8.Intersecting Families B4 鈴木洋介 Intersectingな集合族 集合の集合(集合族)がある どの2つの集合をとっても共通要素がある Intersectingな集合族 集合の集合(集合族)がある どの2つの集合をとっても共通要素がある 8.1 Erdos-Ko-Radoの定理 図のような族において、Fは最大でいくつの集合を持つ か? n≧2k とする F k要素の集合 k要素の集合 1 2 3 ・・・ n ・・・ 共通要素を1つだけ固定してみる ( n-1 k-1 )個の集合を持つ Erdos-Ko-Radoの定理 Th 8.1 上記の条件ではFの持てる最大集合数は ( n-1 ) k-1 Erdos-Ko-Radoの定理 X:={0,1,…n-1} Bs:={s,s+1,…s+k-1} s∈X B0∈F Claim 8.2. Bsは最大でもk個しかFに含まれない。 -1 0 1 2 -2 -(k-2) K-2 -(k-1) K-1 Erdos-Ko-Radoの定理 f:n個の置換関数 L:f(Bs)={f(s),f(s+1),…,f(s+k-1)}∈Fとなるような(f,s)の組の 数 1.あるfに対してFは最大でk個のf(Bs)を含むのでL≦kn! 2.あるsとF∈Fに対してfはk!(n-k)!個とれるので L=|F|nk!(n-k)! 1.と2.より|F|≦kn!/nk!(n-k)!=k( nk )/n=( n-1 ) k-1 8.2. ウルトラフィルター X={1,2,3,4}のウルトラフィルターの例: F={{2},{1,2},{2,3},{2,4},{1,2,3},{1,2,4},{2,3,4},{1,2,3,4}} どの集合のスーパーセットもFに含まれている Xの集合Aに対してA∈F or A∈F Φ X {1} {2,3,4} 1 {2} {1, 3,4} 4 {3} {1,2, 4} 2 {4} {1,2,3} {1,2} {3,4} {1,3} {2,4} 3 {1,4} {2,3} Preposition 8.3. 全てのintersectingな集合族は集合を追加することでウ ルトラフィルターに拡張することができる。 Intersecting状態を崩さないような集合を追加してから、 それらの集合全てのスーパーセットを追加する。 任意のサブセットA、A∈Fと仮定すると、最初からある、 あるサブセットBに対してA∩B=Φ A∈B∈Fとなり矛盾する 8.3 Maximal Intersecting 集合族FがMaximal Intersectingとは FがIntersecting これ以上サブセットを追加できない Maximal intersecting k-uniformな例(k=3、n=7) A B C 0 O O O 1 O 2 O 3 O 4 O D E O O O F G O O O O 5 O 6 O O O O O O Maximal intersecting k-uniformな例(k=3、n=k 2-k+1=7) どの2つの集合も1要素のみ共有 どの集合も要素数k どの要素もk個の集合に属する 0 1 これ以上要素を追加すると 2 Intersectingにならない 3 4 A B C D E O O F G O O O O O O O O O O O O 5 O 6 O O O O O O Theorem 8.4. Fを「n個の要素からk個とった集合」の集合族とする。 n≦k/2logkのときFのサブセット数はk以上。 F k要素の集合 k要素の集合 1 2 3 ・・・ n ・・・ Theorem 8.4. E:F∈F,E∩F=Φとなるk要素の集合 (F,E)の組の数Nを数える n Eには少なくともFの集合は入らないのでN≧( k)-|F| n-k Fは最大で( n-k )個のEが入らないのでN≦|F|( ) k k (1.12)より|F|≧k 2 Theorem 8.5. n n-m m個のintresectingな集合族の和集合は最大でも2 -2 個の集合を含む。 数学的帰納法で証明する。 m=1は明らか。 