発行日: 平成27年11月17日 発行者: 金融商品取引業者 北陸財務局長(金商)第 3 号 日本証券業協会加入 制作責任者: 営業業務部 調査課 Dynamic Psychological Ratio 9 80 70 60 50 40 30 20 22 21 20 第564号 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 100 80 60 40 20 0 -20 -40 -60 -80 -100 11 12 14/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 15/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 上図は騰落銘柄数をベースとした独自のもので、黒の幅が拡大→買い場、白の幅が拡大→売り場 下図は RCI(9 日ベース)で、 -80% ラインを上につき抜け→買い場 80%ラインを下につき抜け→売り場 大 所 高 所 足元の日本株は想定以上にしぶとい動きだ。代表的なテクニカル指標RCI曲線 は、その短期&中期&長期線共に既に+ 80%以上に達して日数が経過している。こ んな場合、ほぼ 90%以上の確率で相場は 10%前後の下落に見舞われる。今度の場合も、 中国景気の急低下が相次いで報じられ、それに伴う原油価格の急落など株価下落要因 が相次いで起こり、更に先週末にはフランスで大規模テロが起きて日本株は下落に転 じた。やはりRCI曲線は当たるな、と思ったのだが、その割に、日本株はそんなに 下がらず持ち堪えている。 考えてみると、何といっても欧米株と比較して日本株の水準が低すぎる。欧米株 が過去最高水準にあるのに対して、日本株は上がったとはいえまだ過去最高の半値水 準に過ぎない。しかも、安倍政権は最大の政策目標を経済再生にあると公言し、その 中心に株価上昇を置いていることは明らかだ。伝家の宝刀「追加金融緩和」はいつ抜 かれるか分からない状況だし、この所「財政出動」すら囁かれている。こんな状況下 では売り方は思い切って売り浴びせることが出来ない。加えて、最大の懸念材料だっ た米国の利上げも、少しずつ「それだけ米国の景気は持ち直しているのだ」と+に受 け止める傾向が出始めている。下値はじっくりと買ってゆきたい。 (BIS) た だ 一 筋 日経平均株価は、今年 8 月の高値から約 20%下落した後、10 月に半値戻し(1 万 8869 円)を達成、年末に向けて全値戻しの期待も高まる。この反転をサポートした のは、ドラギECB(欧州中銀)総裁の追加緩和示唆や中国人民銀行の追加緩和策実 施で、世界の株式市場が再び金融相場の様相を強めたことが大きい。また、日経平均 株価の日足チャートでも、今月 5 日~昨日まで 8 日連続の陽線(寄り付き値より大引 け値の方が高い)となり、下値を確実に拾う動きが見られる。特に、昨日のパリ同時 テロ事件に伴うリスク回避やGDPの 2 期連続マイナス成長といった下落要因を吸収 しての陽線は注目したい。背景には、4 - 9 月期の企業決算の好調や日銀の追加緩和 策や安倍政権の大規模な景気刺激策への期待の他、123 円台に入ってきた円安トレン ドがある。 直近、外資系、国内証券の市場関係者間で、日米金利差拡大で構造的な円安局面 入りを想定してのコメントを良く聞くのも頷ける(今年年末:125 円、2016 年末: 130 円、2017 年末 135 円)。リーマンショク後、世界経済を牽引した中国に代わって、 強い米国を期待したいものだ。 当面の物色としては、個人投資家を呼び込んだ郵政 3 社(日本郵政 (6178)・ゆうちょ 銀行 (7182)・かんぽ生命 (7181))に加え、医療用ロボット関連のCYBERDYN E (7779)、逆張りで住友金属鉱山 (5713) を注目したい。 (三感王) 当 た り 屋 見 参 先週の日経平均株価は、週間で 4 週連続の続伸となった。アメリカで年内利上げ 観測が強まったことを受けて円安ドル高が進行し、輸出関連株を中心に幅広く買われ たからだ。押し目買いの意欲も強く、前日の欧米株が安く日経平均株価が弱く始まっ ても、その後は戻して終えるという日が続き、底堅いイメージがあった。 一方、海外市場はやや伸び悩む動きとなった。アメリカの利上げ観測が相当高まっ たことや、原油を中心とした商品市況の下落も海外市場にマイナスとなった。