レポート(ゼミ論文)作成・添削指導・講評

2011年度法情報学演習
第13回 レポート(ゼミ論文)作成・講評
2012年1月20日(金)
東北大学法学研究科 金谷吉成
<[email protected]>
2011年度法情報学演習
1
2012年1月20日
最終レポート(ゼミ論文)
 最終レポート(ゼミ論文)
– 各自が選択し報告したテーマをレポートにまとめる
 今年度のゼミは基本的に複数人による共同報告であるが、レ
ポートについては各人がそれぞれまとめて個別に提出すること
 報告の際、分担を決めて調査・分析をした場合などは、自己の担
当部分をまとめることでも、全体を通してまとめることでも構わな
い
– 各自が報告したテーマとは別に、ゼミ論文用にテーマを選
択し直してもよい
 形式
– ワープロソフトでA4印刷できるよう作成
– 電子メールにより電子的に提出
– レポート枚数および様式は問わない
 個別報告の内容をまとめるだけでも最低2~3ページにはなるの
ではないか
 提出期限:2012年2月3日(金)
2012年1月20日
2
2011年度法情報学演習
論文の構成
<例1> 章・節・款・項・目
<例2>
はじめに
1. 問題意識
2. 本稿の構成
第1章 ○○○○
第1節 ××××
1.
2.
第2節 ××××
はじめに
第4節 小括
第2章 ○○○○
4 ××××
Ⅱ ○○○○
終章
**総括と今後の課題
Ⅴ 総括と課題
2012年1月20日
Ⅰ ○○○○
1 ××××
(1)
(2)
2 ××××
3
2011年度法情報学演習
論文の構成を考える
 アウトラインの作成
– フリーライティング
論文を書き始める前に、トピックについて思いつくままに
何でも書き出してみる
「私はこう思う」「私が言いたいことは○○だ」というもの
を見つけ、そこから枝を伸ばして論点を書き出していく
さらに、各々の論点の根拠や具体例を挙げていく
– cf. マインドマップ
– 目次を作ったり、図を作ったりするのも効果的
 見出しを付ける
– 文章を書き始める前に付ける
– 文章を書き終わってから付ける
2012年1月20日
4
2011年度法情報学演習
表現する
 一文一義
– 一文はできるだけ短く
– 一つの文で一つのことをいう
 主語と述語を対応させる
– 悪い例:「法情報学演習では、情報に関する法律
問題について、個別報告を行う。」
主語と述語が対応していない
– 長い文章では気付かないこともある
 接続助詞「が」はなるべく使わない
– 悪い例:「法情報学演習ではさまざまなテーマを取
り扱ったが、どの問題も興味深かった。」
逆接なのか単純接続なのかわかりにくい
2012年1月20日
5
2011年度法情報学演習
注の付け方
頁毎
章毎
巻末
第2章 ○○○○
1. 総説
~~~~~~~~
~~~~1)、~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~2)。
~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~24)。
参考文献
1) ~~~~~~。
2) ~~~。
2012年1月20日
注
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
~~~~~~。
~~~~~~。
~~~~~~。
~~~~~~。
~~~~~~。
~~~~~~。
~~~~~~。
~~~~~~。
6
<第1章>
○○『××』(△、2007)
○○『××』(△、2007)
○○『××』(△、2007)
○○『××』(△、2007)
<第2章>
<第3章>
2011年度法情報学演習
著作物の「引用」について
 科学=先人たちの膨大な研究業績の積み重ね
– 自然科学
 ニュートンvs.アインシュタイン
– ニュートン力学から相対性理論へ
– 社会科学
 歴史的所産の蓄積を基礎としてはじめて、新たな知見を築くこ
とができる
 「引用」は、先人に対する敬意であるとともに、後進
への橋渡しでもある
– 出典を明示することで、読者が後でその情報にアクセ
スでき、より深い知識が得られる
– 引用の仕方や引用元の信頼性に誤りや問題がないか
なと、事実関係が調査できる
2012年1月20日
7
2011年度法情報学演習
著作物の「引用」
「引用」とは
– 著作権法32条1項「公表された著作物は、引用
して利用することができる。この場合において、
その引用は、公正な慣行に合致するものであ
り、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目
的上正当な範囲内で行なわれるものでなけれ
ばならない。 」
2012年1月20日
8
2011年度法情報学演習
適法な「引用」とは
公正な慣行に合致するものであり、かつ引
用の目的上正当な範囲内で行われるもの
であること(著32条1項)
カギ括弧を付けるなど、自分の著作物と引
用部分を区別すること(明瞭区別性)*
自分の著作物が主で、引用される他人の
著作物が従であること(主従の関係)*
出所(出典)を明示すること(著48条)
*最判昭和55年3月28日民集34巻3号244頁。
2012年1月20日
9
2011年度法情報学演習
法律文献等の出典の表示方法
法律編集者懇話会
「法律文献等の出典の表示方法」
http://www.law.kobe-u.ac.jp/citation/mokuji.htm
2012年1月20日
10
2011年度法情報学演習
2011年度法情報学演習で扱ったテーマ
 泉・弓野・菅原「ファイル共有ソフト:これまでとこれ
から」
 青木・伊藤(凌)・鈴木「インターネットと国際訴訟」
 伊藤(芳)・東江・幕田「プロバイダ責任法」
 吉田・中村・小野寺「インターネットと著作権侵害」
 稲葉・上関・加藤「インターネット上の名誉棄損と表
現の自由」
 浦住・山本(友)・谷澤「電子メールの法律問題」
 櫻田・米坂・渡辺「インターネットとわいせつ」
 山本(健)・叶「刑法平成23年6月24日改正いわゆる
コンピュータ・ウイルスに関する罪(ウイルス作成
罪)」
2012年1月20日
11
2011年度法情報学演習
情報に関する法律問題
情報のデジタル化、ネットワーク化
– 情報の価値の高まり
劣化しない
大量のデータを処理することが可能
新たな付加価値が生ずることもある
容易に伝達することができる
– 地球規模のコミュニケーション
新たな法律問題
2012年1月20日
12
2011年度法情報学演習
法律や制度はどうあるべきか
情報化が適切に進展するための制度整備
– 標準化、技術開発
– 既存の法律がデジタル化やネットワーク化の
障害になっているような場合は、法律の本来
の目的を損なわないようなかたちで障害を取り
除く
規制緩和
新たに発生する問題に対するルール整備
– 現行法によるルールが有効かどうか
– 新たな法律・制度をどのように整備すべきか
2012年1月20日
13
2011年度法情報学演習
今後の課題
今後も新しい問題が生ずる
– いまはまだ法律や制度が十分に対応しきれて
おらず、判例等の蓄積も多くない
– 個々の具体的な事例等について、その都度考
えていく必要がある
法律の知識だけでなく、さまざまな分野の知識が必
要となる
広い視野を持って問題と向き合ってもらいたい
2012年1月20日
14
2011年度法情報学演習
おしまい
この資料は、2011年度法情報学演習の
ページからダウンロードすることができます。
http://www.law.tohoku.ac.jp/~kanaya/infosemi2011/
授業アンケートのお願い
– この場での記入をお願いします。
– 提出したら退席して構いません。
– レポート作成についての質問等があれば、引
き続き受け付けます。
2012年1月20日
15
2011年度法情報学演習