第 2 会場 -薬剤部門- 7. 持参薬管理の再調整 座長 松井病院 志田 貴彦 演者 一橋病院 石川 貴之 【目的(はじめに)】 持参薬の鑑定は数年前から行っているが、退院時薬剤情報管理指導料の算定用件にも入り、持参薬の管理 は年々必要度を増している。その中で、現在の管理の問題点を抽出し、より安全性の高い管理方法を確立する ため、持参薬管理の再検討を行った。 【方法(内容)】 ①鑑定と分包にかなりの時間が取られていることから、新規に持参薬鑑定書と薬袋を作成した。また、入院主治 医の外来処方のみの患者は鑑定を省略することとした。 ②鑑定書に記載する当院採用薬への切り替えや、退院時のお薬手帳への記載に個人差があることから、同効 薬リストを作成し、切り替え薬の統一を図った。また、お薬手帳への記載マニュアルを作成した。 ③病棟との連携が不十分であったため、①で作成した鑑定書を看護部の所属長会議で提示し、さらに看護師向 けに持参薬についての勉強会を実施した。 【結果(結論)】 ①今までは鑑定書から処方箋に転記し管理していたが、鑑定書を複写式とすることで、その転記ミスを防げ、転 記分の時間を短縮することができた。また新たに、情報源や残薬状況の項目を増やした事で、薬剤管理指導 がしやすくなった。 ②当院採用薬への切り替えの個人差が無くなり、切り替え間違いのリスクも軽減することが出来た。また、お薬手 帳への記載事項に関しても薬剤師間で統一することができた。 ③鑑定書を複写式としたため、薬局用・看護部用・カルテ用が一緒に動き、看護部で伝票が止まることがなくなっ た。また、看護師の持参薬管理に対する理解が深まり、積極的に持参薬に対応してくれるようになった。 【考察】 今回新しく鑑定書や同効薬リストを作成したり、病棟との連携をとった事により、業務の効率化のみならず、持 参薬管理の安全性についても向上させる事が出来た。 入院時に持参薬の管理を始めることで、退院時薬剤情報管理指導料の算定用件を満たし、さらに、入院期間 内のほとんど全ての処方を薬局で管理できるため持参薬管理は安全性の観点からも重要であると思われる。
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