NEWS RELEASE

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2016年07月08日
【格付維持/方向性変更】
新日鐵住金
発行体格付: A+ [格付の方向性:安定的 → ネガティブ]
コマーシャルペーパー: a-1
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
今回の方向性変更は、中国の過剰能力問題が早期に解消される可能性は低くメタルスプレッド(鋼材
価格と原料価格の値差)が圧迫された状態が長引く懸念が強い、ブラジル事業を短期間で立て直すのは
容易ではない、財務リスクが将来高まる懸念がある、とのR&Iの見解による。製品構成や地域展開、コス
ト面などで競争優位にあり、収益力には一定の底堅さが認められることから、格付は維持した。
中国の過剰能力問題が世界の鉄鋼産業に深刻な影響を及ぼしている。同国では2020年までに1億-1.5
億tの能力を削減するほか、実質破綻企業の処分や雇用対策に向けた財源確保を決定するなど構造改革に
取り組む。しかし、経済成長率が低下する中、需要が力強く回復していく姿を思い描きにくい。約4億t
とも言われる過剰能力の削減が進み、需給改善が進むかどうかは不透明と言わざるを得ない。
建設工事の遅れや国内自動車販売の低迷などが響き、鉄鋼内需も2015年度以降、足踏み状態が続いて
いる。2016年度下期以降の回復が期待される状況だが、昨年、出遅れた要因の1つとなっていた人手不足
は今も解消されていない。自動車生産が想定以上に落ち込む懸念もある。また、英国のEU離脱が世界経
済に及ぼす影響についても、慎重に見守る必要がある。
新日鐵住金は粗鋼生産量で世界3位(2015年)。競争力のある製鉄所を多く擁し高付加価値製品に強み
を持つ。先進技術の開発でも業界を主導する。市況が比較的安定している日本国内での販売量が多いう
え、自動車鋼板やインフラ用鋼材のグローバル展開も進んでいる。2012年の経営統合を機に製造基盤と
コスト競争力を強化してきた。収益力は一時に比べ低下しているが、一定の底堅さが認められる。
一方、ブラジルの持分法適用会社Usiminas(議決権比率は29%強)は、クバトン製鉄所の高炉休止な
ど事業構造改革に取り組んでいるものの、同国経済及び鉄鋼需要の冷え込みが厳しく、業績改善には時
間がかかりそう。資金繰り面での不安はひとまず遠のいたが、協定株主Terniumとの信頼関係の修復に進
展はみられない。Usiminasの経営再建を進めていけるかが、最大の懸案事項の1つとなっている。
ブラジルの高炉一貫シームレス鋼管事業(VSB)も、需要減退の中で低稼働を余儀なくされている。
VSBは、合弁パートナーVallourecが同国に保有する鋼管工場と2016年中をメドに経営統合する計画で、
設備集約や間接部門統合によるコスト改善が今後期待できる。一方、Vallourecへの出資比率を15%に引
き上げ、2018年3月期から持分法適用とする予定。低迷が続く同社の業績動向から目が離せない。
資産圧縮等を通じて負債削減を進めてきたが、Usiminasの増資引き受けやVallourecへの出資拡大、日
新製鋼のTOB(株式公開買い付け)による子会社化、自己株取得などが重なり、2017年3月期末にかけて
有利子負債が増加する見通し。既存事業の収益がもう一段落ち込んだり、事業投資の成果が十分に上
がってこない場合、財務リスクの増大が避けられそうになく、格付の維持は難しくなってこよう。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
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【格付対象】
発行者:新日鐵住金(証券コード:5401)
名称
格付
格付の方向性
発行体格付
A+(維持)
安定的 → ネガティブ
名称
発行予定額
(億円)
発行予定期間
予備格付
発行登録(社債)
3,000
2014年07月11日~2016年07月10日
A+(維持)
名称
発行総額
(億円)
発行日
償還日
格付
第29回無担保社債
100
1997年03月17日
2017年03月17日
A+(維持)
第30回無担保社債
100
1997年09月11日
2017年09月11日
A+(維持)
第53回無担保社債
300
2007年11月30日
2017年09月20日
A+(維持)
第55回無担保社債
300
2008年01月25日
2017年12月20日
A+(維持)
第57回無担保社債
300
2008年05月23日
2018年03月20日
A+(維持)
第58回無担保社債
300
2008年09月02日
2018年06月20日
A+(維持)
第59回無担保社債
100
2008年09月02日
2028年06月20日
A+(維持)
第61回無担保社債
150
2008年12月02日
2018年09月20日
A+(維持)
第63回無担保社債
200
2009年06月09日
2019年06月20日
A+(維持)
第64回無担保社債
200
2010年04月20日
2020年03月19日
A+(維持)
第65回無担保社債
150
2010年08月31日
2020年06月19日
A+(維持)
第67回無担保社債
300
2011年05月24日
2021年03月19日
A+(維持)
第68回無担保社債
150
2011年10月20日
2021年09月17日
A+(維持)
第69回無担保社債
100
2012年07月20日
2019年06月20日
A+(維持)
第70回無担保社債
200
2012年07月20日
2022年06月20日
A+(維持)
名称
金額
(億円)
借入実行日
借入満期日
格付
劣後特約付ローン
3,000
2015年07月21日
2075年07月19日
A-(維持)
名称
発行限度額
(億円)
担保・保証
保証会社等
格付
コマーシャルペーパー
9,000
無担保
a-1(維持)
☆ 予備格付は、個別債務の最終的な条件が決定されていない段階で予備的な信用格付が必要となる場合
に、付与する評価です。個別債務の最終的な契約内容等によっては、予備格付とは異なる信用格付が
付されることがあります。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
鈴木 俊行
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
細田 弘
信用格付を付与した日
2016年07月05日
主要な格付方法
事業法人等の信用格付の基本的な考え方 [2015.05.01]
鉄鋼(高炉一貫) [2015.08.31]
ハイブリッド証券の資本性の評価と格付の視点 [2015.05.08]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
新日鐵住金
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 決算書類、開示情報
品質確保のための措置 公認会計士の監査済みである、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている決算書類であること。一般に開示された、またはそれに準
じた信頼性が確保されている情報であること。
情報提供者 格付関係者
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
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