誰もが安心していきいき暮らせる やさしいまち いきいき暮らせる健康づくり (1) 健康づくりの推進 (2) 地域医療体制の確立 高齢者がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (1) 長寿社会への対応強化 (2) 生涯現役社会の実現 障がい者がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (1) 生きがいを感じる社会参加の促進 (2) 自立した生活への支援 子育て世代がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (1) 子育て支援の強化 (2) 支援サービスの充実 心豊かに暮らせる地域づくり (1) 社会保障の整備 (2) 平等な社会の実現 1 いきいき暮らせる健康づくり (1)健康づくりの推進 現状と課題 町民一人一人がいきいきと心豊かに暮らし、社会に貢献し自己実現を果たすためには「健康」である ことが大切な要素の1つです。しかし、不適切な食生活や運動不足、喫煙などの生活習慣の影響によ る、がん・心臓病・脳卒中・糖尿病などの生活習慣病が増加し、若年化が進んでいます。また社会的に は、こころの病を有する人も年々増加傾向にあり大きな問題となっています。 本町においては、町民と協働で健康づくりを推進していく「健康かすや21」活動を展開しています。 生涯を通して健康に過ごすには、町民自らが健康意識を持ち、日頃からの健康管理が必要であるとと もに、地域における健康推進活動も重要になってきます。今後も、町民一人一人の健康意識を高める ために、町民と協働で健康づくりの啓発活動に取り組み、地域における健康づくり活動を支援してい かなければなりません。 これまで各種がん検診や健康診査、健康教育などの保健サービスを提供するとともに、 「生活習慣病 の発症と重症化予防」を目的とした事業を行ってきました。今後も、健康センターを拠点とし、病気に かからないために普段から健康増進に努め、発病を予防する「一次予防」に重点をおいた保健サービ スを充実させていかなければなりません。その中でも特に、生活習慣病予防については、今後もます ます重点的な取組が必要です。 感染症の発生と蔓延防止のために、普段から、予防意識を持って生活することが重要です。定期予防 接種の徹底に向けて、接種しやすい環境整備と情報提供が求められています。今後、新しい感染症が 発生する可能性もあるため、危機管理体制の整備や迅速な対応が求められています。 指 標 関連する計画 健康かすや21活動計画(平成21−25年度) (健康増進計画) 粕屋町国民健康保険特定健康診査等実施計画 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・予防意識の高揚 ・健康意識の啓発 協働で進める健康づくりの強化 ・健康づくり活動の実践 町民が地域や自らの健康に関心を持ち、 「 からだとここ ・地域における健康づくり活動の支援 ろ」の健康管理と健康づくりを行うことができるように、予 ・食育の推進 防を基本とした健康づくり対策を強化します。 ② ・生活習慣病の発症予防 ・早期発見・早期治療の促進 予防重視の保健サービスの拡充 ・健康相談体制・保健指導の強化 健康について気軽に相談できる体制を整えるとともに、 ・検診・健康診査の推進 自らの身体の状態を正確に把握するための検診・健康診査 ・健康教育の充実 の促進と効果的な保健指導や健康教育の充実を図ります。 健康づくりの推進 ・感染症予防の意識啓発 ③ ・感染予防体制・支援の充実 感染症対策の推進 ・危機管理体制の確立 感染症の発生や蔓延を予防するための対策を推進する ・迅速な情報提供の強化 とともに、町民の感染症予防意識の啓発に努めます。また ・食品衛生に対する支援 感染症に対する危機管理体制を確立し、安心・安全を支え るための支援体制を整えていきます。 行政の役割 ・町民が、 自らの健康状態を把握し予防に取 り組むための保健サービスの充実と情報 提供に努めます。 ・健康づくりの啓発活動を行い、 健康推進を 図ります。 ・感染症の蔓延防止に努めます。 町民参加のポイント ・自らの健康に対する意識を高く持ち、 健康 づくり活動に取り組みましょう。 ・各種がん検診や健康診査を積極的に受診 しましょう。 ・日頃から正しい生活習慣を心がけ、特に食生 活の改善や適切な運動に取り組みましょう。 