通信路(7章) 1 通信路のモデル 情報 送信者 ìïï a1 , L A= í ïîï P( a1 ) , L 通信路 ü ïï ý , P( an )ïþ ï , an 受信者 ìïï b1 , L B= í ïîï P( b1 ) , L ü ïï ý , P( bm )ïþ ï , bm 外乱(雑音) 送信情報源 (送信アルファベットと 生成確率) 受信情報源 (受信アルファベッと 受信確率) m ¹ n でもよい。 2 イメージ 外乱(雑音)により 記号 ai を送信したら、 記号 b j が受信される。 記号の種類や数は異なっていて もかまわない。 ai ai を送信する。 bj 通信路 外乱(雑音) bj を受信する。 3 通信路は、送信記号 ai を送った 時、受信記号 b j が受信される確 率 P( ai ® b j ) でモデル化される。す べての組み合わせの確率で一つの 通信路が定義される。 P( a1 ) a1 P( a2 ) a2 M M P( an ) an bj ai P (ai ® b j ) b1 b2 P( b1 ) P( b2 ) M M bm P( bm ) = P (b j | ai ) 条件付き確率 ある生成確率で、 送信記号が送信される。 (順序に注意) ある受信確率で、 受信記号が受信される。 4 通信路線図 " i,1 £ i £ n, m å p( ai ® b j ) = 1 雑音により、記号が変化する。 j= 1 a1 A P( a1 ® b1 ) b1 a2 b2 a3 b3 P( a2 ® b3 ) B P( a1 ® bm ) bm- 1 an 送信アルファベット ( n 個の送信記号 の集合) P( an ® bm ) bm 受信アルファベット ( m 個の受信記号 の集合) 5 通信路行列 送 信 ア ル フ ァ ベ ッ ト b1 L bj L bm é t11 L L t1m ù ê ú êM Mú ê ú ê® ú ® t ij ê ú êM ú M ê ú êt ú L L t êë n1 nm ú û éP( a1 ® b1 ) L P( a1 ® b j ) L ê ê M O M ê = êêP( ai ® b1 ) L P( ai ® b j ) L ê M M ê êP( a ® b ) L P( a ® b ) L 1 n j êë n a1 M T= a i M an 受信アルファベット " i,1 £ i £ n, m å tij = 1 j= 1 行で和をとると1。 (確率ベクトル) P( a1 ® bm )ù ú M ú ú P( ai ® bm )úú M úú P( an ® bm )úúû 6 通信路行列(条件付き確率) éP (b | a ) ê 1 1 ê ê M ê T = êP (b1 | ai ) ê ê M ê ê êP (b1 | an ) ë å L O L P (b j | a1 ) L M P (b j | ai ) L M L O P (b j | an ) L P (bm | a1 )ù ú ú M ú ú P (bm | ai )ú ú M ú ú ú P (bm | an )ú û P (b | a = a ) = 1 正方行列 とは限らな い。 (行数と列 数が違っ ていても 良い。) b 条件付き確率の性質。 ある条件を固定したとき、確率の総和は1. 7 通信路行列の意味 1 £ i £ n,1 £ j £ m tij = P( b j | ai ) = P( ai ® b j ) 通信路行 列の要素 ai を送くる条件の下で、 b j が受信される確率 ai を送信したら、 b j が受信される確率 通信路行列の関係式 ìï " i, j,1 £ i £ n,1 £ j £ m 0 £ tij £ 1 ïï ïí m ïï " i,1 £ i £ n tij = 1 å ïïî j= 1 確率の式。 (行ベクトルが 確率ベクトル) 8 通信路例1(2元対称通信路) 1- p p 0 p:誤り 確率 0 p A = {0 ,1} 1 B = {0 ,1} 1- p é1- p p ù ú TS = ê êë p 1- p ú û 1 応用上重要。 誤り確率により、対 称的に送信記号が 変化する。 9 具体的な2元対称通信路 誤り 確率p = 0.2 0 A = {0 ,1} 1 0.8 0.2 0.2 0 B = {0 ,1} 1 0.8 é0.8 0.2ù ú TS = ê êë0.2 0.8ú û 通信路行列は、 対称行列になる。 10 通信路例2(2元対称消失通信路) 1- px - pe 0 A = {0 ,1} 1 px pe pe px px px X Xは消失を意 味する記号。 