しかし 今後、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議や東アジア首脳会議など国際会議 が目白押しであり、各国の経済運営などでポジディブな話が出てくれば、一時停滞し ている海外市場も上昇基調を取り戻すことが期待できる。 企業決算は先週終盤を迎え、好業績銘柄への物色が旺盛となった。中でも主力の 医療事業が北米を中心に伸びたオリンパス (7733) がストップ高まで上昇。明治ホー ルディングス (2269) は今期2度目の業績上方修正をし、約 3 ヶ月ぶりに 1 万円台を 回復した。また、富士重工業 (7270) は北米での販売が好調で、通期業績の上方修正 とあわせて大幅増配予想を発表し、上場来高値を更新した。これらの銘柄に引き続き 注目を続けたい。 (枕上厠上) 老 練 の 視 座 先日、京都に行く機会がありました。引率も兼ねてでしたので、観光は殆ど出来 ませんでしたが、唯一立ち寄る事の出来た金閣寺の紅葉は『感動』の一言でした。 794 年に平安京が造営される以前の京都盆地は川だらけだったそうで、造営時に、道 路が碁盤の目に整備された為、10 以上の人工河川が整備されました。造営以前の川 は今も暗渠となっているものもあるそうです。 そんな歴史ある京都には、設立 99 年目の島津製作所をはじめ、任天堂、村田製作 所など歴史ある企業が多くあります。そんな中で会社設立 1973 年の日本電産 (6594) に注目します。会長兼社長の永守氏以下 4 人から始まった小型精密モーターを作る、 いわば町工場が現在、16 年 3 月期(予想)連結売上高 1 兆 1500 億円、同営業利益 1300 億円、15 年 3 月期連結従業員数約 9 万 8000 人。日本電産が今、新たな成長分野 として注目しているのが、『ハプティック(触覚)』用モーター。一般的にスマホ等の タッチパネルでは画面を押してもその「押した」感覚は得られませんが、ハプティッ クはその感覚を振動として戻す事が出来ます。振動の与え方によって、ザラザラ感や スベスベ感などさらに複雑な触感の認識が可能になり、その先に遠隔医療での触診や、 ロボット技術の進化へと繋がっていくのだそうです。 (少林寺) き ら き ら 星 アメリカ経済が堅調で、世界に先んじて利上げを実施できる環境が整いつつあり、 ドル高傾向となっている。一方、日本は 2016 年夏の参院選や 2017 年 4 月の消費増税 を控え、景気の足取りを確固たるものにすべく、金融緩和の長期化が続くだろう。大 量の流動性がリスク資産を押し上げる 2009 年から続く良好な投資環境が持続されそ うだ。米国で利上げが見込まれる中、2016 年は新興国より先進国、信用格付けの低 い資産よりも高い資産へ選別投資が強まるのではないか。 そんな中、日本郵政グループ 3 社に注目している。4 日に上場し、株価は売り出し 価格を上回り、堅調に推移している。事前の売り出しで購入できなかった個人投資家 や、指数連動型で運用する機関投資家が積極的に買っていることが理由の一つだろう が、世界的なカネ余りが背景にあることが大きいのではないか。 当社の店頭にも多数のお客様が来店され、郵政 3 社IPOの申し込みがあった。 個人投資家の裾野が広がる中、初めて株を買ったお客様が成功体験をしたことが非常 にうれしい。 (馬の骨) デ ジ タ ル の 俯 瞰 今では当たり前の技術だが、例えばスマホを横に傾けると、画面も一緒に横になる、と いう技術がある。なぜこんなことができるのか。実は「重力センサー」というものがこの 後ろで働いている。 ダニよりも小さな、顕微鏡でしか見ることのできない、電子回路。そこに機械部品を作 りこみ一体化させる。これをMEMSといい、今のスマホには、これがいくつも搭載され ている。重力センサーはこのMEMSの一種で、超微細な電子部品の中の空洞にレバーが 入っている。このレバーの揺れを感知して、スマホは、いま自分が縦なのか横なのかを知る。 こうした技術を、ひっそりと後ろで支えている企業がある。例えば数年前まで 100 円台 の低位株だった新日本無線 (6911) がなぜここまで上昇したか知っている人は少ない。近 年携帯電話のマイクの音質が爆発的によくなっているが、ここにも実は音を拾うMEMS センサーがいくつも組み込まれている。新日本無線は、これまでに何億という数のMEM Sセンサーを世界中のスマホの中に忍び込ませたのだ。 そこでトレックス・セミコンダクター (6616) というあまり知られていない銘柄に注目 したい。昨年 4 月に上場した若い銘柄だが、今期以降、MEMSの重力センサーを売り出す。 