(別記) 上峰町農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題 本町の水田面積は、現在454.54ha(H28.1.1現在)であり、そのうち主食用米の作 付割合が約60%を占め、主食用米からの転換作物の中心作物である大豆の作付割合は 27%となっている。また、二毛作として作付けがなされている麦については、水田全 体の約70%にも達し、米・麦・大豆を基幹作物とした効率的な土地利用型農業経営が 行われている。さらに、麦・大豆については、作付けの団地化、生産体制の組織化等 により、生産効率性の向上に取り組んでいる。 このような状況の中、機械利用組合による農作業の共同化による省力化や、コスト 縮減を図ってきたが、農家の家庭であって農業を継がない人が増えており、一方では 農家の高齢化が進み担い手の減少が続いている。 このため、今後は、将来の地域における農業生産体制のあり方を示す「人・農地プ ラン」の内容を充実させるとともに、その実現に向けて関係者が一体となって確実に 実行していく必要がある。 また、農業経営の安定・発展を図るため、施設園芸や露地野菜の作付拡大を推進し ながら品質・生産量の向上を図り、同時に生産コストの削減や、収益性の高い新たな 品目の選定に取り組むとともに、6次産業化を推し進めることにより、魅力ある農業 を実現していくことが重要となっている。 2 作物ごとの取組方針 (1)主食用米 当地域においては、生産数量目標に即した作付けの推進を図っており、平成27 年産の作付面積については、「夢しずく」が38.2ha、「ヒノヒカリ」が31.0ha、 「さがびより」が124.7ha、「ヒヨクモチ」が59.8haとなっている。 今後も、需要に応じた生産を基本として、高温に耐える品種として開発され、 食味ランキングでも高い評価を受けているブランド米「さがびより」を主要品種 として位置づけ、品質の高い米生産を目指しながら作付けの推進を行う。 (2)非主食用米(加工用米) 平成27年産の作付実績は12.4haとなっているが、今後は産地交付金の追加配分 (複数年契約の取組)を活用しながら、作付面積のさらなる拡大を図っていく。 (3)麦、大豆 現在、農業体質強化基盤整備事業として、地下水位制御システム「フォアス」 事業に取り組んでおり、平成26年度末で全町完了した。この事業により、懸案事 項であった上峰北部地区でも排水対策(湿害対策)に目処がつき、麦や大豆の作 付けに取り組むことができるようになることから、積極的に作付拡大の推進を行 っていく。 麦については、適期播種や排水対策等を中心に、基本栽培技術を徹底するとと もに、作付面積の拡大を推進する。また、土づくりと環境に配慮した農業の実践 を推進するため、産地交付金を活用しながら、麦わらの有効活用(すき込み等) に対する取組の支援を重点的に行う。 大豆についても、排水対策等を中心に栽培技術の徹底を行いながら、経営所得 安定対策等の活用による作付面積の拡大を推進していく。特に、団地化の取組に ついては、収量・品質の向上を図る観点から、産地交付金の産地戦略枠に位置づ け重点的に支援を行うこととし、団地化面積を平成25年度の111haから目標年の 平成28年には118haへと拡大させていく。 (4)野菜、花き、果樹等 地下水位制御システム「フォアス」事業の完了に伴い、多様な露地野菜の展開 を図る観点から、産地交付金を活用しながら作付けの拡大を図る。また、施設野 菜や花き、果樹等についても、産地交付金から支援を行う。 (5)不作付地の解消 現行の不作付地(H28予定面積 9.5ha)については、基盤整備が未実施で生産 コストが割高になるほ場である。しかしながら、地域の景観や生活環境の悪化等 を懸念されることから、認定農業者や集落営農組織等の担い手に耕作を依頼し、 新規需要米や野菜等の作付をあらゆる機会で促し、不作付地の解消を進める。 3 作物ごとの作付予定面積 作物 主食用米 飼料用米 米粉用米 WCS用稲 加工用米 備蓄米 麦 大豆 飼料作物 そば なたね その他地域振興作物 野菜 花き・花木 果樹 地力増進 景観形成 平成25年度の 作付面積 (ha) 265.7 0 0 0 12.4 0 318.7 120.8 0 0 0 9.6 8.5 0.3 0.7 0 0 平成28年度の 作付予定面積 (ha) 260.2 0 0 0 12.7 0 329.7 129.2 0 0 0 11.1 10.1 0.3 0.7 0 0 平成30年度の 目標作付面積 (ha) 243.0 0 0 0 13.4 0 330.0 141.5 0 0 0 13.2 11.3 0.4 0.7 0.4 0.4 4 平成28年度に向けた取組及び目標 取組 番号 対象作物 取組 分類 ※ 指標 平成25年度 (現状値) 平成28年度 (目標値) 平成28年度の 支援の有無 1 大豆 作付け団地化 イ 実施面積 111ha 118ha 有 2 大豆 作付け集積 イ 実施面積 111ha 118ha 有 ※「分類」欄については、要綱(別紙 16)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下 さい。(複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組に該当するものをいずれか 1 つ記入 してください。) ア 農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組 イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組 ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い 作物を生産する取組 ※現状値及び目標値が単収、数量など面積以外の場合、( )内に数値を設定する根拠となった面 積を記載してください。 ※畑地の面積は含めないこと。 ※「平成 28 年度の支援の有無」欄については、産地交付金による助成を行う取組は「有」を、助成を 行わない取組は「無」を記載してください。
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