調 査 速 報 神奈川県の新設住宅着工戸数(2016年5月)

調 査 速 報
浜銀総合研究所
調査部
産業調査室
2016.7.5
神奈川県の新設住宅着工戸数(2016年5月)
5月の住宅着工戸数は減少も、持ち直し基調を維持
○2016 年5月の神奈川県の新設住宅着工戸数は3か月ぶりの減少
・ 6月 30 日に発表された 2016 年5月の神奈川県の新設住宅着工戸数(季調済年率換算)は
前月比 21.0%減の 7.1 万戸と、3か月ぶりに減少した。ただ、3か月後方移動平均値でみ
たトレンドは上向きを維持しており、持ち直しの基調は崩れていないと判断している。
・ しかしながら、6月1日に消費増税の先送りが発表されたことを受けて、当面の住宅需要
の趨勢が見通しづらくなっている。6月以降の県内の住宅着工は上げ足の鈍い動きとなる
懸念があり、注意が必要だろう。
・ 5月の着工戸数を利用関係別にみると、まず持家系住宅については、持家(注文住宅)が
前月比 16.4%減、分譲一戸建(建売住宅)が同 9.8%減、分譲マンションが同 33.8%減と
なり、全ての住宅タイプで着工戸数が減少した。3タイプとも、3か月後方移動平均値で
みたトレンドは増加を維持しているが、前述のとおり、消費増税時期の延期により、消費
者が住宅購入を先送りする可能性があり、注文住宅と建売住宅を中心に、秋口にかけての
着工が想定よりも伸び悩むことが懸念される。なお、分譲マンションについては、2016
年入り以降、大型マンションの着工が相次いだが、5月は大型マンションの着工がなかっ
たことが着工戸数の大幅減の背景にある。
・ 一方、5月の貸家の着工戸数は前月比 12.1%減と2か月連続で減少した。もっとも、3か
月後方移動平均値は高水準で横ばいの推移となっており、引き続き賃貸住宅の建設ニーズ
は強いと推察される。地域別にみると、横浜市では着工戸数が減少基調となっているが、
一方で、川崎市での着工が底堅い推移となっているほか、横浜市と川崎市以外のエリアで
は着工戸数が強含みで推移している。
図表1 県内の住宅着工は引き続き持ち直し基調にある
県内の新設住宅着工戸数(総計)の推移
季調済年率換算、千戸
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
前年同月比、%
140
120
100
80
60
40
20
0
‐20
‐40
‐60
季節調整済年率換算戸数(左軸)
原数値の前年同月比(右軸)
10年
11
12
13
14
注1:季節調整は浜銀総合研究所が実施。
注2:太赤線は3か月後方移動平均値。
出所:国土交通省「住宅着工統計」
1
15
16
図表2 5月は全タイプで着工減も、基調としては増加を維持
分譲一戸建(建売住宅)の着工戸数の推移
持家(注文住宅)の着工戸数の推移
季調済年率換算、千戸
季調済年率換算、千戸
24
24
22
22
20
20
18
18
16
16
14
14
12
12
10
10
10年
11
12
13
14
15
10年
16
11
12
13
14
15
16
15
16
貸家の着工戸数の推移
分譲マンションの着工戸数の推移
季調済年率換算、千戸
季調済年率換算、千戸
45
50
45
40
40
35
30
35
30
25
20
25
15
10
5
20
15
0
10年
11
12
13
14
15
10年
16
11
12
13
14
注1:季節調整は浜銀総合研究所が実施。利用関係別の着工戸数をそれぞれに季節調整しているため、
1ページの着工戸数総計の季節調整値とは必ずしも変動が整合しない。
注2:太赤線は3か月後方移動平均値。
出所:国土交通省「住宅着工統計」
担当:調査部 産業調査室 森翔太郎
TEL 045−225−2375
E-mail: [email protected]
本レポートの目的は情報の提供であり、売買の勧誘ではありません。本レポートに記載されている情報は、浜銀総合研究所・調査部が
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