1 いきいき暮らせる健康づくり (2) 地域医療体制の確立 現状と課題 近年、生活水準の向上や医療技術の進歩、情報通信技術の発達に伴う医療関連情報の充実などによ り、町民の医療に対する期待や関心は高まっています。また、全国的な医師不足や偏在化が生じてい る中、子どもから高齢者まで必要なときに必要な医療が受けられる体制の充実が求められています。 本町における医療環境は、病院・診療所・歯科診療所などが充実しています。休日診療や平日夜間にお ける第二次救急医療体制についても、社団法人粕屋医師会との連携により整備されています。 本町では、公共施設にAED(自動体外式除細動器)の設置を推進してきました。今後はAEDのさら なる設置とともに使用方法の周知をはじめ、町民の救急時の対応能力の向上を図る必要があります。 適切な救急利用について啓発活動や、医療に関する情報提供を行うことで、緊急時などの不安を軽減 しなければなりません。 また、健康な生活には、日常的な健康管理が重要です。最近は、医療が細かく専門化され、いざという ときに自分の病状にあった医療機関を選ぶことが難しくなっています。自分にあった医療機関を選 ぶためにもいつでも何でも相談できる「かかりつけ医」を身近に持つことが望まれます。 AEDの設置状況 指 標 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・AED普及の促進と利用方法の指導 ・時間外診療、救急医療の整備 救急医療体制の強化 ・広域医療ネットワークの整備 近隣自治体との広域的な連携を視野に入れた救急医療 体制のあり方を検討し、救急時に安心して医療が受けられ る環境を整備します。 ② ・ 「かかりつけ医」による健康管理の 推進 地域医療体制の強化 ・地域医療サービスの充実 誰もが病状に応じた適切な医療を受けられるように、地 地域医療体制の確立 域基幹病院との機能分担と連携体制を強化し、地域完結 型医療のネットワークづくりを支援します。 救急医療講習会 行政の役割 ・救急時に適切な治療が受けられる環境を 整えます。 ・地域ぐるみで病気やけがに対処できるよう に、 医療機関の連携体制を確立します。 町民参加のポイント ・AEDの使い方など、救急対応の知識を身 に付けましょう。 ・身近な医療機関を把握しておきましょう。 ・地域で 「かかりつけ医」 を持ちましょう。 2 高齢者がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (1)長寿社会への対応強化 現状と課題 21世紀の本格的な長寿社会が到来し、 高齢者などが可能な限り住み慣れた地域社会で安心して生活で きるようにすることが求められています。このためには、高齢期においても住み続けられるような地 域の 「互助」 「共助」 の生活基盤があることが重要になってきます。 また、 高齢化や核家族化により、 独り 暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が年々増加し、 長寿社会への適切な対応が求められています。 本町の平成21年度の高齢化率(65歳以上)は14.5%と福岡県下で一番低い町ではありますが、平成17 年度の13.4%から上昇しており、今後も着実に高齢化が進むことが予想されます。これに伴い、独り暮 らしや認知症などの支援や介護を必要とする高齢者の増加が見込まれます。これらの高齢者が、住み 慣れた地域で自分らしく暮らしていくためには、各種生活支援やサービスの提供だけでなく、相談体 制やサービスの調整、地域での見守りなど高齢者を地域全体で支える総合的な生活支援体制の整備 が必要です。このため、高齢者にかかわる総合的・包括的な支援の中核である「地域包括支援セン ター」を中心に、さまざまな地域の力を活用しながら、地域包括ケアの充実を図る必要があります。ま た、高齢者への虐待防止のため、関係機関などとのネットワークを強化し、早期発見や対応に努めな ければなりません。 今後増えることが予想される認知症の高齢者に対する支援(認知症サポーター)や地域における見守 りなど地域全体で高齢者を支援する環境づくりが求められており、地域による組織的な支援活動の 担い手の創出も必要です。 指 標 関連する計画 粕屋町高齢者福祉計画 介護保険事業計画 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・在宅支援サービスの充実 ・福祉サービスの周知促進 福祉サービスの拡充 高齢者が安心・安全な在宅生活を継続できるように支援し ます。