(別記) 諸富町農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題 当地域は、昭和7年から10年にかけて実施された「耕地整理事業」や昭和57年か ら平成4年にかけて実施された「県営圃場整備事業」により整備された圃場を活用し、 土地利用型農業である米・麦、大豆の作付けを中心に、いちごやアスパラガス等の施設 園芸作物も生産している。 しかしながら、米・麦の価格低迷が続いていることから、園芸作物の作付拡大や加工・ 業務用向けの契約生産の拡大が必要となっている。 土地利用型農業の現状は、担い手(認定農業者、新規就農者)による農地集積が進ん でいるものの、高齢化と後継者不足のため、新たな担い手の育成・確保が緊急の課題と なっている。 昨年5月に設立された「農事組合法人:もろどみ」についても、旧集落営農組合ごと に共同作業の形態に違いがあったり、また機械利用料、オペレーター等賃金の統一など 内規やルールづくりについて協議・決定をしている状況である。このことから、今後と も当再生協議会は、法人の健全育成のため必要な検討を行い、継続的な支援と推進を図 って行く必要がある。 2 作物ごとの取組方針 (1)主食用米 当地域においては、生産数量目標に即した作付けの推進を図っており、平成27 年産の作付実績については、「夢しずく」が91ha、「さがびより」が65ha、 「ヒヨクモチ」が167haとなっている。 今後も需要に応じた生産を基本としつつ、佐賀県のブランド米である「夢しずく」 や「さがびより」、もち米の「ヒヨクモチ」の作付けを推進し、安定的な生産・供 給を維持する。また、安全・安心で良質な米づくりをめざし、多様な消費者ニーズ に応えられる産地となれるような生産体制づくりを進める。 (2)非主食用米 現在のところ作付実績はないものの、主食用米の需要が減少していることから、 転作の一環として大豆だけでなく非主食用米への転換も状況を見ながら検討してい くこととする。 (3)麦 今後とも用途に応じた良質で均質な麦の安定供給と生産体制の強化を図る。また、 環境に配慮した農業を推進するため産地交付金を活用して、麦わらの有効活用(す き込み、園芸利用、畜産利用等)を推進するとともに、生産性(地力)の向上を図 る。 (4)大豆 主食用米の需要減が見込まれる中、大豆を転作作物の中心作物に位置づけ、産地 交付金の産地戦略枠を活用しながらブロックローテーションによる連作障害の解消 及び作業効率化や団地化栽培による生産量の高位安定化を進めるため、団地化及び 担い手への集積の面積を現在の171.9haから目標年の平成30年には180 haへ拡大を図る。 あわせて、病害虫の適期防除対策の徹底や、産地交付金を活用し不耕起播種技術 への支援を行うとともに、不耕起播種機の利用推進による作業効率化と生産量の増 加を図る。 (5)野菜、果樹 農業所得の向上を図るため、産地交付金を活用し園芸作物の作付拡大を図る。特に 地域振興作物である「たまねぎ」、「オクラ」については、現状作付け17.32h a(たまねぎ17.0ha、オクラ0.32ha)を目標年の平成30年には23. 5ha(たまねぎ23.0ha、オクラ0.5ha)へ拡大を図る。 (6)不作付地の解消 現行の不作付地(平成25年度:0.17ha)については、基盤整備が未実施 で生産コストが割高になる圃場である。しかしながら、地域の景観や生活環境の悪 化等を懸念されることから担い手を育成していく中で、これらの担い手に耕作を依 頼し解消を図る。 3 作物ごとの作付予定面積 作物 主食用米 平成25年度の作付面積 平成28年度の作付予定面積 平成30年度の目標作付面積 (ha) (ha) (ha) 320.4 326.0 320.0 麦 451.7 454.0 453.0 大豆 174.7 174.0 180.0 31.84 34.97 35.2 31.61 34.77 35.0 ・たまねぎ 17.9 22.0 23.0 ・オクラ 0.32 0.27 0.50 果樹 0.23 0.20 0.20 飼料用米 米粉用米 WCS用稲 加工用米 備蓄米 飼料作物 そば なたね その他地域振興作物 野菜 4 平成28年度に向けた取組及び目標 取組 分類 番号 対象作物 1 大豆 取組 作付け団地化 ※ イ 指標 平成25年度 平成28年度 (現状値) (目標値) 169.1ha 181.0ha 実施面積 平成28年度 の 支援の有無 有 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ※「分類」欄については、実施要綱別紙16の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入してくだ さい。 (複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組に該当するものをいずれか1つ記入してく ださい。 ) ア 農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組 イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組 ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物 を生産する取組 ※現状値及び目標値が単収、数量など面積以外の場合、 ( )内に数値を設定する根拠となった面積を記 載してください。 ※畑地の面積は含めないこと。 ※「平成28年度の支援の有無」欄については、産地交付金による助成を行う取組は「有」を、助成を行 わない取組は「無」を記載してください。
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