樹状細胞を用いた 非常に効率的な 新規癌免疫治療法の開発 公立大学法人大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 獣医学専攻 准教授 杉浦喜久弥 1 樹状細胞とは、 • 血液細胞の一つで多数の長い突起を持つ • 抗原を提示してT細胞を活性化する能力が最も高い →癌(細胞)抗原を提示して癌免疫を開始できる • 骨髄中の前駆細胞、末梢血単球から分化する →生体外(試験管内)で分化誘導可能 前駆 細胞 単球 抗原提示 分化 樹状細胞 T細胞 活性化 2 生体内における癌細胞による免疫抑制 抑制 癌 抑制 T細胞 癌抗原 破壊 樹状細胞 単球 分化 抗原提示 3 生体外で誘導した樹状細胞による癌免疫療法 生体内 癌 抗原 抽出 RNA T細胞 腫瘍抗原 生体外 取込み 単球 分化誘導 破壊反応 活性化 樹状細胞 抗原提示 4 従来技術の問題点と新技術の特徴 複雑な樹状細胞の分化誘導過程 :複数のサイトカインを異なったタイミングで添加 簡便かつ効果的な樹状細胞の生体外誘導法 生体内における腫瘍免疫活性の低下 サイトカインの併用による樹状細胞の活性持続 5 従来技術の問題点と新技術の特徴 マウス、ラットを用いた基礎研究 ヒト臨床への適応へ向けた応用研究 イヌを用いた基礎から臨床応用までの研究 ヒトにも見られる 悪性腫瘍の発症 ヒト癌治療への高い応用性 6 複雑な樹状細胞の分化誘導過程 :複数のサイトカインを異なったタイミングで添加 分化 成熟 未成熟 樹状細胞 単球 GM-CSF, IL-4, IL-3 樹状細胞 LPS, IFNγ, TNFα, Flt-3, CD40L, IL-12 7 簡便かつ効果的な樹状細胞の生体外誘導法 活性化T細胞の産 生するサイトカイン 溶液(TCCM)によ る成熟樹状細胞 の誘導 T細胞 TCR TCCM 固相化抗CD3 抗体 CD 40L α-CD3 Med IFN-γ GM-CSF α-CD3 Med α-CD3 Med IL-4 α-CD3 Med Specific band 18S 8 Day 0 12 Day 0 単球 IFN-γ IL-18 Day 7 TCCM TNF-α 18S 未成熟樹状細胞 Day 12 免疫反応 活性化能 樹状細胞 特異的 マーカー 抗原取 込み能 (蛍光:MHC II) 9 生体内における腫瘍免疫活性の低下 樹状細胞 成熟 逆行 抑制 因子 活性 低下 樹状細胞 T細胞 腫瘍 10 サイトカインの併用による樹状細胞活性の持続 活性化 T細胞 腫瘍 サイトカインX 化 性 活 進 亢 成 熟・ 活性化 未成熟 樹状細胞 T細胞 樹状細胞 11 Before 樹状細胞 +サイトカインX After 80 days 皮脂腺上皮腫 12 Before 樹状細胞 +サイトカインX 乳癌 After 12 Days After 80 days 13 新技術の特徴 (まとめ) 簡便かつ効果的な樹状細胞の 生体外誘導法の確立 サイトカイン(X)の併用による樹状細胞 の生体内での活性持続に成功 イヌを用いた実験モデル :基礎から臨床応用までの研究が可能 14 想定される用途 ヒトの癌免疫治療 (特に転移・再発の防止) 想定される業界(ユーザー) 医薬、獣医薬 バイオ関連企業 15 実用化に向けた課題と今後の取り組み 局所サイトカイン濃度の維持 :溶液の形態では注射部位からの拡散 →くりかえし投与が必要、副作用が増大 遺伝子の形態で供給 :癌周囲組織へ導入することによる生体内 でのサイトカイン産生 16 活性化 T細胞 腫瘍 サイトカイン 遺伝子 サイトカイン 化 性 活 進 亢 成 熟・ 活性化 T細胞 未成熟 樹状細胞 樹状細胞 サイトカイン遺伝子はすでに作製済み 17 企業への期待 実用化に向けて 生体細胞への遺伝子導入のための 技術(試薬)・機器の供給 産学共同シーズイノベーション化事業など への共同申請 実用化後 製品化 18 本技術に関する知的財産権 名称 出願番号 出願人 発明人 イヌ科動物の樹状 特開 大阪府立大学 杉浦喜久弥 細胞の分化誘導法 2007-43912 他2名 哺乳類発現ベク ター及びそれを含 む組成物 特願 大阪府立大学 杉浦喜久弥 2007-25931 他3名 腫瘍治療用組成物 特願 およびその応用 2007148656 大阪府立大学 杉浦喜久弥 他2名 19 お問い合わせ先 公立大学法人 大阪府立大学 産学官連携機構リエゾンオフィス TEL FAX e-mail 072-254 - 9872 072-254 - 9874 [email protected] 20
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