また、 「自立支援」の視点を重視しながら、高齢者それ ぞれにあった必要なサービスが提供できるよう支援します。 ② ・支援拠点の整備 ・地域包括支援センターの充実 支援体制の強化 ・相談・支援体制の強化 長寿社会への対応強化 高齢者が住み慣れた地域での生活を支援するために、地 ・地域見守り体制の構築 域包括支援センターの充実や相談・調整体制の強化など高 ・負担軽減対策の推進 齢者を支える総合的な支援体制を整備します。 ・地域包括ケアの促進 ③ ・担い手(ボランティアなど)の育成 ・地域福祉活動の参加促進 担い手の創出 ・技能習得の促進支援 高齢者の事情に即した柔軟な支援を地域ぐるみで行うた めの体制づくりとして、その担い手の発掘と育成を進めま す。また、地域における組織的な支援活動へ担い手を輩出 するための仕組みづくりを推進します。 行政の役割 ・地域が主体的に取り組む高齢者の 「健康づ くり」 における支援体制の整備を進めます。 ・福祉サービスの周知を徹底し、必要とする 人に適切なサービスを提供します。 町民参加のポイント ・介護保険制度や介護ボランティア、相談窓 口を積極的に活用しましょう。 ・高齢者支援のボランティアや活動に積極的 に参加しましょう。 ・独り暮らしの人と地域の人は、相互にかか わりを持つようにしましょう。 2 高齢者がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (2)生涯現役社会の実現 現状と課題 近年、できる限り支援や介護を必要とせず、元気でいきいきと生活できる「健康寿命」を延ばそうとい う考え方が浸透してきています。そのような考えから、多くの高齢者が生きがいや健康づくりに積極 的に取り組むことができる環境づくりを進めることが必要となってきました。また、一定の役割を担 い、社会に貢献しているという意識を持つことが健康に良いと考えられているように、高齢者が長年 培ってきた知識、経験や技能など多様な能力を発揮し、生涯現役として活躍することができる場も必 要です。高齢者自らにおいても、生きがいや健康づくりに関心を持つことが、介護予防につながるこ ともあることから、友人・隣人との付き合いや地域における活動などに積極的に参加し、生きがいを 見出すことが大切です。 本町は高齢化率が福岡県下で一番低い町(平成21年度)ではありますが、町内の地区によって高齢化 率に大きな差が見られます。誰もがいきいきと健康で長生きできるよう、介護予防の活動として「ゆ うゆうサロン」を各地区の公民館で開催しています。今後とも介護予防の活動を充実させるととも に、高齢者が長年社会で培った経験や知識を生かすことができるような新たな場を創出するなど、高 齢者が多様に社会参加をすることができるように施策を促進することが必要です。 ゆうゆうサロン 指 標 ※要介護認定率の低下に向けて取組を進めていきますが、高齢者数の増加に伴う上昇 が見込まれます。 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・健康寿命の延伸 ・介護予防の推進 元気高齢者づくりの促進 ・生きがいづくり 高齢者が生きがいを持ち、介護を必要としないで元気で 過ごせる年齢を高めるための対策を推進します。 ② ・地域貢献の場の創出 ・経験や知識を生かす社会参加の 地域貢献の促進 促進 高齢者が持つ豊かな技術・知識、経験を有効な社会的資 生涯現役社会の実現 源として活用できる場づくりを行うなど、高齢者による地域 貢献の機会の多様化と拡大を図ります。 シルバー人材センターの活動 小学生へ昔の遊びを教える様子 行政の役割 ・高齢者が経験や知識を生かして社会貢献 できる環境を提供します。 ・誰もが健康でいきいきと長生きできる介護 予防を支援します。 町民参加のポイント ・今までに身に付けた知識や経験を生かし、 ボランティア活動に積極的に取り組みま しょう。 ・介護予防の知識を身に付けて実践するこ とで、 健康的な生活を送りましょう。 ・生きがいを持って生活するようにこころが けましょう。 3 障がい者がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (1) 生きがいを感じる社会参加の促進 現状と課題 障害には、身体的障害、知的障害、精神的障害などがあり、人により障害の程度もさまざまです。いく つかの障害が重複している人もいます。障害のある人が住み慣れた地域で安心して暮らすことがで きるように道路の段差解消などの社会環境を整備することが重要です。