交流と助け合いにより お互いを大切にしあえるまち

交流と助け合いにより
お互いを大切にしあえるまち
いつでも参加できる場づくり
(1)
地域のつながりの再生
(2)
まちづくりネットワーク環境の整備
まちづくりを支える人づくり
(1)
地域活動の担い手の育成
安全で安心して暮らせる地域づくり
(1)
防災、
防犯に優れた地域社会の実現
地域を越えた交流づくり
(1)
グローバル社会への対応
1
いつでも参加できる場づくり
(1)地域のつながりの再生
現状と課題
私たちは、自分や家族だけでは達成できないことを近隣住人との助け合いによる互助で果たしてき
ました。かつて、わが国の中心産業であった農業を行う上では、人々が協力して田畑を耕し、収穫する
といったことが欠かせないことでした。また、隣近所との付き合いは、冠婚葬祭の手伝いや急病人の
世話など「もしものとき」だけでなく、日用品の貸し借りや届け物を預かるなど「日常のとき」も生活
のさまざまな場面で目にされていた光景でした。
近年、経済・社会環境や人々の意識の変化に伴い、かつての互助に大きな変化が生じ、地域のつながり
が希薄化したと考えられていますが、その一方で、地域における特定の目的や課題に対するボラン
ティア活動や住民活動は増加傾向にあります。また、地域で子どもたちを育むことの必要性も再認識
され、地域が果たす役割への期待が大きくなっており、地域のつながりの重要性が高まっています。
地域のつながりは、本人の安心感や充実感を高めることで、人々の生活を豊かなものにするととも
に、つながりを持つ人々のみならず、地域全体に資する価値を生み出す可能性があります。
平成21年度に実施した町民アンケートでは、半数の町民が、隣近所と「どちらかといえば付き合いが
ない、ほとんど付き合いがない」と回答しているなど、全国的な傾向と同様に地域とのつながりは希
薄化していると考えられます。また、まちづくりのための町民参加に関しても、平成16年度の調査に
比べて「特に参加したいとは思わない」との回答の割合も増加していることなどから、今後、地域活動
による地域力の向上や地域の活性化が停滞することが懸念されます。その解決のためには、町民が地
域活動に参加できる機会づくりを支援する取組とともに、多くの町民が、地域活動に関心を持ち、積
極的に参加しようとする意識を持つことが必要です。
指 標
施策
実現化方策
実行のカギ
①
・地域活動状況の公開の推進
・地域活動に対する支援制度の確
地域活動への参加の意識づくり
立
互助による地域活動の意義を広く周知し、地域活動に対
する町民の積極的な参加への意識啓発に努めます。
②
・自治公民館の有効活用
・生涯学習分野との連携
気軽に参加できる交流の機会づくり
自治公民館の機能強化や校区単位の活動を充実させる
とともに、これらの活動情報などの広報活動を支援しま
地域のつながりの再生
す。
YOSAKOIかすや祭り
行政の役割
・地域活動の活動状況を町民と共有するた
め、
情報発信の仕組みづくりを推進します。
・地域活動の企画、
参加への呼びかけを推進
します。
・自治公民館の機能強化を支援します。
・地
域活動を活発化するための制度の確立に
取り組みます。
町民参加のポイント
・地域活動に関心を持ちましょう。
・地域の交流の場として自治公民館などを
活用しましょう。
1
いつでも参加できる場づくり
(2)まちづくりネットワーク環境の整備
現状と課題
人々は以前のような深いつながりを地域に求めなくなった半面、多くの人は「困った時には地域の人
と助け合いたい」と考えており、地域のつながりは、いざという時の頼みの綱になるとともに、多くの
人々に安心感を与えます。
近年、NPO※1 やボランティア団体によるまちづくり活動が盛んになり、地域活動の担い手としてそ
の役割が注目されています。また、これらの団体同士が連携することで、地域の課題の迅速な解決、新
たな価値の創出などの相乗効果が現れています。このように、社会への貢献意識が高まる一方で、
「活
動する時間がない」
「参加のきっかけがない」などの理由から、地域活動に参加できない、参加しない
人々も存在し、今後は、これらの地域活動への取組に消極的な人々へ参加を促すよう進めていかなけ
ればなりません。
本町においても、町民アンケートの実施結果から地域活動に興味を示さない傾向が見られるため、気
軽に地域でのイベント、子育て、福祉などのさまざまな活動に参加できる環境の整備を図り、身近な
ことから、まちづくりにかかわることができるように支援していく必要があります。
今後も町民が主体的にまちづくりにかかわることのできるように、環境の整備を図るとともに、人や
