27年度類型化について

東京都立王子特別支援学校
★教育課程の類型化とは
生徒一人一人のニーズに応じた教育を効果的に展開するために、教育課程を複数の種類で編成す
ること。特に類型を基本とした指導集団とすることで、下記のように「教育環境」が改善され、生
徒数の増加や障害の多様化等の課題解決が図れ、様々な教育効果が生まれる。
複数の教育課程(時間割等)
ポ
イ
ン
生徒の実態に合わせた学習の実現
ねらいを絞った教材・資料作成ができる
障害の程度や課題に応じた集団となる
類型に基づく学級編成
★3年間の系統的指導 ~学年ごとの指導の観点~
1年 新しい環境の中で様々な体験をとおして人間関係を広めながら、自分の将来について考え始める。
2年
何事にも積極的に関わることをとおして、自己理解を深め、自分の可能性を具体的に考える。
効果的な学級活動が実現
学習内容の到達点が明確になる
3年 卒業学年として卒業後の生活を見据えた学習・体験をとおして、自分の将来像を具体化していく。
学習集団や生徒の課題設定がしやすい
★王子特別支援学校の類型化の特徴
王子特別支援学校の類型化
ー 個に応じたニーズの実現と発達段階に応じた教育活動の充実 ー
従来の教育課程
重度・重複学級
教育課程
普通学級
教育課程
1
発達段階に応じた集団の編成と時間割の構成
2
重度・重複学級とⅠ類型は同じ時間割で授業を展開する。個に応じた指導を充
実し生徒の自主性を引き出せるような学習を展開する。
普通学級を二つに類型
学
習
到
達
度
・
障
害
特
性
一
人
一
人
の
ニ
ー
ズ
重度・重複学級
Ⅰ
類
型
Ⅱ
類
型
Q豊
Oか
L な
の社
実会
現生
に活
向及
けび
3
Ⅰ類型は帯の時間枠と各教科等を合わせた指導を体験型の学習として取り入れ
ている。
4
Ⅱ類型は、全体を二つの段階に分けて、学級編成・集団編成を行う。
★類型ごとの生徒の全体像と指導の視点
生
徒
の
全
体
像
指
導
の
視
点
重度・重複学級
Ⅰ類型
Ⅱ-①類型
Ⅱ-②類型
生徒の全体像として(1):卒業後の生活・進路(2):生活習慣・社会性・学力(3):学習集団
(1) 身近な人との関係の (1) 基本的な生活習慣の (1) 将来働くことを (1) 生徒自身が企業就労
中で生活を理解してい
確立を目指す。身近な人 意識している。
を視野においている。
る。
との関係で生活力を発展 (2) ある程度の身辺 (2) 基礎的な学力・社会
(2) 周囲の支援を受けな する。
自立など基本的な生 性等において、ある程度
がら生活力の向上を目指 (2) 周囲の支援により、 活習慣は身につけて の力を持っている。
して生活している。
生活力の向上や生活の幅 いる。
(3) 一斉指導を受け止め
(3) 個に応じた指導・活 を広げる。
(3) 集団指導をとお る力が育っている。
動をとおして情緒の安
(3) 個に応じた指導もし して互いに学びあえ
定、コミュニケーション くは小集団での活動によ る。
能力の向上、健康の維持 り、情緒の安定、コミュ
を図っている。
ニケーション能力の向上
(4) 日常生活動作には個 を図る。
に応じた介助・支援を必
要とする。
①日常的な生活力の向
上。
②人と関わる力の育成。
③心身の健康増進。
④情緒の安定。
⑤自ら活動できる力の育
成。
①日常的な生活力の発
展。
②人と関わる力の育成。
③心身の健康増進。
④情緒の安定。
⑤自ら活動できる力の育
成。
①就労できる力の獲
得。
②日常生活技術の獲
得。
③自己調整力の向
上。
④責任感や自己肯定
感の育成。
①就労できる力の獲得。
②規範意識・向上心の育
成。
③社会性の向上。
④自己理解・自己選択す
る力の育成。
⑤自己調整力の向上。
Ⅰ類型の生活単元学習
職 業
体験学習
校外歩行
集団行動
○校内での作業体験
○目的地を意識した
集団歩行
○校外での作業体験
○買い物学習
○職場実習の事前・ 事
○公共交通機関の
後学習
利用
行事・自然
○季節や自然に触れ
る 草木の観察等
○校外学習における公
共施設の利用や交
通ルール
★Ⅰ類型における時間割及び授業内容の特徴
調 理
季節・社会
○ ADL(日常生活動作)・一日の生活習慣作り・学習習慣の確立をねらい、朝の時間帯を30
分ずつに区切り、帯の時間枠を設定した。
授業終了時から下校準備・一日の振り返り・翌日の見通しまでの流れがスムーズに行えるよう
○ に、下校時の日常生活の指導時間を30分とした。