また、自分らしく生きていく ことができる社会を築くための支援体制の充実や環境整備、社会参加の促進などの施策が求められ ています。 物理的な環境の整備に加え、障害に対する私たちの心の中にある「心のバリア」を取り除くことも大 切です。 「福祉のまちづくり」を進めるとともに、障害に対する正しい知識と理解を持ち、障害の有無 にかかわらず、誰もが地域の中で暮らすことができる社会を実現するための取組が必要です。 本町では、 「粕屋町障害者計画」 「粕屋町障害福祉計画」に基づき、障害や障がい者(児)に対する理解を 深め、誰もが安全で安心して生活することができるまちづくりを進めています。ノーマライゼーショ ン※1の理念の実現に向けて、障害を持つ人も社会の構成員として地域の中でともに生活を送ることが できるように、ライフステージの各段階で、住まい、働く場や日中の活動の場となる地域における支 援拠点を整備し、必要な保健福祉サービスが的確に提供される体制を確立する必要があります。ま た、障がい者が働くための支援や環境づくりを図るとともに、就労機関と連携した雇用機会を確保 し、経済的な基盤を強化することも重要であり、今後も、障害を持つ人が社会の一員として社会参加 しやすいまちづくりを推進することが必要です。 指 標 関連する計画 障害者自立支援法に基づく国の基本方針 福岡県障害者福祉計画 粕屋町障害者福祉計画 ※1ノーマライゼーション:障害の有無や年齢、性別に関係なく、すべての人がお互いに人間として尊重し、家庭や住み慣れた地域でともに 生きる社会を実現していくという理念のこと 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・相談支援体制の充実 ・地域における支援拠点の機能強化 自立支援の推進 それぞれの障害特性に対応する相談支援・情報提供機 関が、互いに学び合い、柔軟に連携する体制の確保を図り、 さらに総合的な対応を併せて行えるような支援基盤の強 化に取り組みます。 生きがいを感じる社会参加の促進 ② ・生活しやすい環境の整備 ・社会活動の機会の創出 社会活動の促進 ・就労支援機関との連携機能の強化 障害のある人に創作的活動又は生産活動の機会を提供 ・働きやすい環境づくり するため、さまざまな活動や交流の場などへの社会参加の 促進と就労支援の充実を図ります。 きらめきコンサート 地域活動支援センター 行政の役割 ・障害特性に応じた相談や情報提供が可能 な体制と仕組みを整備し、障害を持つ人や 支える家族に行き届くようにします。 ・障がい者が気がねなく参加できる活動や 交流の場づくりと就労機会の創出を支援し ます。 町民参加のポイント ・町民一人一人がノーマライゼーションの理念 を理解しましょう。 ・ボランティア活動などに積極的に取り組 み、 障害を持つ人への理解を深めましょう。 ・企業は障がい者雇用に対する理解を深め ましょう。 3 障がい者がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (2)自立した生活への支援 現状と課題 障がい者(児)が住み慣れた地域で自立した生活が送れるように、さまざまな在宅福祉サービスを利 用者の立場になって提供していくことが重要です。 本町では、生活の質の向上をめざして自立支援法に基づき、障がい者(児)のニーズに合わせたサービ スの提供を行っています。居宅介護などの在宅サービスや、グループホーム・施設入所サービス・通所 のサービスなどを実施し、障がい者(児)が住み慣れた家庭や地域で日々の生活を送るために、さまざ まなサービスを利用して、生活しやすい環境を整えることが必要です。また、各種サービスや情報提 供に加え、生活環境や利用意向などを踏まえて複数のサービスを適切かつ効果的に結びつけて調整 を図ることが求められます。 障がい者のコミュニケーション、文化、スポーツ、レクリエーション活動など自己表現や社会参加に 通じた生活の質の向上を図るため、実用的な福祉用具や情報処理機器の普及を進めるとともに、余暇 活動を楽しむことのできるようなハード・ソフト両面の条件整備などを推進することが必要です。 各種手当や医療費助成などにより、障がい者(児)の家庭の経済的負担の軽減が求められています。 福祉相談窓口案内 指 標 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・自立支援サービスの充実 福祉サービスの拡充 障がい者(児)にとって効果的なサービスを創意工夫し、 地域で安全に安心して自立した生活を送ることができるよ う、福祉サービスの拡充を図ります。 ② ・障がい者(児)の家庭の経済的負 担の軽減 手当・医療制度の整備 自立した生活への支援 障がい者(児)の家庭の経済的負担軽減を図るため、各 種手当の支給、医療費の助成などによる支援を行います。 福祉相談窓口 行政の役割 ・障がい者(児)の必要に応じたきめ細やか な支援サービスの提供に努めます。 ・障がい者(児)を経済的な側面から支援す る制度を整備します。 町民参加のポイント ・相談窓口を利用するなど、 さまざまな制度 に対する情報を収集して理解を深め、自分 にあった制度を適切に活用するようにしま しょう。 4 子育て世代がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (1) 子育て支援の強化 現状と課題 近年、女性の社会進出や核家族化などの社会の変化により、保育の需要は年々増大し、そのニーズは 多様化しています。また子どもの成長の基盤である家庭においても、子どもへのかかわり方がわから ず、子育ての悩みや不安を抱え込み孤立する親が急増しています。そのため、次代を担う子どもたち が健やかに育つ環境づくり、安心して子育てができる地域社会をつくるための支援体制を充実させ ることが急務です。 出生率県下1位が続く本町では、待機児童解消のための取組として保育所の新設などを行ってきま したが、未だ待機児童が年々増加しています。また、保育園における多様な保育サービスが求められ る一方、地域で子育てする家庭保育者に対する支援の充実も必要です。今後は保育園と幼稚園、地域 が連携し、待機児童解消などの諸問題に取り組む必要があります。 共働き世帯が急増する中、子どもの成長においては家庭で過ごす時間を十分に確保することが望ま しいことから、仕事と生活の調和を図る「ワーク・ライフ・バランス」が重要な課題となっています。家 庭の状況や子どもの成長段階に応じて働き方を選択できるような子育て環境づくりが求められてい ます。 ボランティアによる公民館を利用した親子サロンなどの子育て支援の活動が広がり、利用者が増え てきていますが、人材・活動拠点・運営費不足という状況にあります。地域のさまざまな団体や町民へ 子育て支援への協力を働きかけ、身近な地域で交流機会を持ち、町民同士で子育てを助け合うことが できるよう取組への支援が重要です。 保護者の子育ての悩みや不安に対する相談支援体制の充実を図り、虐待などによる要保護児童(家 庭)の早期発見、早期対応が必要です。そのためには、地域、行政はもとより児童相談所をはじめ関係 機関との連携を強化するとともに、相談体制の強化が必要です。 親子の交流の機会となる、安心して子どもを遊ばせることができるような公園・遊び場の整備をはじ めコミュニケーションの場、機会づくりが必要です。 指 標 関連する計画 粕屋町次世代育成支援行動計画【後期計画】 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・保育所における保育サービスの 充実 安心して子育てできる環境の充実 ・幼稚園における教育内容の充実 保育所における質の高い保育サービスの充実や学童保 ・学童保育における保育サービスの 育における保育サービスの拡充、幼稚園における就学前教 拡充 育の充実を図り、安心して子育てできる環境の整備を推進 ・保育・教育施設環境の整備 します。また、親子の交流の機会となり、子どもが安全に遊 ・公園・遊び場の整備 べるように、公園や遊び場の整備を図ります。 ② ・親同士の交流機会、ネットワーク の拡大 家庭の子育て力を高める仕組みづくり ・子育てに関する学習機会の充実 子育てサークルや親子サロンなど子育て支援に関する活 ・地域におけるサポート体制の拡充 子育て支援の強化 動を活性化させ、家庭における育児不安や負担感の軽減を 図り、地域ぐるみの子育て支援を推進します。 ③ ・子育てに対する相談体制の充実 ・子どもと子育てに関する情報提供 相談支援体制の強化 の充実 子育ての悩みや不安を解消し、ゆとりをもって子育てが ・虐待相談支援体制の強化 できるように相談支援体制を強化します。また、子どもと子 育てに関する支援情報を集約し、情報提供を推進します。 行政の役割 ・質の高い保育サービスや充実した教育を提 供します。 ・地域ぐるみの子育て活動を支援します。 ・子どもの居場所となる身近な遊び場を整 備します。 ・関係機関との連携を強化し、 虐待の早期発 見、 早期対応に努めます。 