地域、団体などを効果的に連携することで、町民の地域活動を「点」から「面」に拡大して、相乗効果が
生まれるような仕組みづくりを進めていく必要があります。
指 標
※1 NPO:Non Profit Organizationの略語で、利益を目的としない組織のこと
施策
実現化方策
実行のカギ
①
・町民ニーズを継続的に把握する仕
組みづくり
地域活動の推進
・地域活動における課題の解消
既存団体の見直し、連携や地域活動のリーダーの育成を
進めるなど、地域活動の支援を推進します。
まちづくりネットワーク環境の整備
②
・団体間交流の推進
・世代間交流の推進
地域ネットワークの推進
・地域ポータルサイトの活用推進
情報通信技術の活用や研修、交流会などを通して、人と
人、団体と団体などの地域ネットワークの構築を推進しま
す。
ポータルサイト「eかすやクラブ」
行政の役割
町民参加のポイント
・地域活動の交流の場や機会を創出します。
・地域活動に積極的に参加しましょう。
・地域ポータルサイトの周知を図り、活用を
・地域ポータルサイトなどを活用し、積極的
推進します。
に情報を発信しましょう。
2
まちづくりを支える人づくり
(1)
地域活動の担い手の育成
現状と課題
家族構成、人口構造や居住形態の変化に伴い、人々の価値観は多様化し、地縁的なつながりが希薄に
なり、地域の自治会、婦人会、消防団など地域活動の担い手不足が深刻な問題となっています。一方
で、このような地域活動に携わる人たちの社会的な役割は高まっており、次世代の地域を担う人材の
育成は急務となっています。
地域活動を担っている人々は、よりよい地域づくりをめざして地域における課題の解決のための自
発的な活動を行っていますが、活動をより発展させていくためには、幅広い人材が求められます。地
域活動の担い手が固定化・高齢化する中で、関心のある人が地域の活動に参加しやすい環境づくりを
行うなど、人材発掘の門戸を広げる工夫や自分たちの地域をつくりあげていく意欲のある人材を育
成することが必要です。
本町においても、各種団体が地域活動を積極的に展開していますが、その裾野を拡大するために、担
い手としての人材育成を推進し、必要に応じてNPOを設立するなど、町民の地域活動が、負荷なく
自立できる仕組みづくりが必要となります。
育成会
指 標
施策
実現化方策
実行のカギ
①
・活動のサポート体制の充実
・担い手育成プログラムの構築
人材の発掘・育成
・生涯学習の分野との連携
既存の地域活動団体・企業や教育機関と連携して、地域
活動の新たな人材を発掘するとともに、地域活動の担い手
となるための人材育成を推進します。
②
・ボランティア団体の組織化に向け
たガイドブックの整備
組織の創出・強化
・活動団体のNPO化
ボランティア団体の組織化やNPOの設立などの支援を
地域活動の担い手の育成
推進します。
消防団の訓練
行政の役割
・地域活動の担い手となるための人材育成
プログラムの構築を支援します。
・ボランティア団体の組織化に向けたガイド
ブック作成の支援体制を強化します。
・NPO化に際する手続・人的支援を実施し
ます。
町民参加のポイント
・地域活動に積極的に参加しましょう。
・積極的に地域活動の担い手になりましょう。
・地域活動に子ども達が参加するように促し
ましょう。
3
安全で安心して暮らせる地域づくり
(1)防災、
防犯に優れた地域社会の実現
現状と課題
近年、都市化の進展により、災害や犯罪の多様化、事故の急増など町民の日々の安全・安心な暮らしに
おける脅威が増大しています。特に昨今では震災や台風に起因する風水害に加えて、集中豪雨などに
よる突発的、局所的な自然災害が多発し、さらには都市化による建物の過密化や高層化などにより火
災に対する危険性はますます高まっています。本町においても防災体制や浸水被害対策の整備を行
うなど、災害に強いまちづくりに向けての取組を進めており、引き続き防災対策を強化していく必要
があります。
犯罪においては、サイバー犯罪の増加や世界的な組織による犯罪のグローバル化など犯罪の質も多
様化し、また、身近なところでは架空請求などの消費生活に関するトラブルや被害も増加してきまし
た。本町における刑法犯の認知件数については、糟屋地区内でも高い件数を示しており、町民の治安
に対する不安は大きく、防犯体制の強化が必要です。
交通事故発生件数は全国的には減少していますが、高齢者の死亡が目立ち、平成21年度においても交
通事故死者数の約半数を占めています。このような状況の中、本町には交通量の多い県道・町道が多
