山崎 元 著 「確定拠出年金の教科書」 日本実業出版社 2016.6 232 ページ 1,400 円(税別) 確定拠出年金については、法律改正により 2017 年から「個人型」の加入対象者が大幅に 拡大されることとなったため、このところ数多くの解説書が出版されている。 プライベートバンカーが主に対象とする年配層の顧客自身にとっては、確定拠出年金は 直接関係ないとしても、顧客ファミリー全体で、これから長期の資産運用を考えていく上 では、必要不可欠な年金制度と考えられる。 本書は、単に制度解説にとどまらず、運用管理機関や運用商品の選び方、ポータビリテ ィ、年金の受け取り方までコンパクトにまとまっている。中でも、企業型、個人型のそれ ぞれについて、実際の金融商品ラインナップを挙げて、具体的な選択方法を詳しく解説し ている。 著者は、資産運用について論理的に鋭い意見を述べることで知られており、本書におい ても、確定拠出年金を提供する金融ビジネス側に立つのではなく、100%加入者個人の利益 の側に立つと旗幟を鮮明にしている。それだけに、金融ビジネス側にとっては、耳の痛い 指摘もあるが、それを踏まえた顧客提案が求められている。 著者は、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。 【主要目次】 第1章 確定拠出年金で、何がどれほど得になるのか 確定拠出年金をやらないと「もったいない!」 第2章 なぜ今、確定拠出年金が話題なのか ~政府の思惑、企業の本音~ 政府・企業・金融機関の思惑を知って利用しよう 第3章 確定拠出年金の始め方 企業型では利用方に、個人型では運営管理機関選びに気を付けよう 第4章 確定拠出年金を「合理的」に使いこなそう 確定拠出年金の運用は「合理的」に一つに決まる 第5章 確定拠出年金の諸手続きについて 各種の手続は「自分で」行う 第6章 変化に対応する さまざまな「変化」
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