1 1- px - pe é1- px - pe TX = ê êpe ë 0 pe :誤り 確率 px :消失確率 B = {0 , X ,1} ù ú 1- px - pe ú û pe 応用上重要。 送信記号の 消失と誤りの 両方が起こる。 11 具体的な2元対称消失通信路 誤り 確率pe = 0.1 0 A = {0 ,1} 1 消失確率px = 0.3 0.6 0 0.3 0.1 B = {0 , X ,1} X 0.1 0.3 0.6 é0.6 0.3 0.1ù ú TX = ê êë0.1 0.3 0.6ú û 1 (数学的な対称行 列ではないが) ある種の対称性が 存在する。 12 練習 次の通信路線図で表されている通信路の、 通信路行列を求めよ。 (1) 1- px 0 px qx 1 0 (2) a b X c 1- p p p 1- p p p 1- q x 1 d a b c d 1- p 1- p 13 練習2 次の通信路行列で表されている通信路の通信路 線図を示せ。 (1) 送信情報源 A = {a,b,c} 受信情報源 B = {a ,b ,c } (2) 送信情報源 受信情報源 é1ê ê T2 = ê ê ê ê ë é0.7 0.2 0.1ù ê ú T1 = ê0.2 0.6 0.2ú ê ú ê0.1 0.2 0.7ú ë û A = {a,b,c,d } B = {a ,b ,c ,d } p- q p 0 p 1- p - q q 0 p 1- p - q q 0 p ù ú ú ú ú ú 1- p - q ú û q 0 q 14 通信路での確率の関係1 (全確率の公式) 通信路を通して受信される " j,1 £ j £ m, 記号の受信確率は、送信記 号の生成確率と通信路の確 率的振る舞いで定まる。 n P( b j ) = å P( b j | ai )P( ai ) i= 1 n = å P( ai )P( ai ® b j ) i= 1 n = å pi tij i= 1 15 証明 A a1 P( a1 ) 1 B P( a1 ® bi ) b1 a2 ai P( ai ® bi ) P( ai ) P( ai ) an P( an ® bi ) bj P( b j ) bm bi が受信される全ての可能性(径路) 図より、成立する。 を考えて総和をとる。 QED 16 別証明 結合確率と条件付き確率の関係式。 (1) P( ai ,b j ) = P( b j | ai )P( ai ) 結合確率:事象 ai が起こりかつ 事象 b j が起こる確率。 2つの事象が同時に起こる確率。 条件付き確率:事象 ai が起こったとしたときに事 象 b j が起こる確率。 結合確率による確率の計算 (2) P( b j ) = å P( ai ,b j ) i 結合確率を片方の事象系において総和をとる。 (1)、(2)より成り立つ。 QED 17 通信路での確率の関係2(ベーズの定理) ベーズの定理 " i, j,1 £ i £ n,1 £ j £ m, P( b j | ai )P( ai ) P( ai | b j ) = n å P( b j | ak )P( ak ) k= 1 条件付き確 率の条件と 発生事象を 交換する公 式。(一般の 確率論で成 立する。) 通信路を通して記号 b j が受信されたとき、 送信側で記号 ai を送っている確率が計算で きることを表す式。通信路の性質と送信アルファ ベットの発生確率は既知であることに注意する。 18 証明 結合確率の式 P( ai ,b j ) = P( b j | ai )P( ai ) = P( ai | b j )P( b j ) \ P( ai | b j ) = P( ai ,b j ) P( b j ) = P( b j | ai )P( ai ) P( b j ) 全確率の式を適用する。 \ P( ai | b j ) = P( ai ,b j ) n å k= 1 P( b j | ak )P( ak ) = P( b j | ai )P( ai ) n å k= 1 P( b j | ak )P( ak ) QED 19 通信路行列と確率 送信情報源の生成記号確率分布 PA = ( P( a1 ),L ,P( an )) と 受信情報源の受信記号確率分布 PB = ( P( b1 ),L ,P( bm )) の関係 は、通信路行 T を用いて次式で表される。 