数縦横断しており、交通事故発生件数は増加傾向で、飲酒運転による事故や高齢者が被害者となる事
故も後を絶ちません。
今後も警察など関係機関と連携し、
交通安全対策の充実を図る必要があります。
町民の安全と安心を守るための活動を進めていくためには、ハード(施設・設備など)の整備を進めて
いくことはもちろんですが、自主防犯ボランティアや消防団の充実、希薄化しつつある地域のつなが
りの再生などのソフト(人的な支援活動者など)の充実も必要です。
指 標
※犯罪発生件数や交通事故発生件数は、町単独で低下させることは難しいことから、
警察や県と連携した取組を進め、発生件数の低下をめざします。
関連する計画
・福岡県防災計画【福岡県】
・福岡県国民保護計画【福岡県】
・粕屋町地域防災計画
・市町村国民保護計画
施策
実現化方策
実行のカギ
①
・自主防災組織の強化
・危機管理体制の強化
防災体制の整備された地域づくり
・災害弱者の救済
防災計画や避難マニュアルの策定とともに、避難場所の
確保、避難物資の備蓄を進めます。また、地域防災拠点の
整備や消防団をはじめとする地域防災体制の充実を推進
します。
防災、防犯に優れた地域社会の実現
②
・浸水被害対策の強化
・災害復旧の迅速化
災害に備えたインフラの整備
近年の集中豪雨の浸水被害に対し、調整池・水路拡幅の
整備を行うなど、災害に備えてインフラの整備を推進し、災
害に強いまちづくりに取り組みます。また、災害発生時には
迅速な復旧を図ります。
③
・防犯意識の啓発
・防犯体制の強化
犯罪の起きにくいまちづくり
・迅速な情報提供体制の構築
警察や県との連携により、防犯施設整備や情報伝達網
・相談体制の充実
の構築、相談窓口の充実に取り組むとともに、犯罪に対す
・犯罪の起きにくい環境づくり
る啓発活動や活動団体の支援、連携など犯罪の起きにくい
まちをつくります。
④
・交通安全意識の啓発
・交通安全教育の徹底
交通安全対策の充実と意識啓発
・警察や地域との連携の強化
警察との連携による交通安全施設の整備や、地域での
・交通弱者を守る取組の推進
交通安全に対する意識啓発活動を推進します。
行政の役割
・地域の防災・防犯力などを向上させるた
町民参加のポイント
・地域全体で助け合いの意識を持ちましょう。
め、インフラの整備とともに、意識啓発、組
・日頃から交通ルールを守りましょう。
織や人材育成、
活動支援を行います。
・防災・防犯の意識を持ち、
災害・犯罪への備
・災害・犯罪対策に関する知識や情報を多様
な手段により提供し、
町民の防災・防犯意識
を高めます。
えを行いましょう。
4
地域を越えた交流づくり
(1)グローバル社会への対応
現状と課題
近年、ヒト・モノ・情報の流れが世界を自由に行き交う中、社会、経済、文化などのグローバル化が急速
に進展し、地域においても世界の情勢に大きな影響を受けるようになってきています。また、外国人
の存在も身近なものとなり、ともに安心して豊かに暮らしていくためには、文化や習慣の違いを理解
し、お互いに尊重することが必要です。
本町においては、国際的な視野を広め、国際性豊かな人材の育成や異なる文化、習慣などへの理解を
深める国際交流を進めるとともに、町民の自主的な活動を支援し、活発に交流活動ができる環境づく
りが求められます。また、国内外のさまざまな地域において、人・文化・産業などの交流を積極的に進
める必要があります。
町内在住の外国人や留学生と町民との交流の場をつくり、地域における各種講座の開催などで外国
語や海外の歴史・文化の知識の習得を進め、気軽に国際交流できる素地づくりが求められます。
「青少年の翼」交流会風景
指 標
※新型インフルエンザにより受入を行っていないため、現状値についてはH22の値を
使用しています。
施策
実現化方策
実行のカギ
①
・交流機会の創出
・異文化交流の支援
地域を越えた交流の推進
国内外の地域と、人・文化・産業など、町民や企業などさ
まざまなレベルでの交流の拡大や交流内容の充実を図り、
町民の自主的な活動を支援します。
②
・学習機会の充実
・教育機関との連携
グローバル社会に対応できる
知識・技能の習得
グローバル社会への対応
外国語や異文化理解のための基礎知識の習得を進め、
町民が気軽に国際交流できる素地づくりを支援します。
交流行事
行政の役割
・国際性豊かな人材の育成や国際交流を進
めます。
・町内在住の外国人や留学生と町民との交
流の場づくりを支援します。
町民参加のポイント
・外国の文化や習慣の違いへの理解を深め
ましょう。
・地域間・国際交流イベントなどに参加し、
豊
かな国際感覚を身に付けましょう。