとなっている。
石油精製は、おおむね横ばいとなっている。
(資料)経済産業省、中部経済産業局、三重県
(注)「東海」は、愛知、岐阜、三重の3県。
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雇用情勢は、改善している。
有効求人倍率は、有効求人数、有効求職者数ともに減少しており、横ばいで推移してい
る。
所定外労働時間は、全産業では前年を下回っているものの、製造業では前年を上回って
いる。
【その他の項目】
項
目
住
宅
公共事業
物
価
企業倒産
企業の
景況感
28 年 1 月判断
28 年 4 月判断
前年を上回っている
前年を下回っている
前年を下回っている
前年を上回っている
前年比マイナスとなっている
前年比横ばいとなっている
件数は前年を下回っており、負債総額は 件数は前年を上回っており、負債総額は
前年を上回っている
前年を下回っている
現状判断は「上昇」超
先行きは「下降」超に転じる見通し
現状判断は「下降」超
先行きは「上昇」超に転じる見通し
企業収益
27 年度通期は増益見込み
27 年度通期は増益見込み
設備投資
27 年度通期は増加見込み
27 年度通期は増加見込み
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3.県内景気に関する地域の声
(1)
同業他社のほか、異業種の競合店が増加するなか、公共料金収納サービスなどを取
り入れているほか、生鮮食品の品揃えを充実させたり、惣菜では売れ筋や時間毎の売
上を踏まえた商品構成とするなど、きめ細かいサービスを提供することで客数の確保
に繋げている。
(小売業)
(2)
低価格帯の製品の受注が増加している一方で高機能・高性能な製品の受注が落ちて
きており、生産数量は確保できているものの、製品単価は下落傾向となっている。
(情報通信機械器具製造業)
(3)
集客強化のため新たな施設を導入するなか、慢性的な人手不足が続いており、1施
設あたりの接客スタッフを減員するか、派遣社員など経験不足の者を充てざるを得ず、
接客の質の低下が懸念される。
(娯楽業)
(4)
ソフト開発関連の技術者が不足しているが、東海地域では大手自動車関連製造業に
技術者が流れてしまい、人材の確保が困難であることから、他地域に開発拠点を設け、
優秀な人材を確保している。
(非鉄金属製造業)
(5)
社員の大部分を占める非正規社員を含む全社員の賃上げを実施し、人材の確保が困
難となっている非正規社員については、正社員より高い賃上げ率とした。ただ、人件
費が大幅な増加となり、今後の経営への影響が懸念される。
(外食サービス業)
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1.本調査結果に関する問い合わせは下記へお願いします。
財務省東海財務局
津財務事務所
財務課
℡(059)225-7222(ダイヤルイン)
2.県内経済情勢報告は下記ホームページでもご覧頂けます。
ホームページ=http://tokai.mof.go.jp/tu.htm