町民参加のポイント ・子育てのための活動に積極的に参加し、お 互いに助け合いながら、子育てをしていき ましょう。 ・子育てに関する悩みは、 一人で抱え込まず、 積極的に相談しましょう。 5 子育て世代がいきいき暮らせるやさしい地域づくり (2) 支援サービスの充実 現状と課題 安心して妊娠・出産・子育てができるまちづくりを進めるために、妊娠・出産から新生児期及び乳幼児 期に至るまで、一貫した継続的な母子の健康支援が非常に重要です。特に、子どもの健康づくりは、心 身ともに健やかに成長し、生涯にわたり健康な生活を送るための基盤として、子ども自身にとっても 保護者にとっても大切です。 本町は、出生率は県下で1位を占め出生数も増え続けており、育児の不安や悩み、産後うつ病など、母 子のかかわる問題も多様化しています。これらの育児不安や育児支援のニーズの増大に対応するた め、母子保健の機能として、疾病の早期発見・予防だけでなく、家族に対する子育て支援や相談指導、 虐待防止・早期発見など総合的な支援が求められています。 本町では、子どもの発育や発達、健康・育児に関する相談を、年齢や状況に応じてきめ細かく対応でき るよう、出生後には家庭訪問の実施や乳幼児健診の場をはじめ多様な相談窓口を設置して体制を整 えています。また、疾病や発達などに不安を抱える乳幼児に対しては、必要な療育につなげられるよ う今後も相談支援体制を整備していく必要があります。 安心して子育てを行うには、家庭生活の安定を確保することが必要です。各種手当や医療費助成によ り、子育てに伴う経済的負担の軽減を図る必要があります。 乳幼児健診 指 標 関連する計画 粕屋町次世代育成支援行動計画【後期計画】 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・妊娠及び出産の支援 ・疾病の早期発見・早期治療の体制 母子保健事業の充実 整備 母親及び乳幼児の健康の保持・増進を図り、安心して妊 娠・出産・子育てができるように相談や支援体制を整備し、 母子保健サービスを充実させます。 ・発育・発達などに関する相談・支 援体制の整備 ・発達の遅れなどの早期発見及び また、保健・医療・福祉及び教育機関との連携を強化し、 療育への連携支援 総合的な子育て支援を推進します。 ・虐待予防及び早期発見の強化 ② ・子育てに伴う経済的負担の軽減 手当、 医療制度の整備 支援サービスの充実 子育てに伴う経済的負担の軽減を図るため、各種手当の 支給、医療費の助成などによる支援を行います。 かすや子どもの日 行政の役割 ・安心・安全な妊娠・出産・子育てにつながる ような母子保健サービスを充実します。 ・気軽に相談しやすい環境と体制を整備し ます。 ・各種手当の支給、 医療費助成などの情報の 周知に努めます。 町民参加のポイント ・さまざまな制度や支援を活用できるよう、 相談窓口を積極的に利用しましょう。 ・定期的に健康診査を受け、疾病の早期発 見、 早期治療に努めましょう。 5 心豊かに暮らせる地域づくり (1) 社会保障の整備 現状と課題 わが国の社会保障は、 昭和30年代に医療と年金の国民皆保険制を確立し、 着実に発展してきましたが、 近年の少子高齢化や経済成長の鈍化により、 社会保障制度の再構築は重要な政策課題となってきまし た。社会構造の変化に伴い、高齢者介護や子育て支援といった需要が高まる中、家族、企業、自治体、国 が相互に果たしてきた役割が大きく変化していることを踏まえ、 これらの変化に適切に対応できる社 会保障制度の確立が求められています。 しかしながら、 医療、 年金、 雇用、 介護、 社会福祉、 児童福祉など 最も国民生活に密接で、かつ重要なサービスについて社会保障制度全体の見直しを与儀なくされ、そ れに伴い個人負担額が増えつつあります。 中長期を展望した上で経済活力や財政運営とのバランスを 図り、 適正な給付と負担の規模、 財源のあり方などを含め、 誰もが安心して生活できる社会の実現に向 け、 セーフティネットとして社会保障制度全体を横断的に見直していく必要があります。 本町においても国民健康保険制度の運営は、 被保険者の高齢化や医療技術の高度化などに伴う保険給 付費の増加や、その負担については少子高齢化や就業構造の変化などによる構造的な問題を抱え、極 めて厳しい状況下にあります。 このため、 医療費適正化対策事業を積極的に行うとともに、 健康に対す る意識を高めていくための施策や、 国民健康保険制度、 財政状況などについて町民の理解を深め、 保険 税収納の確保に向けて一層努力し、 公平公正に安定した運用を行う必要があります。 