PB = PAT ét11 L ê ( P( b1 ),L ,P( bm )) = ( P( a1 ),L ,P( an )) ê M O ê êt L ë n1 t1m ù ú Mú ú tnm ú û 情報理論では、行ベクトル(横ベクトル)が確率ベク トルになるように扱うことが多い。 20 別表現 転地を行うと、左右が反転す ることに注意 t t t PB = T PA éP( b1 ) ù ê ú ê M ú= ê ú êP( b )ú ë m û ét11 L ê êM O ê êt ë1m L tn1 ùéP( a1 ) ù úê ú Múê M ú úê ú ú tnm úê P( a ) ûë n û 線形代数等では、列ベクトルを多く扱う。 これらを混同せずに扱う必要がある。 21 通信路で送信される情報量 (相互情報量) , L ïì a A = ïí 1 ïîï P( a1 ) , L ìïï b1 , L B= í ïîï P( b1 ) , L ïü ïý , P( an )ïþ ï , an ü ïï ý , P( bm )ïþ ï , bm T 通信路 H( A ) 通信路を通さずに直に 情報源Aに関する情報 を得られる場合。 H( A| B ) 通信路を通して、間接 的に情報源Aに関する 情報を得る場合。 22 通信路で伝送 される情報量 = 送信情報源の 情報量 I( A; B ) H( A ) - 受信情報を条件と する送信情報源 の情報量 H( A| B ) 伝送される情報量は、 相互情報量として求め られる。 23 様々なエントロピー(復習) H (B ) エントロピー H (A ) H (B | A ) 条件付 きエン トロ ピー H (A | B ) 条件付 きエン トロ ピー 結合エントロピー H (A , B ) 相互情報量 I (A ; B ) 24 H (A ) = - å P (a ) logP (a ) å P ( b )H (A | b ) H (B ) = - H (B | A ) = bÎ B = - å bÎ B = - å P ( b ) logP ( b ) bÎ B aÎ A H (A | B ) = å å P (a )H (B | a ) aÎ A P ( b )å P ( a | b ) log P ( a | b ) = - aÎ A å aÎ A P (a , b ) log P ( a | b ) = - a Î A ,b Î B å P (a )å P ( b | a ) log P ( b | a ) bÎ B P (a , b ) log P ( b | a ) a Î A ,b Î B H (A , B ) = - å P (a , b ) logP ( a , b ) a Î A ,b Î B = H (A ) + H (B ) - I (A ; B ) I (A ; B ) = H (A ) - H (A | B ) = H (B ) - H (B | A ) = H (A ) + H (B ) - H ( A , B ) 25 相互情報量の様々な計算式(公式) I (A ; B ) = H (A ) - H (A | B ) = - å aÎ A = - æ P (a ) log P ( a ) - ççççè å å ö ÷ åb Î B åa Î A P (a , b ) log P (a | b )ø÷÷÷ P (a , b ) log P (a ) + aÎ A bÎ B å å P (a , b ) log P ( a | b ) aÎ A bÎ B P (a | b ) = å å P (a , b ) log P (a ) aÎ A bÎ B P (a , b ) = å å P (a , b ) log P (a )P ( b ) aÎ A bÎ B P (a , b ) = å P (a , b ) log P (a )P ( b ) a Î A ,b Î B 26 例1 é3 / 4 1 / 4 ù 通信路行列 T = êê1 / 4 3 / 4ú の通信路で ú ë û ìïï 0 , 1 ü ïï 情報源 A = íï 1 / 2 , 1 / 2ý を伝送するとき、 ï ï îï þ ìï 0 ïï , 1 ü ï 受信される情報源 B = í ý および、 ïï P( 0 ) , P( 1 )ïï î þ 伝送される情報量(相互情報量) I( A; B ) P( 0 ) = 1 / 2 0 P( 1 ) = 1 / 2 1 3/ 4 1/ 4 1/ 4 3/ 4 を求めよ。 0 1 2元対称 通信路 27 (計算例) まず、受信記号 B = {0 , 1}の生成確率 P( 0 ),P( 1 ) を求める。 