特定保健指導に先駆けた 受診勧奨者への外来栄養指導 医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 沼本美由紀、滑田梨沙、大前利道、 大前由美、堀内純、村山理恵、佐藤由紀子 目 的 来年度から開始される『特定健診』で、 受診勧奨者にあたると思われる受検者を、 当院外来で管理栄養士が栄養指導を行い、 食生活の改善に取り組む。 特定保健指導 情報提供 特定健診 動機づけ支援 積極的支援 医師 保健師 管理栄養士 (看護師は5年間) 受診勧奨者 対 象 期間: 2007年8月1日~11月30日 4か月間 当院健診結果が、特定健診の基準では 受診勧奨者。 ご本人が栄養指導を理解し受入れ、 希望された方。 対象者 2 指導人数 男性 女性 年齢幅 40才~72才 44才~74才 平均年齢 58.4才 60.6才 計 13名 25名 合計 38名 44名の指導を行いましたが、 特定健診の年齢範囲以外の 6名は除外しました。 方 法 ① 3日間の食事記録を記入して外来へ来院。 ② 食事記録をもとにして、個人の食生活や 生活習慣を把握。 ③ フードモデル や リーフレットなどを用い、 30分間 の生活指導をする。 ④ 3か月継続し、 ⑤ 効果を血液検査結果などで確認する。 結 果(状況) 食事指導内容 糖尿病 高血圧 脂質異常 高尿酸 指導人数 19 1 14 1 指導後来院 11 0 2 0 改善数 9 0 0 0 フォロー 横ばい 2 0 2 0 状況 来院なし 8 1 12 1 問題点 指導後の再来人数が 少ない(13人/38人) 肥満 3 0 0 0 3 良かった点 DMでは、 9人/11人=改善 2名 =横ばい 合計 38 13 9 4 25 ケース1 健診受検時のプロフィール 女性 67歳 (他院にて治療するも、内服自己中断) 健診日 H19年7月18日初回 治療歴:他院健診結果 身長 148cm H17年度:FPG 233、 体重 54kg HbA1c12.7 BMI 24.7 H18年度:内服治療中 FPG 300、 空腹時血糖値192mg/dl HbA1c 8.0 HbA1c 9.5% ~糖尿病コントロール 不良状態 ~ ケース1の表 FPG と HbA1c 検査日(2007 年) FPG HbA1c 7月18日健診初回 192 9.5 8月13日 161 9.4 9月20日 101 7.5 10月19日 75 7.1 11月16日 129 6.7 FPG の グラフ FPG 8/1内服治療開始 血糖値 200 192 161 150 100 昼食後 血糖 129 101 75 50 0 7月18日 8月13日 9月20日 日付 10月19日 11月16日 HbA1c グラフ 8/1内服治療開始: オ イグルコン2.5mg1T1× 朝食前 10 9 % 9.5 HbA1c 1 9.4 8 ・2007年8月1日内服開始 ・栄養指導 ①8月24日 ② 9月28日 ③10月19日 ④11月30日 2 7.5 7 3 4 7.1 6.7 6 5 7月18日 8月13日 9月20日 日付 10月19日 11月16日 結 果 (まとめ) 栄養指導を実施したほとんどの方は、 食事や健康への関心は高い。 実行に移せていない関心期であった。 栄養や食事について勘違いがあった。 (知識が不足していることによる) 栄養指導を継続により、 → 食生活、生活習慣の変容があり、 → 血液検査値も改善。 健康管理への意欲向上がみられた。 疾病の初期段階で 自身の 食生活を 見直す 考 察 1 ○健康づくり ◎食生活改善 意識向上に繋がる ◎生活習慣病改善 ○健康管理 ◎検査値改善 考 察 2 ひとりで 継続して取り組 む食事療法 は・・・ 我々の 生命維持に 必要 日常生活に欠か すことできない むずかしい! ‘ 食’ 最も身近 なもの 考 察 3 問題点 効果 指導後の再来 人数が少ない 再来人数の82%(9名) 栄養指導により改善 理由 管理栄養士 患者さんへ 次回の指導希望は 外来受診を! 期待 指導が有効! 展開 指導を受けた方が フォロー できるために 対策 クリニック内で “栄養管理パス” が必要と考えた ま と め 地 域 支援 クリニック 医師 管理栄養士 食事療法の自立 考 察 指導後の再来人数が少ない。 管理栄養士は医師の指示がないと指導できない ので、指導を受けた患者さんには、次回の指導 を希望する場合は、外来受診することを伝えてい た。 実際糖尿病の指導では、再来人数の78%に当 たる7名が栄養指導により改善した。→指導が有 効であった。 有効なフォローをするためには、クリニック内で の、 “栄養管理パス”が必要であると考えた。 考 察 受検者が疾病のごく初期の段階で、 自分の食生活を見直すことで、健康づくり、健康 管理への意識を高めることに繋がり、食生活、生 活習慣、検査値の改善にも結びつきやすいと思 われる。 “食”は我々の日常生活の中で欠かすことのでき ない最も身近なもののひとつであるが、ひとりで 継続して取り組む食事療法は大変困難である。 ご本人の“食事療法の自立”を支援するため身 近なクリニックという場での継続した栄養指導は 大変重要であると考えられる。
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