肺炎予防について必要な知識

肺炎
本日の予定
1. 肺炎患者さんでまず把握すべきこと
2. 肺炎の症状マネジメント
3. 肺炎予防について必要な知識
1. 把握すべきこと
1.把握すべきこと
① 治療の目標 入院期間
② 嚥下機能について
食事・飲水・薬について内服するか
①治療の目標 入院期間
目標は自宅退院or転院?
最初にゴール(入院中の目標)を医師に確認
入院期間=抗菌薬投与期間+α
抗菌薬投与は多くの場合解熱後3日間~5日
その後再燃しないか2-3日経過観察
②嚥下機能
問題のある患者には早期から集学的な介入
リハビリ
NST
退院支援の藤田さん,大島師長
看護師はどんなことをしたらいいんでしょう?
嚥下機能における問題
インシデント (>_<)
① 評価不足
② 摂食条件が守られていない
③ リスク管理やモニタリングが守られていない
アクシデント (+o+)
① 適切な嚥下評価・リハビリをせずに誤嚥・窒息
を起こしてしまった
② 摂食・嚥下障害が明らかな人に普通に食べ物
を食べさせた
評価すべきこと
• スクリーニングシートの紹介
• 評価法の紹介
• 観察内容の紹介
食事に関する技術
• とろみについて
• ゼリーなどの食べさせ方(スライス法)
• 90度座位で,30度仰臥位で食べさせる
• 顎を引く大切さ
お勧めする書籍
2.症状マネジメント
肺炎の症状
I.
II.
III.
IV.
咳
痰
発熱
呼吸苦
寝ている患者に聴診器をあてて回診していては、
患者さんの状態を把握することはできない
(-_-;) 「医者が診るのは熱とCRP、看護師が接
するのは咳と痰」
I.
咳の鎮め方
1. 鎮咳薬
 普通の咳止め:メジコン
 強力な咳止め:リン酸コデイン
副作用:どちらも おなかの動きが止まる
胃が止まる:ムカムカ
腸が止まる:便秘
I.
咳の鎮め方
1. 鎮咳薬
2. 気管支拡張薬
 ネブライザー:ベネトリン
 貼り薬:ホクナリンテープ
副作用:どちらも 動悸 手の震え
全員に使用するわけではなく,ヒュ―ヒュー(喘鳴)、
ケンケンしている人に使う
Ⅱ.痰の鎮め方
1. 去痰薬
 飲み薬:「ムコムコ」と呼ばれる
ムコダイン
ムコソルバン
 ネブライザー:ビソルボン
作用:
粘りのもととなるムチンを減らす
水っぽい分泌物を増やす
(>_<)
痰がなくなったのに続けていると「水っぽい
痰が続いてしまう」
肺炎予防について必要な知識
ここでクイズです
① 日本で年間何人の人が亡くなるのでしょう?
① 80万人
② 100万人
③ 120万人
② このうち何人が肺炎で亡くなるのでしょう?
肺炎球菌の占める割合
約8割の肺炎球菌性肺炎をカバー
肺炎球菌ワクチンについて
• まず打つべき人だけど・・・
– 基本入院してきた人全員
• (>_<) 医療保険が効かない
「1回 6000円~8000円くらいで近くの医療機関
でやってますよ」(自治は混合診療禁止なのでやっ
てない)
• いつ頃打てばいいですか?も良くある質問
十分体調がよくなってからで構いません
実は肺炎球菌ワクチンは2種類ある
• 23価ワクチン:ニューモバックスNP®
テレビでやってるやつ
23種類の肺炎球菌膜タンパクに対応
• 13価ワクチン:プレベナー13®
2014年に65歳以上へ適応拡大
23価より予防効果が高いといわれている
肺炎球菌ワクチンのエビデンス