PB = PAT \ ( P( 0 ),P( 1 )) = ( P( 0 ),P( 1 ))T é3 / 4 1 / 4 ù ú= ( 1 / 2,1 / 2 ) \ ( P( 0 ),P( 1 )) = ( 1 / 2,1 / 2 ) ê êë1 / 4 3 / 4ú û 次に、結合確率を求める。 3 P( 0, 0 ) = P( 0 | 0 )P( 0 ) = ´ 4 1 P( 0, 1 ) = P( 1 | 0 )P( 0 ) = ´ 4 1 3 = 2 8 1 1 = 2 8 1 1 1 P( 1, 0 ) = P( 0 | 1 )P( 1 ) = ´ = 4 2 8 3 1 3 P( 1, 1 ) = P( 1 | 1 )P( 1 ) = ´ = 4 2 8 0を送信 1を送信 28 以上より、相互情報量を求める。 P( a , b ) I( A; B ) = å P( a , b )log P( a )P( b ) a Î A,bÎ B P( 0, 0 ) P( 0, 1 ) = P( 0, 0 )log + P( 0, 1 )log + P( 0 )P( 0 ) P( 0 )P( 1 ) P( 1, 0 ) P( 1, 1 ) P( 1, 0 )log + P( 1, 1 )log P( 1 )P( 0 ) P( 1 )P( 1 ) 3 3 1 1 1 1 3 3 = log + log + log + log 8 2 8 2 8 2 8 2 3 = log 3 - 1 ; 0.189 [bit / 記号 ] 4 29 練習 é3 / 4 1 / 4 ù 通信路行列 T = êê1 / 4 3 / 4ú の通信路で ú ë û ìïï 0 , 1 ü ïï 情報源 A = í ý を伝送するとき、 ïîï 1 / 3 , 2 / 3ïþ ï ìï 0 ïï , 1 ü ï 受信される情報源 B = í ý および、 ïï P( 0 ) , P( 1 )ïï î þ 伝送される情報量(相互情報量) I( A; B ) P( 0 ) = 1 / 3 0 P( 1 ) = 2 / 3 1 3/ 4 1/ 4 1/ 4 3/ 4 を求めよ。 0 1 2元対称 通信路 30 通信路容量(重要) (定義):通信路容量 通信路 T に対して、次式で表される 値を通信路容量という。 C = max I( A; B ) A ここで, max は送信情報源の確率的 な組み合わせ全ての中で最大値を選 ぶ。 相互情報量は、情 報源Aと情報源B の組み合わせで定 まる。 また、受信情報源 Bは送信情報源A と通信路Tで定まる。 一番多く情報を伝 達できるよう送信 側の確率を定めて 送信する。 通信路の”太さ”を表す式。情報を伝送してみて 最大の情報量で定義する。 31 イメージ 情報 通信路 物理的でないので、直接”太 さ”を測ることができない。 水 水路 伝送されるもので、間接的に に”太さ”は測ることができる。 32 例 é3 / 4 1 / 4 ù ú の通信路の通信路容量 通信路行列 T = êê ë1 / 4 3 / 4ú û 求めよ。(誤り確率 p = 1/ 4 を の2元対称通信路) (解答例) ìïï 0 送信情報源を A = í ïîï pA , 1 ü ïï ý とし、 , 1- pA ïþ ï ìï 0 ïí B = 受信情報源を ïîï pB ïï , 1 ü ý とする。 , 1- pB ïþ ï また、 CT PA = ( pA ,1- pA ), PB = ( pB ,1- pB ) 誤り確率と 記号発生 確率、 記号受信 確率を混 同しないこ と。 とする。 33 まず、受信記号の生起確率を求める。 PB = PAT é3 / 4 1 / 4 ù ú \ ( pB ,1- pB ) = ( p A ,1- p A ) ê êë1 / 4 3 / 4ú û 1 pA 3 pA \ ( pB ,1- pB ) = ( + , ) 4 2 4 2 1 pA 1+ 2 pA \ pB = + = 0を送信という条件で、 4 2 4 次に、結合確率を求める。 0 を受信する確率 0 を送信して、しかも 0 が受信される確率 3 P( 0, 0 ) = P( 0 | 0 )P( 0 ) = p A 4 1 P( 0, 1 ) = P( 1 | 0 )P( 0 ) = p A 4 0を送信す る確率 34 1 P( 1, 0 ) = P( 0 | 1 )P( 1 ) = ( 1- p A ) 4 3 P( 1, 1 ) = P( 1 | 0 )P( 1 ) = ( 1- p A ) 4 1を送信 条件付きエントロピー H( B | A ) を求める。 