ファブレス(生産設備を持たない)の会社でもあり、変化率は出るはずだ。スマホ、車載、 デジカメ……。どれだけの製品にMEMSを忍び込ませることができるのか。うまく採用 されれば、楽しみな未来が待っているはずだ。 (パプリカ) アナリストによる北陸企業便り (織田真由美) <日医工> 2016 年 3 月期第 2 四半期連結決算は増収増益。厚生労働省の後発医薬品(ジェネ リック医薬品。以下「GE」。)の利用促進策によって好調を維持し、売上高、営業利 益、経常利益、純利益は半期として過去最高益を更新した。 6 月に打ち出された骨太の方針で、政府はGEの数量シェアを 2018 年度から 2020 年度末までの間のなるべく早い時期に 80% 以上とする目標を掲げた。これを受けて日 医工では、期初に計画していた抗がん剤などの高薬理製造棟の建設を先送りし、一 般製剤の生産増強を最優先に設備投資を実施することとした。210 億円を投じ、富山 工場内の新棟建設、富山工場と静岡工場の生産設備の増強を計画、総供給可能数量を 210 億錠と現在の約 2 倍に高める方針だ。 GE市場の拡大とともに業績は拡大基調が続きそうだ。ただ、価格の引き下げや、 2016 年度からの 3 年連続の薬価改定による影響が懸念材料だ。薬価改定とともに新 たなGE普及促進策が打ち出されることには期待がもたれるが、積極的な設備投資に よる減価償却費の増加などによる利益率低下によって、利益の成長率は鈍化する可能 性がある。 今年に入ってからの株価上昇によって当面の成長は織り込まれ、足元の株価は妥 当水準とみられる。 罫 線 中 僧 5801 古河電気工業 週足 600 500 400 300 200 100 日足 270 250 230 210 190 170 150 出所:ブルームバーグ 2016 年の日本経済は翌年 4 月の消費税 10% への引き上げ を前に住宅や車などの高額品の購入が喚起され、好調のアメ リカとともに景気の大幅な下振れはないと予想される。逆に 中国経済の減速は来年も続き、それに伴い新興国や資源国も 景気が好転することはなさそうだ。またヨーロッパはシリア 難民の受入れに伴う財政負担・VWの不正問題・テロの余波 など景気に不安定要素が多く、減速感は強まっていくだろう。 このような世界情勢のもと、日本の株式市場は郵政グループ の好発進で資金の回転が効き、リバウンド物色一巡のあと、 個別物色の環境が訪れることになろう。 今回は 11/4 の業績発表後に 208 円から 241 円と売買代金 を伴い大幅高となった古河電気工業を取り上げたい。大幅高 後 240 円台で推移する中、信用残も一気に減り需給的には軽 くなっている。ダメ押しの下げはあるかも知れないが、そこ は買い場と考えたい。 (しんのすけ) *情報シャトル特急便は、投資家の参考となる情報提供を目的としておりますが、 投資にあたってはご自身の判断でなされるようお願いします。 株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.1799%(税込)(1.1799% に相当 する金額が 2,565 円未満の場合は 2,565 円(税込))の委託手数料をご負担いただ きます。株式は、株価の変動により損失が生じるおそれがあります。 非上場債券を当社が相手方となりお買い付けいただく場合は、購入対価のみお 支払いいただきます。債券は、金利水準の変動などにより価格が上下し、損失を生 じるおそれがあります。 投資信託にご投資いただくお客さまには、銘柄ごとに設定された販売手数料お よび信託報酬等の諸経費等をご負担いただきます。投資信託は、主に国内外の株式 や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、 当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資 1 単位当りの価 値が変動します。したがって、お客さまのご投資された金額を下回ることもありま す。 外国株式・外国債券等は、為替相場の変動などにより損失が生じるおそれがあ ります。 商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、その商品等の上場有価証券 等書面、契約締結前交付書面やお客様向け資料をよくお読みください。
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