医療法人社団 新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 沼本 美由紀、 大前 利道、 大前 由美、 斎藤 智、 布施 智子、 滑田 梨沙、 田村 美香子、 永山 健二、 堀内 純 目的 午後健診の血糖値が 特定健診判断値として 適当かを 検証する。 対象 検査前日までの生活が同 じ条件下でFPGとPG を調べるため、同日の午 前午後に検査した当院有 志職員 13名B群。 2007年7月から20 08年6月までの1年間 で、午後健診を受けた方 の中で、前回午前健診を 受けた受検者をA群。 午前 採血 B群 A群 当日の FPG 前年分 FPG 午後 同日午後 採血 PG 07年7月~ 08年6月 午後PG 人数 13名 164名 男性 4名 96名 女性 9名 68名 年齢 24歳~6 26歳~88歳 幅 0歳 ※朝食は指定されたもの 方法 ① <B群> B群は同じ条件下で、FPGとPGを 測定 するため、同日に血液検査を行う。 ◎ ① 早朝出勤、朝7時までに ・血液検査を済ませFPGを調べる。 ・当院が指定した食事を摂る 。 <指定内容> ② その後、通常勤務を行う。 ・朝7時までに ③ 食後6時間後(午後1時)に採血 ・6枚切り食パン1枚 PGを調べる。 ・ジャムあるいはマーガリン ・水、お茶200ccまで 方法 ② <A群> ◎B群は少人数。 参考データーとしてA群を用いる。 ①A群の今回午後健診には、B群と同じ内 容の食事 を摂ってきてもらう。 ②午後1時来院、 午後健診の血液検査によりPGを調べ る。 ※A群のFPGは前回の午前健診のもので す。 方法 ③ <A群とB群> ◎B群、A群それぞれ、 午前データーFPGを“1”として、午後 データー PGの変化率 を出し、平均値を算出する。 ◎B群の平均変化率とA群の平均変化率を 比較検討し、 午後健診の血糖値が 特定健診用として、有効かを検討する。 成績 ① <B群> BS 変化率 職員 (AM) (PM) a b c d e f g h i j k l m 116 98 89 93 83 97 87 88 80 101 84 87 92 101 89 85 91 87 109 88 87 83 89 85 84 88 0.871 0.908 0.955 0.978 1.048 1.124 1.011 0.989 1.038 0.881 1.012 0.966 0.957 平均変化率=0.980 成績 ② <B群> 140 変化率: 0.871 変化率: 1.124 120 100 BS(AM) 80 血糖 BS(PM) 60 40 20 0 a b c d e f g h i 人 j k l m 成績 ③ <B群> a 60歳 男性 169cm 67.4 kg 62.8 Kg 23.6 99.0 cm 99 55 年齢 性別 身長 体重 標準体重 BMI 腹囲 収縮期血圧 拡張期血圧 TG HDL-chol LDL-chol GOT GPT γーGT BS HbA1c 尿糖 尿蛋白 FPG 61 51 118 18 9 17 116 5.7 ± f 53歳 女性 156.9cm 68.9 kg 54.2 kg 28 101.0 cm 124 62 PG 65 50 125 20 11 18 101 5.6 - FPG 82 65 214 21 22 37 97 5.2 現病歴:高血圧治療中 PG 118 64 213 20 22 37 109 5.1 - 成績 ④ <A群> A群は人数が多いので省略します。 変化率の範囲は、 0.75 4~1.429 平均変化率=0.975 成績 ⑤ <A群> 変化率 1.600 1.492 1.400 1.200 0.698 1.000 0.800 0.754 0.600 0.400 平均変化率=0.975 0.200 0.000 0 50 100 150 200 人 成績 ⑥ <A群とB群> B群の変化率平均は 0.980 2.0% A群の変化率平均は 0.975 2.5% 下降がみられる 参考 同時再現性 Aalt Contorol LEVEELⅠK(120mg/dl) 118 118 118 118 118 118 119 118 118 118 118 118 118 118 118 119 118 118 118 118 項目名:GLU-D 118 119 120 n= Mean= S.D.= C.V(%)= MAX.= Min.= Range= 18回 2回 0回 20 118.1 0.31 0.26 119 118 1 成績 ⑥ <A群> FPG PG 平均 94.19 92.63 標準偏差 11.84 11.32 相関係数:0.73 t検定:1.220 成績 ⑦ <A群> 工 事 中 170 160 PG 150 140 130 120 PM 110 Linear (PM) 100 90 80 70 70 90 相関係数:0.73 110 130 150 170 FPG 考察 特定健診が始まり、受検者が数倍になることが予想され るが、健診医療機関の受け皿は増えていなく、健診希望 者全員に対応ができなくなると思われる。 メタボ予防に重点が置かれているので、血糖値は学会の メタボ判定値110以上ではなく、100以上を特定保健指 導の対象としている。 今回のB群、A群の検討から、午後健診のPG値は、 2. 0%と2.5%の下降であり、午前健診値よりも、低値にな る可能性はある。 しかし、境界型糖尿病の診断をするのでなく、特定健診 の目的は、これまでより数倍多い受検者のなかから、メタ ボリック・シンドロームの予備群を見付けることであり、今 回の検証から午後健診は有用であると考えられる。
© Copyright 2024 ExpyDoc