2016 年 7 月 25 日 不二越(6474) 担当 織田真由美 レーティング:新規 NEUTRAL ロボット事業強化で中長期的成長目指す。為替影響が懸念材料。 売上高 (百万円) 連 12/11 172,259 連 13/11 175,697 連 14/11 218,225 連 15/11 218,535 連 16/11(予) 212,000 第 2 四半期累計期間 連 14/12-15/5 107,357 連 15/12-16/5 106,201 株価(2016/7/25) 期末発行済み株式数(16/5 末) 期末自己株式数(16/5 末) 時価総額 企業価値(EV) ROE(15/11 実績) 予想配当利回り 予想 PER BPS(16/5 実績) PBR CFPS(15/11 実績) PCFR EV/EBITDA(15/11 実績) 伸び率 (%) 営業利益 (百万円) +3.8 +2.0 +24.2 +0.1 -3.0 10,639 12,338 18,574 18,945 13,000 -3.2 -1.1 9,683 6,445 343 249,193 913 85,473 149,905 11.9 2.9 14.2 388.01 0.9 56.1 6.1 6.4 伸び率 (%) 経常利益 (百万円) 伸び率 (%) 純利益 (百万円) 伸び率 (%) -27.3 +16.0 +50.5 +2.0 -31.4 9,111 11,698 18,419 17,316 9,500 -29.4 +28.4 +57.5 -6.0 -45.1 4,585 6,706 9,934 11,593 6,000 -54.2 +46.3 +48.1 +16.7 -48.2 18.44 26.98 39.98 46.90 24.24 6.00 6.00 8.00 10.00 10.00 -3.9 -33.4 9,010 4,358 -4.8 -51.6 5,700 2,705 +20.3 -52.5 23.08 10.91 0.00 0.00 円 千株 千株 百万円 百万円 % % 倍 円 倍 円 倍 倍 EPS (円) 1 株配 (円) 株価チャート(週足) 出所:不二越、ブルームバーグ、今村証券 (注)2014 年 11 月期に在外子会社の決算を 11 月に変更したことで、在外子会社の会計期間が 14 カ月となり、2014 年 11 月期は変則 決算。 工具、ベアリング、産業用ロボット大手で、 油圧機器や工作機械も展開。全売上高の約 5 割が自動車産業向けで、主力のベアリングでは 等速ジョイント用ベアリング、カーエアコン用 ベアリングで世界シェアトップ。また、ジェッ トエンジン用やトランスミッション用のブロ ーチでも世界シェアトップを誇るなど、高シェ アの独自製品も多い。富山工場のほか、米国、 ブラジル、メキシコ、チェコ、タイ、シンガポ ール、フィリピン、インド、中国、台湾、韓国 に生産拠点を設け、海外生産を拡大、海外売上 高は 5 割近くに上昇している。 2016 年 11 月期第 2 四半期連結決算は減収減益。2015 年 11 月期に過去最高の売上高、営業利 益を更新したが、今期に入ってからの円高によって急ブレーキがかかった。為替の影響によって 海外売上高が 34 億円下押されたことが減収につながった(資料2参照)。海外売上高は前年同期 比 1.7%増の 499 億 64 百万円にとどまり、加えて、自動車メーカーの国内生産減少や工作機械不 振の影響を受けて(資料3参照) 、国内向けの売上高が 562 億 37 百万円と前年同期比 3.4%減少 不二越(6474) 1 2016 年 7 月 25 日 したことも追い討ちをかけた。結果、売上高は 11 億円余り減少し、前年同期比 1.1%減の 1062 億 1 百万円と一転して減収となった。利益面でも為替の影響が大きく、営業利益で 18 億円の下 押し要因となった。加えて、中長期的な成長に向けてロボット事業を強化すべく人員の拡充や設 備投資を行ったことで費用が増加、営業利益は期初見通しの 85 億円を 20 億円超下ぶれ、前年同 期比 33.4%減の 64 億 45 百万円となった。また、営業外損失に為替差損 12 億 16 百万円を計上し たことで、経常利益は期初見通しの 80 億円から 36 億円超下ぶれ、前年同期比 51.6%減の 43 億 58 百万円となった。 上期業績が期初見通しを大き 売上高 営業利益 経常利益 純利益 EPS 連結 く下ぶれたことで、同社は通期 億円 億円 億円 億円 円 業績予想を下方修正した。売上 前期実績 2,185 189 173 115 46.90 高は 130 億円減額し 2120 億円に、 前回予想 2,250 195 185 120 48.48 営業利益は 65 億円減額し 130 億 通期見通し 2,120 130 95 60 24.24 円に引き下げられた(資料4参 資料4:通期業績予想の修正 照)。30 億円超のコストダウンな どのプラス要因がある一方で、為替の影響が 45 億円に上ることに加え、ロボット事業への積極 的な投資によって固定費・販管費が 57 億円増加することが下押し要因となる。期初に 4 期連続 の営業増益を見込んでいた業績は一転して減益見通しとなった。 足元で同社が注力するのはロボット事業だ。従来は自動車向けを中心に取り組んできた事業 展開を、「ロボットを核にした総合機械メーカー」への転換を図るとした。殊に産業機械分野の ロボットに注力する。 少子高齢化や労働人口の減少を背景にロボット市場は拡大が見込まれることに加え、電気自 動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)が普及するなかで、エンジンを使わない自動車の拡大は同 社の部品や工具の需要減少につながるとの危機感が背中を押した。同社では、これまでもロボッ ト事業を手がけていたが、自動車産業向けにとどまっていたこと、システムを組み入れないロボ ット単体にとどまっていたことなどから、ロボット事業の売上高は全体の 1 割程度を占めるにと 不二越(6474) 2 2016 年 7 月 25 日 どまっている。これをターゲットとなる市場を食品向けや電機や電子部品向けなどの幅広い産業 機械分野に広げ、システムを内製化し「ロボットを含めたシステム」に移行することで事業拡大 を図る方針だ。ロボット事業には 2017 年までに 2015 年に比べて 500 人超の人員を配置するほか、 生産設備増強や海外 10 カ所のテクニカルセンター新設などに 200 億円の設備投資を計画してい る。足元の受注動向を見ても、全体が伸び悩む中(資料5参照)、ロボット事業の受注は堅調に 推移しており(資料6参照)、今後の拡大に期待がもたれる。 前述の通り今期業績予想は下方修正され、減収減益見通し。