球磨村農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状

球磨村農業再生協議会水田フル活用ビジョン
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地域の作物作付の現状、地域が抱える課題
球磨村は、熊本県の南部に位置し、総面積207.73k㎡で総面積の88%が山林
で占められ、村全体が山岳地帯となっている。このような本村の地形的条件から、水田、
畑地等の農地は少なく、大部分は迫田等の棚田利用の農地であることから、1戸あたり
の水田面積は、33アール程度と零細であり、圃場整備地区は、全水田面積の7.5%
程度で、10アール未満の水田が点在している。
未整備田については、飯米用水稲の単作、自己保全管理等が多く土地利用率、収益性
が低い状況であり、本村においては土地利用型農業を展開しにくい条件である。また、
兼業農家も多く高齢化も進むなどで担い手の育成が進んでいないのが現状である。
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作物ごとの取組方針
本村の約 260ha(不作付地を含む)の水田について、立地条件が厳しく、単一作物の専
業経営が困難なため、水稲を中心とした複合経営の継続的な発展を図るため、産地交付
金を有効に活用しながら、特に振興を図っているほおずき、インゲン、ブロッコリー、
オクラ、甘長とうがらし、抑制カボチャ、ミシマサイコの小物野菜を転作の中心作物に
位置付け、作物生産の維持・拡大を図ることとする。
(1)主食用米
山麓、山間で水利条件のよい埴土、埴壌土地帯を利用した高付加価値の減農薬、有機
栽培米、掛け干乾燥米等消費者が安心して食することができる特別栽培米・良質米の振
興を図り、棚田ブランド米としておいしい米作りを推進する。また、村内小、中学校へ
の地元産米の米飯給食助成等で米消費拡大運動も推進する。
(2)非主食用米
WCS用稲については、「WCS用稲取組に係るガイドライン」に基づき、需用者の
ニーズに応じた収量や品質を確保するため、適切な栽培管理を徹底する。
また、飼料用米については、現状は管内において飼料用米加工施設が無く、飼料用米
の作付を推進する環境が整っていない状況である。今後の施設等の整備状況を注視しな
がら作付の推進を図る。
(3)麦、大豆
大豆については、現況では自家消費中心であるが、農産物加工グループと連携し、地
元産大豆を利用した味噌の加工等による物産館等の直売施設での販売を推進する。
(4)野菜
産地交付金における園芸作物(野菜等)への支援を行いながら、今後作付面積の維
持・拡大を図る。
また、産地交付金の産地戦略を活用し、特に振興を図っているほおずき、インゲン、
ブロッコリー、オクラ、甘長とうがらし、抑制カボチャ、ミシマサイコの小物野菜を中
心に振興品目として作付拡大を図る。
(5)不作付地の解消
現行の不作付地については、地域の意欲ある担い手に農地集積を加速させ、甘長と
うがらし、インゲン等の振興作物やミシマサイコ等の薬用作物の作付を推進すること
により一割以上の解消を図る。(H25:9.2ha→H28:5.2ha)
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作物ごとの作付予定面積
作物
平成 25 年度の作付面積
平成 27 年度の作付予定面積
平成 28 年度の目標作付面積
(ha)
(ha)
(ha)
主食用米
118
112
111
加工用米
0
0
0
備蓄米
0
0
0
米粉用米
0
0
0
飼料用米
0
0
0
3.2
5
5.2
0
0
0
0.5
0.5
0.5
飼料作物
3
3
4
そば
0
0
0
なたね
0
0
0
その他地域振興作物
30
30
32
振興作物
1.1
1.2
1.5
薬用作物
0.04
2.3
3
その他野菜
10.5
10
10
その他作物
4.4
4
4
永年性作物
14
14
14
WCS用稲
麦
大豆
※その他地域振興作物のうち、振興作物は、ほおずき、インゲン、ブロッコリー、オクラ、甘長とう
がらし、抑制カボチャ、薬用作物は、ミシマサイコ
4
平成 28 年度に向けた取組及び目標
取組
番号
1
対象作物
取組
地域特定指
地域特定指定作物
定作物
への助成
分類
※
ア
指標
実施面積
平成 25 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
(現状値)
(予定)
(目標値)
1.1ha
2.4ha
3.0ha
※「分類」欄については、要綱(別紙 10)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。
(複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組の記号をいずれか 1 つ記入して下さい。)
ア
農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組
イ
生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組
ウ
地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物
を生産する取組