○ 理科・社会・家庭・職業は各教科等合わせた指導として、一日通した生活単元学習の中で指導を行う。
○ 学年としての活動や生徒同士の関わりがもてるように、週4時間(生活単元学習・保健体育・
LHR)同一の時間枠を設定した。
調理実習
○安全な調理
○自分でできる
○買った物を調理
○衛生の習慣
○ 作業学習は集中力・主体性・積み重ねを重視し、一日2時間で週二日とした。
2年生 時間割
月
午前の時間
※一日の流れの例
午後の時間
校外歩行 → スーパーでの買い物 → バスの利用 → 安全な調理
歩く習慣
歩行のマナー
集団行動
交通ルール
目的の物を買う
お金の使い方
レジの活用
袋詰め
公共交通機関の利用
利用上のマナー
地域での生活の向上
目的意識
身だしなみ・衛生
役割・協力
調理への関心
重
Ⅰ Ⅱ-1Ⅱ-2
8:50
9:10
Ⅰ Ⅱ-1Ⅱ-2
朝の運動
①
10:30
木
Ⅰ Ⅱ-1Ⅱ-2
自立活
動
Ⅰ Ⅱ-1Ⅱ-2
清掃
朝の運動
朝の運動
Ⅰ Ⅱ-1Ⅱ-2
日常生活の指導
日常生活の指導
※9:30まで
清掃
朝の運動
国 音楽体育
語
自立活
数
動
学
自立活
動
重
日常生活の指導
日常生活の指導
朝の運動
国 体育 音
楽
語
数
学
重
金
日常生活の指導
日常生活の指導
朝の運動
国
語
音楽
数
学
9:55
重
日常生活の指導
日常生活の指導
朝の運動
9:35
10:00
作業学習
重
水
日常生活の指導
日常生活の指導
9:20
9:40
火
王子タイム等
(総合的な学習の時
間)
国
語
数
学
10:35
1年
ねらい
○仕事に向かう姿勢や態度
を育て、働くことの喜びを
味わう。
○協力して働く姿勢を育てる
と共に、必要なコミュニ
ケーションの基礎を身に着
ける。
○自分に合った仕事を見つけ
る。
指導の観点
○作業学習の導入期。
○仕事に向かう姿勢。
○働くことの喜びや達成感。
○仕事に向かう意欲の向上。
○基礎的な作業態度の獲得。
○見通しをもてる作業の工夫。
作業班編成
○学年で作業班を編成。
作業時間
○午前3時間×週1日(150分)
作業種
◇製造系
◇食品系
◇労務・サービス
2年
3年
②
Ⅰ類型
ねらい
○道具の扱いをとおして身体の働きや手指の操作性を高める。
○繰り返しの中で安定して自主的に仕事に取り組む態度を育
て、達成感を味わう。
指導の観点 ○安定した環境。 ○日常的な生活能力の向上。
○人や物に関わりながら自ら活動できる力・自発性の育成。
○人と関わるコミュニケーション手段の習得と能力の向上。
作業班
○学年の類型内で作業班を編成。
作業時間
○午前2時間×週2日(200分)
作業種
◇製造系(紙工班・陶芸班)
Ⅱ類型
Ⅱ類型
ねらい
○働くことの大切さ・厳しさ・喜び。
○働くために必要な技能・技術。
○協力とコミュニケーション能力。
○責任感、自己の適性。
指導の観点
○時間の意識。
○報告・連絡・相談・言葉使い。
○仕事への見通し。
○積極性・責任感。
○安全・衛生への意識。
作業班編成
○学年の類型で作業班を編成。
作業時間
○一日5時間×週1日(250分)
作業種
ねらい
○働くことの大切さ・厳しさ・喜び。
○働くために必要な技能・技術。
○協力とコミュニケーション能力。
○工夫、自己の適性。
指導の観点
○時間の意識。
○報告・連絡・相談・言葉使い。
○工夫と改善。
○安全・衛生への意識。
○自己適性。
作業班編成
○学年の類型で作業班を編成。
作業時間
○一日5時間×週1日(250分)
作業種
生活単元学習
国
語
数
学
11:25
11:30
音楽
美
術
体
育
③
国
語
数
学
体育
美
術
家
庭
作業学習
作業学習
国
語
数
学
国語
数学
体育
国
語
数
学
12:20
職業
作業学習
国
語
数
学
国
語
数
学
理
科
社
会
給食・昼休み
1:15
④
2:05 生活単元学習
2:10
⑤
2:50
3:00
3:05
3:25
下校
SB
国
語
数
学
理
科
社
会
音
楽
美術
国
語
数
学
家
庭
国
語
数
学
国語
数学
作業学
習
生活
音楽
体
育
特別活動
(ホームルーム)
合同体育
日常生活
日常生活
日常生活
日常生活
日常生活
※2:55~日常生活の指導 ※2:55~ 日常生活の指導 ※2:55~ 日常生活の指導 ※2:55~ 日常生活の指導 ※2:55~ 日常生活の指導
3:25
3:30
3:25
3:30
3:25
3:30
3:25
3:30
3:25
3:30