H( B | A ) = - å P( a , b )log P( b | a ) a Î A,bÎ B 3 4 1 1 3 4 = p A log + p A log 4 + ( 1- p A )log 4 + ( 1- p A )log 4 3 4 4 4 3 1 3 4 = log 4 + log 通信路の誤り確率だけで定まる。 4 4 3 H ( p ) は2元のエントロピー関数 1 =H ( ) 4 H ( p ) = - p log p - ( 1- p )log( 1- p ) = H ( p) 35 従って、相互情報量 I( A; B ) は次式で求められる。 I( A; B ) = H( B ) - H( B | A ) = H ( pB ) - H ( p ) 1 1 1 = H ( + pA ) - H ( ) 4 2 4 よって、通信路容量 CT = max I( A; B ) CT は以下のように求められる。 ここで、最大値は A ìï 1 pA = max í H ( + p A Î [ 0 ,1 ] ï 4 2 îï ìï 1 pA = max í H ( + p A Î [ 0 ,1 ] ï 4 2 îï 1 ü ï ) - H ( )ý 4 ïþ ï ü 1 ï )ý - H ( ) ïþ 4 ï 1 3 4 = 1- ( log 4 + log ) ; 0.189 4 4 3 1 pA 1 + = 4 2 2 1 \ pA = 2 のときに実現される。また、こ のときの pB は以下である。 1 pA 1 pB = + = 4 2 2 36 練習 é2 / 3 1 / 3 ù ú の通信路の通信路容量 通信路行列 T = êê ë1 / 3 2 / 3ú û CT を 求めよ。 37 2元対称通信路の通信路容量 2元対称通信路の通信路容量 誤り確率 p の2元対称通信路の通信路容量 は次式で求められる。 C C = 1- H ( p ) 通信路容量が達成されるとき、送信、受信の各確率は 以下で表される。 対称性より、送信を 均等に行うと、受信 PA = ( P( 0 ),P( 1 )) = (1 / 2,1 / 2) も均等になる。 (式で計算して確か PB = ( P( 0 ),P( 1 )) = (1 / 2,1 / 2) めると良い。) 38 証明 通信路行列は、次式のようになる。 é1- p p ù ú Tp = ê êë p 1- pú û 例題と同様にして以下のように求められる。 é1- p p ù ú ( pB ,1- pB ) = ( p A ,1- p A ) ê êë p 1- púû \ pB = p A + p - 2 p A p Q ( pA = 1 / 2 CT = max I( A; B ) ® pB = 1 / 2 = max {H ( pB ) - H ( p )} ® H ( pB ) = 1 ) A p A Î [ 0 ,1 ] = max {H ( pB )}- H ( p ) p A Î [ 0 ,1 ] = 1- H ( p ) QED 39 2元対称通信路の通信路容量(概形) 40 2元対称消失通信路の通信路容量 送信情報源 0 A = {0 ,1} 1- px - pe px pe 0 X 1 pe 受信情報源 px B = {0 , X ,1} 1- px - pe px :消失確率 pe :誤り 確率 1 é1- px - pe TX = ê êpe ë CTX px px ù ú 1- px - pe ú û pe pe (1 px ) 1 H 1 px 誤り確率と 消失確率の 関数。 (導出は省 略。) 41 2元対称消失通信路の通信路容量 px = 1 だと情報が全て 消失。容量は0。 px = 0 だと2 元対称通信路と 同じ。 42 雑音のない通信路 (定義)雑音の無い通信路 受信記号から送信記号が一意に確定できるような 通信路を雑音の無い通信路という。 雑音の無い通信路の通信路行列 é1 / 3 2 / 3 0 0 0 0 0 ù ê ú T= ê0 0 1/ 4 3 / 4 0 0 0 ú ê ú ê0 ú 0 0 0 1 / 5 1 / 5 3 / 5 ë û 列ベクトルが全て、1要素以外0。 (行ベクトルは確率ベクトル) 43 雑音の無い通信路の通信路線図 a1 a2 b1 b2 1/ 3 2/ 3 b3 b4 1/ 4 3/ 4 a3 1/ 5 3/ 5 1/ 5 b5 b6 b7 雑音がないの で、受信記号 から送信記号 を特定できる。 44 雑音のない通信路の通信路容量 雑音の無い通信路では、受信記号を条件とする条件付き確率が 必ず1または0となる。