下期の想定為替レートは対米ド ルで 105 円、対ユーロが 115 円で、為替感応度は、対米ドルで 1 円の円高が年間約 1 億 5 千万円 ~1 億 6 千万円の経常減益要因、 対ユーロで 1 円の円高で年間約 5 千万円の経常減益要因となる。 足元の為替水準が維持されれば通期予想は達成されるとみられるが、一方で、通期の為替レート は対米ドルで 109 円、対ユーロが 121 円となっていることは、来期の為替による影響が懸念され る状況だ。 株価は第 2 四半期決算発表後に年初来安値の 257 円をつけたが、その後に上昇基調となった ことで、割安感が薄れている。また、業績についてもロボット事業への注力には期待がもたれる 一方で、工作機械事業の低迷や為替による来期業績への影響には不透明感が強い。投資判断をN EUTRALとする。 (参考)ベアリング各社のバリュエーション(株価は 7 月 25 日終値) 株価 6474 不二越 343 6471 日本精工 887 6472 NTN 303 6473 ジェイテクト 1,349 決算期 15年11月期 16年11月期 16年3月期 17年3月期 16年3月期 17年3月期 16年3月期 17年3月期 売上高 (百万円) 218,535 212,000 975,319 920,000 716,996 690,000 1,399,987 1,300,000 伸び率 (%) 0.1 -3.0 0.0 -5.7 2.2 -3.8 3.2 -7.1 営業利益 (百万円) 18,945 13,000 89,534 65,000 47,770 35,000 81,923 60,000 経常利益 伸び率 伸び率 税引前利益 (%) (%) (百万円) 2.0 17,316 -6.0 -31.4 9,500 -45.1 3.0 87,208 3.1 -27.4 63,000 -27.8 8.9 38,211 -1.7 -26.7 27,000 -29.3 10.5 81,260 2.4 -26.8 61,000 -24.9 純利益 (百万円) 11,593 6,000 65,719 40,000 15,037 16,000 48,672 41,000 伸び率 (%) 16.7 -48.2 10.7 -39.1 -35.6 6.4 14.5 -15.8 EPS (円) 46.90 24.24 121.38 75.71 28.28 30.09 141.91 119.54 配当金 (円) BPS (円) 10.00 414.31 10.00 34.00 839.56 38.00 10.00 436.97 12.00 42.00 1,327.34 42.00 予想 PER (倍) 予想 配当 利回り 0.8 14.2 2.9% 11.7 4.3% 10.1 4.0% 11.3 3.1% 1.1 0.7 1.0 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明 本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解 を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬 も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義 O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。 N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 不二越(6474) 3 PBR (倍) 2016 年 7 月 25 日 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場 合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様 への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お 客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま すようお願い申し上げます。 資料1:GEメーカー3 社四半期売上高伸び率 (前年同期比) 本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成 しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている 場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり ませんし、お客様が本資料に依拠した結果としてお客様が被った損害または損失については一切責任を負いません。ま た、今村証券は本資料に関するお客様からのご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社 および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買い 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ETF、外国預託証券を含む)の売買、配当金等の受取り等にあたり、 円貨と外貨を交換する際は、外国為替市場の動向をふまえて今村証券が決定した為替 レートを用います。 ■ 債券を募集・売出し等によってご購入いただく場合は、購入対価のみのお支払いとな ります。 ■ 債券は、市場の金利水準の変動等により債券の価格が変動しますので、損失が生じる おそれがあります。さらに外国債券は、為替相場の変動等により元本損失を生じる場 合があります。また、倒産等、発行会社の財務状態の悪化により元本損失を生じる場 合があります。 ■ 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元 本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等 により投資 1 単位当りの価値が変動します。したがって、お客さまのご投資された金 額を下回ることもあります。 ■ 投資信託にご投資いただくお客様には、銘柄毎に設定された販売手数料および信託報 酬等の諸経費等をご負担いただきます。 ■ 株式、債券および投資信託のリスクにつきましては、上場有価証券等書面、契約締結 前交付書面やお客様向け資料をよくお読みください。 金融商品取引業者 北陸財務局長(金商)第3号 日本証券業協会加入 e_gyoumu_20160311
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