ミクロ経済学 第1回 微分について 教科書 • 入門経済学 第2版 井堀利宏 新世社 3098円 – 旧帝大以外の国公立大で多く使用 (埼玉、大阪 府立、滋賀、高知、琉球、岩手、等) – MARCH・日東駒専で多く使用 (明学、学習院、 青学、専修、東洋、等) 講義用パワーポイント • 私のウェブサイトで各自パワーポイントをダウンロー ドして印刷して下さい。 http://www.geocities.jp/sn_economics/teaching.html • 印刷するときは、「配布資料」として1ページに複数 のスライド(2、3、6、もしくは9)を印刷することをお 勧めします。 数学の参考書 「経済学と数学がイッキにわかる!!」 石川秀樹 学習研究社 (Gakken) • 分数の足し算から偏微分まで手とり足とり 「すぐわかる微分積分」 石村園子 東京書籍 • 書き込み式 「よくわかる微分積分」 有馬哲・石村貞夫 東京書籍 • 「すぐわかる」よりきちんと説明 関数ってなんだっけ? y=f(x) • yはxの関数 • xが決まればyが一つに決まる • xを独立変数、yを従属変数とよぶ 例) セールスマンのお給料 y=f(x) • 給料yは契約数xの関数 • xが決まればyが一つに決まる 固定給が10000円、一つ売るごとに2000円 • f(x)はどんな式になるか? • 横軸にx、縦軸にyをとってグラフを描いてみよう • 切片と傾きは? 給料関数のグラフ y 10000 x 線形関数の傾き y=10000+2000x • xが1増えるとyは「 • 傾きは「 」 」だけ増える y=a+bx (a,bは定数、yは従属変数、xは独立変数) のようにかける関数のグラフは、 切片が「 」、傾きが「 」の直線になる。 こういう関数を線形関数という。 変化率 y=f(x) xの値をある値 x0 からhだけ増やす yの値はf(x0)からf(x0 +h)に変化 xの変化分1単位当たりのyの変化は f ( x0 h) f ( x0 ) yの変化分 = xの変化分 h これをyのxに対する(平均の)変化率とよぶ 線形関数の傾きと変化率 y=a+bx とすると、xが1増えるごとにyがbだけ増える • 変化率は yの変化分 b = b xの変化分 1 でxの値にかかわらず一定 • 変化率=傾き グラフが直線ではないときは? y=x2 グラフが直線でない ⇒非線形 y x xが1ずつ増えていくときの変化率は? x y 0 0 1 1 2 4 3 9 4 16 5 25 Δy (yの増加分) ー 1 3 5 7 9 変化率=Δy÷Δx ー 1 3 5 7 9 変化率が一定ではない 非線形関数の変化率 平均変化率(傾き): yの変化分 = f ( x0 h) f ( x0 ) xの変化分 h y=x2 で計算すると yの変化分 ( x0 h) x0 = 2 x0 h xの変化分 h hの大きさで平均変化率(傾き)が違う ⇒グラフで確認 2 2 グラフと変化率 y=x2 Δx=h (x0+h) 2 この直線の傾き =xがx0からhだけ増 えた時の変化率 =Δy÷Δx Δy x0 2 x0 x0+h x 変化分の大きさと変化率 Δx=2のときの変化率を 表す直線 y=x2 (x0+2) (x0+1) x0 2 2 2 Δx=1のときの変化率を 表す直線 Δx=0に限りなく近いと きの変化率を表す直 線=接線 x0 x0+1 x0+2 x 瞬間の変化率 - 微分 平均変化率: yの変化分 = f ( x0 h) f ( x0 ) xの変化分 h • 関数が非線形だと平均変化率はちょっと問題 ⇒代わりにxの変化分を0に近づけたときの変化率 (瞬間の変化率)を使う f ( x0 h) f ( x0 ) lim h 0 h 微分の表記 • 瞬間の変化率=微分係数 • 瞬間の変化率をもとめる=微分する dy • 微分係数を とか y’ とか y’(x) のように表 dx す 微分の公式 一つ一つの項について次のルールを適用 ルール1: 定数項の微分はゼロ • 差を取ると定数項は消えてしまう ルール2: y=axを微分するとa • xが1増えるとyがaだけ増える ルール3: xnを微分すると nxn-1 微分してみよう y=3x+10 y=3x5+6x4+4x+200 y=x-2 微分係数=接線の傾き • y=x2のグラフのx=0における傾き ⇒ y’(x)=2x=0 • y=x2のグラフのx=1における傾き ⇒ y’(x)=2x=2 グラフで確認してみよう 給料関数のグラフの接線の傾き y x=1のときの接線: 傾き2 2 1 =1 x=0のときの接線: 傾き0 0 1 x 微分係数の符号と関数の増減 微分係数がプラス • xが増えるとyが増える・グラフは右上がり 微分係数がマイナス • xが増えるとyが減る・グラフは右下がり 微分係数がゼロ • xが変化してもyは変化しない・グラフは水平 関数の増減の例1 y=x2ー4x dy 2x 4 dx x=2 ⇔ 微分係数がゼロ x>2 ⇔ 微分係数がプラス x<2 ⇔ 微分係数がマイナス 下がってx=2で底を打ってまた上がる ⇒ x=2のときyが最小になる 関数の増減の例2 y=-x2+2x dy 2 x 2 dx x=1 ⇔ 微分係数がゼロ x<1 ⇔ 微分係数がプラス x>1 ⇔ 微分係数がマイナス 上がってx=1で止まってまた下がる ⇒ x=1のときyが最大になる 利潤最大化問題の例 • ある企業の生産量をQとすると、利潤関数は 利潤=-Q3+6Q2+100 となる • 利潤を最大化する数量を求めなさい。 • 微分って便利!
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