A∈A、B⊇(⊆)A ⇒ B∈A のときAを単調増加(単調 減少)という Aが単調減少、Bが単調増加のとき -n |A∩B|≦2 |A||B|が成立(Kleitmanの定理) Theorem 8.5. F:=F1~Fmの和集合 Fiはmaximal intersecting n-1 |Fm|=2 n-1 A:=Fm⇒|A|=2 単調減少 B:=F1~Fm-1の和集合⇒単調増加 n n-m+1 帰納法の仮定より|B|≦2 -2 n n-1 n n-m+1 n-1 n-m |A∩B|≦2 2 (2 -2 )=2 -2 n-1 n-m |B∩Fm|=|B|-|A∩B|≧|B|-2 +2 n n-m |F|=|B|+|Fm|-|B∩Fm|≦2 -2 8.4 Helly型定理 Theorem 8.6. F:集合族 k:Fの集合の中で大きさが最小のものの大きさ Fからどのk+1個の集合をとってもintersectする(共通点 を持つ) ⇒全ての集合が共通点を持つ 8.4 Helly型定理 Theorem 8.6. Fの全ての集合が全体で共通部分を持たないとする A={x1,x2,…xk}∈Fを1つとる 任意のi=1,2,…kに対してxi∈BiなるBi∈Fを1つとれる ⇒A∩B1∩・・・∩Bk=Φとなり矛盾 8.5 Intersectingな系 Fがintersectingな系であるとは: 任意のF、F’∈Fに対してあるF∈Fが存在し、 全てのF’∈F’に対してF ∩F’=Φ FはF’に対してresponsibleという Fは( n-1 k-1 ) 個以上の集合族を持つ Proposition 8.7. n-1 k-1) Fがintersectingな系なら|F|≦k( F∈F 最小の族 とする 他の全ての族は Fの集合と共有部分を持つ n-1 |∪F|≦|F|k( k-1) n-1 |F|≦|F|k( k-1)/|F| Fのカーネル:Fの集合全ての共通部分 Proposition 8.8. Fはn≧k の要素を持つ集合上にあるintersectingな系 少なくとも1つの集合F1でKer(F1)= Φ n-1 ⇒|F|<( k-1 ) Proposition 8.8. Theorem 8.6よりF1~Fr∈F1 (r≦k+1)は全体で共通集 合を持たない。 H:=F1~Frの和集合 あらゆるF2≠F1に対してF1にresponsibleなF∈F2があり、 Hと少なくとも2点で交わる F-{F1}の全ての族はF1にresponsibleなので n-1 |F|<(k-1 ) Proposition 8.9. Minimal interestingな系: 過剰な集合がない 任意のF ∈F ∈Fに対してF ‘∈F が存在して FのみがF の中でF ‘に対してresponsible F:minimal intersectingな系 全てのF∈FでKer(F)≠Φ 4 3 Fが1<|F|≦n/k、n≧2kなるFを含む n-1 ⇒|F|<( k-1 ) Proposition 8.9. すべてのF∈Fに対してF∩F’=ΦとなるF’∈F-{F}とF’∈Fが 存在 F(F): Fがresponsibleな族を全て含むサブ系 F(F)のどの族もF’にresponsibleな集合を含み、その集 合はF’と同じだけFと共通部分を持つ FとF’と共通部分を持つXのk要素サブセットの数はF(F) によって上限が決まる n-2 |F(F) |≦k2 ( k-2 ) |F|<( n-1 ) k-1 Proposition 8.10. k:1以上の整数 F:intersectingな系 F1:Fの族 Ker(F1)={x} n-1 ⇒|F|<(1+ε)( k-1 ) n→∞のときあるε→0に対して Proposition 8.10. F1(の全ての集合)からxを取り除く Theorem 8.6.より、その族のl≦k個の集合の共通部分は Φ よってF1の集合F1~Flは共通部分{x}を持つ H:=F1~Flの和集合 |H|≦k2 Fのどの族Fもxを含まないので、必ずHの少なくとも2要 素を共有する集合を持つ。 n-1 k2 n-2 n-1 |F|≦( k-1 )+( 2 )( k-2 )≦(1+ε)( k-1 )
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