また、 平成20年4 月より後期高齢者医療制度が始まりましたが、現在、新しい高齢者医療制度が検討されるなど制度変 更や法改正に伴う業務量の負担も増えています。介護保険については、関係機関と連携を図りながら サービスの質の向上を図り、 安定した制度運用をめざす必要があります。 近年の長引く不況や社会経済状況の更なる悪化により、失業者が増え、生活困窮者やホームレスの数 が増大しています。 生活保護世帯には家庭的、 社会的にさまざまな問題を抱えている世帯も多く、 個々 の状況に応じた自立支援が必要となっています。 指 標 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・生活保護制度の適正な運営 ・生活困窮者の自立支援の充実 暮らしを守る制度の充実 ・生活環境の整備 健康で文化的な生活への自立を支援するため、生活保護 制度の適正な運営を図るとともに、個々の実情に応じた生 活相談や適切な支援を行い、生活困窮者の福祉の充実を 図ります。 ② ・医療保険の健全な運営 ・介護保険の適正な運営 社会保障を支える制度の健全な運営 ・年金受託事務の運営 社会保障を支える制度について、限られた資源を効率的 に活用できるように、サービス品質とコストの管理体制を 社会保障の整備 強化し、制度の健全な運営とその継続を図ります。 国民健康保険の窓口 行政の役割 ・社会保障制度の適正な運営を行います。 町民参加のポイント ・国民健康保険や国民年金などの趣旨を理 ・社会保障制度の理解を高める取組を行います。 解し、制度を利用する側の義務を果たすよ ・生活困窮者の実態把握に努め、 実情に即し うにしましょう。 た指導・支援を行います。 5 心豊かに暮らせる地域づくり (2) 平等な社会の実現 現状と課題 平和で誰もが平等に暮らせる社会は、私たちがいきいきとした生活を送る上で欠くことのできない ものです。しかしながら現代の社会においては、高齢者や障がい者などの社会的弱者や女性、あるい は外国人に対する差別や偏見、また学校におけるいじめなど、人権にかかる問題が数多く見受けられ ます。人権教育・啓発を進め、町民一人一人が自らの課題として人権尊重の理念を深めることを目的 とし、すべての町民が対等なパートナーとして尊敬しあえるまちの実現が必要となっています。 本町では、街頭啓発、人権を尊重する町民のつどいの開催、人権啓発冊子の全戸配布など、広く町民に 人権意識の啓発を進めてきました。今後もこうした活動を継続し、人権が尊重される社会の実現に向 けて主体的に取り組んでいけるように人権学習や相談体制の整備を進めることが必要です。また、人 類共通の願いである恒久平和の実現に向け、平和に関する学習機会の充実や平和意識高揚の取組が 必要です。さらに、男女共同参画推進については、男女共同参画社会基本法に基づき、男女共同参画の 実現、男女平等などをめぐる意識改革及び多様な生き方ができるよう、環境整備や意識啓発の取組が 必要です。 原爆パネル展 指 標 ※新型インフルエンザにより開催数が少なかったため、 現状値についてはH22の値を使用しています。 関連する計画 国の第3次男女共同参画基本計画 福岡県男女共同参画計画 粕屋町社会人権教育啓発推進計画書 粕屋町社会教育計画書 施策 実現化方策 実行のカギ ① ・教育の推進 ・人権啓発の推進 平和・人権意識の高揚 ・平和事業の推進 学校・地域・家庭・職場など、あらゆる場を通じて「認識か ら理解へ」 「理解から行動へ」とつながる人権教育・啓発を 行い、町民全体の人権意識を高めていきます。 ② ・相談体制の強化 ・救済支援の充実 相談・救済体制の充実 人権侵害を受けている、または受けるおそれのある町民 が安心して気軽に相談でき、問題を解決することができる 平等な社会の実現 ように支援するとともに、関係団体、関係機関と連携し、迅 速、的確に救済ができるように体制の充実に努めます。 人権を尊重する町民のつどい 行政の役割 ・ライフステージに応じた人権教育・啓発の 機会提供に取り組みます。 ・関係団体、 関係機関と連携して、 さまざまな 人権問題に対応できる相談・救済体制の充 実を図ります。 町民参加のポイント ・人権問題に対する正しい知識を身に付けま しょう。 ・人権に関する被害にあった場合は、 相談窓 口を積極的に活用しましょう。
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