すなわち、 " a Î A,b Î B P( a | b ) = 1 or \ " b Î B H( A| b ) = å 0 P( a | b )log P( a | b ) = 0 aÎ A \ H( A| B ) = å P( b )H( A| b ) = 0 bÎ A よって、 I( A; B ) = H( A ) - H( A| B ) = H( A ) したがって、 C = max I( A; B ) = max H( A ) = log n A ただし、 A P( a1 ) = P( a2 ) = L = P( an ) 45 雑音の無い通信路の通信路容量例 P( a1 ) = 1 / 3 P( a2 ) = 1 / 3 a1 a2 b1 b2 1/ 3 2/ 3 b3 b4 1/ 4 3/ 4 P( a3 ) = 1 / 3 a3 1/ 5 1/ 5 3/ 5 log 3 [bit/送信記号] b5 b6 b7 46 練習 送信アルファベット A = {a1 ,a2 } 受信アルファベット B = {b1 ,b2 ,b3 ,b4 ,b5 } 通信路行列 é2 3 ù ê 0 0 0ú ê5 5 ú T= ê ú 2 3 4ú ê ê0 0 ú êë 9 9 9ú û で表わされる(雑音の無い)通信路の通信路容量 CT と、 CT を実現する際の送信情報源、および受信情報源を定めよ。 47 確定的通信路 (定義)確定的通信路 各送信記号が唯一つの受信記号に伝送されるような 通信路を確定的通信路という。 確定的通信路の通信路行列 é1 ê ê0 ê ê0 ê T = êê0 ê0 ê ê ê0 ê êë0 0 0 0ù ú 1 0 0ú ú 1 0 0úú 0 1 0úú 0 1 0úú ú 0 1 0ú ú 0 0 1 úû 行ベクトルが全て、1要素以外0。 (行ベクトルは確率ベクトル) 48 確定的通信路の通信路線図 1 a1 送信先の受信 記号が1つに確 定されるので確 定的通信路 a2 a3 a4 a5 a6 a7 b1 1 b2 1 1 1 1 b3 1 b4 49 確定的通信路の通信路容量 順序に注意 確定的通信路では、送信記号を条件とする条件 付き確率が必ず1または0となる。すなわち、 " a Î A,b Î B P( b | a ) = 1 or \ " a Î A H( B | a ) = å 0 P( b | a )log P( b | a ) = 0 bÎ B \ H( B | A ) = よって、 å P( a )H( B | a ) = 0 aÎ A I( A; B ) = H( B ) - H( B | A ) = H( B ) したがって、 C = max I( A; B ) = max H( B ) = log m A ただし、 A P( b1 ) = P( b2 ) = L = P( bm ) 受信側の確率 が均等になるよ うに、送信記号 の確率選べる。 50 確定的通信路の通信容量例 a1 a2 P (a )= 1 / 8 a 3 P (a )= 1 / 12 a4 P (a )= 1 / 12 a5 P (a )= 1 / 12 a 6 P (a )= 1 / 4 a7 1 P (a1 )= 1 / 4 P (a2 )= 1 / 8 P (b1 ) = 1 / 4 b2 P (b2 ) = 1 / 4 1 3 1 4 5 b1 1 1 1 b3 P (b3 ) = 1 / 4 6 7 1 b4 P (b4 ) = 1 / 4 log 4 [bit/送信記号] 51 通信路容量を満足する送信情報源例2 a1 P (a )= 1 / 12 a2 P (a )= 2 / 12 a 3 P (a )= 1 / 24 a4 P (a )= 2 / 24 a5 P (a )= 3 / 24 a 6 P (a )= 1 / 4 a7 1 P (a1 )= 1 / 4 P (b1 ) = 1 / 4 b2 P (b2 ) = 1 / 4 1 2 3 1 4 5 b1 1 1 1 b3 P (b3 ) = 1 / 4 6 7 1 b4 P (b4 ) = 1 / 4 log 4 [bit/送信記号] 52 練習 送信アルファベット 受信アルファベット 通信路行列 A = {a1 ,a2 ,a3 ,a4 ,a5 } B = {b1 ,b2 ,b3 } é1 ê ê1 ê T = êê0 ê0 ê ê0 êë 0 0 1 0 0 0ù ú 0ú ú 0úú 1 úú 1 úúû で表わされる(確定的)通信路の通信路容量 CT と、 CT を実現する際の送信情報源、および受信情報源を定めよ。 53
© Copyright 2025 ExpyDoc