下肢中間位保持テストの検証 ~肢位変化に伴い体幹と下肢

下肢中間位保持テストの検証
~肢位変化に伴い体幹と下肢の筋活動動態に及ぼす影響~
平林 怜 1 村上 成道 1 伊坪 敏郎 1 大西 秀明 2 青木 啓成 1
1.相澤病院 スポーツ障害予防治療センター 2.新潟医療福祉大学運動機能医科学研究所
【緒言】
スポーツにおいて体幹と下肢は連動して動く。当院では体幹機能評価の 1 つとして下肢中間位保持テストを使
用している。この評価は中殿筋徒手筋力評価と同等肢位で徒手抵抗を加え、体幹機能を評価する手法である。
体幹機能評価や中殿筋評価の報告は散見されるが、体幹と下肢の連動を評価した報告はない。本研究は下肢中
間位保持テストにおける肢位変化が体幹と下肢の筋活動動態に及ぼす影響を検討した。
【方法】
対象は健常男性 8 名 16 肢、評価肢位は上下肢中間位、膝 90 度屈曲位、上肢拳上 120 度位の 3 肢位で施行し
た。機器は表面筋電計、Hand-Held Dynamometer を使用した。電極位置は広背筋、内腹斜筋、外腹斜筋、
中殿筋、大殿筋、大腿筋膜張筋、大腿二頭筋、トリガー電極として徒手抵抗位置に貼付した。筋電図信号は増
幅器で増幅後、解析システムを用いて 1kHz でパーソナルコンピュータに取り込み解析した。
【結果】
中間位と比較し、膝屈曲位では中殿筋が増加傾向、大腿筋膜張筋、大腿二頭筋が有意に減少。上肢拳上位では
内腹斜筋が増加傾向、広背筋が有意に増加した。
【考察】
評価者は目的により肢位を変化させることで標的筋を絞って評価を行えることが示唆された。