メディア社会学 2012年10月16日(火) 1.5 社会(あるいは全体社会)相互の比較 • 1.4までの比較 – 集団ごと(属性ごとにグルーピングしたグループ ごと)の比較 • 1.5での比較 – 地域ごとの比較、時代ごとの比較等々 全体社会の相対化 • 「全体社会」 – 「国民国家の全成員のなす社会」「国民社会」 「国」 • 1.4までの方法 – 全体社会を部分社会に分節化 • 分節化 : 社会学の基本 • ただし1.5は、「全体社会」を一枚岩に • 現在の「全体社会」の相対化を目的とする デュルケム(Emile Durkeim 1858-1917) • マックス・ウェーバーの同 時代人。 • ウェーバーと共に、社会 学の史上2大巨頭(3大 巨頭という場合、ジンメル が加わる) • 著作 – 『自殺論』 – 『社会学的方法の規準 』 ウィキペディアからの画像 デュルケム vs ウェーバー① • ウェーバーと対比される • ウェーバー ・・・ ドイツ人 • デュルケム ・・・ フランス人 • ウェーバー – 方法論的個人主義 • デュルケム – 方法論的集団(集合)主義の代表 デュルケム vs ウェーバー② • ウェーバー – プロテスタントの熱心な母の下で育つ – プの信仰 → 一人で神に近づく • デュルケム – 父親はユダヤ教のラビ(ただしカトリック文化圏の 中で育つ)。 – カの信仰 → 集団的に神に近づく – ユダヤ教 → カトリック → プロテスタントの順で、 集団の規範が緩くなる(とデュルケムは想定) 方法論的集団(集合)主義 • 社会を個人の意識(ウェーバー)や創意(タル ド)に還元する見方を批判 • 社会を堅固な物として捉えることを提唱 • 社会学の分析対象は「社会的事実」(制度の ように物として個人に先立つ存在) 社会的事実 • 「社会的事実」 – 個人の外にあって個人の行動や考え方を拘束す る、集団あるいは全体社会に共有された行動・思 考の様式 • 人間の行動や思考は、個人を超越した集団 や社会のしきたり、慣習などによって支配さ れる(以上2つ、ウィキペディア「デュルケム」より引用) • しきたり、慣習、規範、制度などが「社会的事 実」 二つの方法論の比較① • 方法論的個人主義(ウェーバー由来) – 現在の社会を分節化 → アンケート調査など通常の調査方法に適合 • 方法論的集団(集合)主義(デュルケム学派) – 社会相互の比較 – 違う国や違う地域の比較、同じ地域の違う時代を 比較 → 既存の統計資料をつき合わせる。あるい は文化人類学に(弟子で甥のマルセル・モースの ように)。 二つの方法の比較② • 社会が先か、個人が先か – 結局は鶏と卵の関係 • 実際は、双方の流れを汲む人々が、共に個 人の意識も制度や規範も考慮する • ただし、方法論的個人主義の方がアンケート 調査等、現代の社会学の主流に近い(親和 的) – ウェーバーの方が社会学の事実上の祖のような 扱いされる理由か 全体社会の捉え方の一つの例 • デュルケム • 全体社会を「統合-分裂」の軸で比較 • 統合 分裂(Dを少し離れて一般に) 葛藤 ・・・ 社会変動の要因、階級闘争、 資本家対労働者 自由 ・・・ さらに分裂を深めかねない • 安定 不安定性 統合の欠如と自殺 倉沢進・川本勝編著『社会学への招待』ミネルヴァ書房p.205.1992年等による • 「統合」 ・・・ 社会の連帯、まとまりのようなも の • 『自殺論』(1897)デュルケムの代表作。 • 自殺率 ・・・ 社会解体、社会の紐帯が弱体化 した(統合が失われた)とき増大 • 自殺率を社会統合の指標に • アノミー 規範が弱体化 → 個人はアスピレー ション(向上心)や道徳的行動に規制を感じる ことが少なくなる → 集団の統制や規制による 安心感、安定感を失う → 自殺 アノミー 宮島喬・杉山光信・梶田孝道・富永茂樹訳『ラルース社会学事典』弘文堂、1997,pp.4-5より • アノミー – 語源的には、規範、規則法律の欠如。アナー キーな個人主義 • 『自殺論』でのアノミー – 人間の欲求の無制限性と達成すべき目的の不 確定性から生じる無限の病 デュルケムの規範の考え方 • 通常の規範の捉え方 – 自由に反するもの。人々を押さえ込むもの • デュルケムの規範の考え方 – 人々に目標を与えるもの。生きている意味に関わ るもの。 • 自由な時代、あるいは自由なはずの人々こそ、 自殺が多くなる点に、彼は着目。 『自殺論』(1897)あれこれ • 自殺が多いのは、以下の4カテゴリーのうち、どれ? • 「独身・男性」「独身・女性」「既婚・男性」「既婚・女性」 (マトリックス的思考) 独身・男性 独身・女性 既婚・男性 既婚・女性 • では次の時期の比較では? • 「戦争の時期」「平和で豊かな時期」 『自殺論』での自殺の4類型 (主にウィキペディア「デュルケム」による) • 集団本位的自殺 ・・・ 伝統社会中心 • 自己本位的自殺 ・・・ 孤立した現代社会での もの。次の「アノミー的自殺」と共にデュルケ ムの議論の中心 • アノミー的自殺 ・・・ 過度に自由な社会での自 殺 • 宿命論的自殺 ・・・ 規範の拘束力の強い社会 での自殺 – デュルケムは注で記すのみ 集団本位的自殺 (以下の各類型は主にウィキペディア「エミール・デュルケム」による) • 集団本位的自殺 – 集団の価値体系に絶対的な服従を強いられる社 会、あるいは諸個人が価値体系・規範へ自発的 かつ積極的に服従しようとする社会に見られる自 殺の形態。 • 自己犠牲が強調される伝統的社会や、それ を受け継ぐ軍隊組織で見られる 自己本位的自殺 • 過度の孤独感や焦燥感 → 個人が集団との結びつきが弱まること → 個人主義の拡大 → 自殺 • 宗教による自殺率の違い ユダヤ教 < カトリック < プロテスタント • 地域による違い 農村部 < 都市部 • 未既婚による違い 既婚 < 未婚 アノミー的自殺 • 社会の規則・規範がない(もしくは少ない)状 態において起こる自殺の形態。 • 規範欠如 → 多くの自由 → しかし自由である が、欲望充分に満たせない(満足を知らない) → 虚無感 → 自殺 • 時期による自殺率の違い 不況 < 好況 宿命論的自殺 • 集団・社会の規範による拘束力が非常に強く、 個人の欲求を過度に抑圧することで起こる自 殺の形態 • 宮島喬(お茶大名誉教授)によると、「心中」 がこの典型例 デュルケム批判のいくつか① • 精神病による自殺を除外しているが – 現代では自殺すると「鬱だった」と診断されること がほとんど。 • アノミー的自殺の説明で「自殺率 ・・・ 不況 < 好況」というが – 現在、不況で自殺する人が増えている。 デュルケム批判のいくつか② • 軍隊での自殺率の多さというが – 社会の比較と属性の比較とが混在している。 – 未開社会 vs 現代社会で未開 = 集団本位的自 殺というのは分かる。 – ところが、未開の延長 = 軍隊というのは変。現 代社会での、軍人の自殺の多さということであれ ば、それは「自己本位的自殺」や「アノミー的自 殺」と矛盾してしまう。 デュルケム批判のいくつか③ • 社会を纏めて比較出来る前提は? – 社会の統合・安定 → そもそも分裂している社会には方法論的集団 主義は向かない – ボーダレスな現代社会での有効性の疑問 →別の言い方をすると社会の変動要因をみられ ない可能性 「統合-分裂」の軸で国家を測定する 要因項目 統合に向かう要因 分裂に向かう要因 文化的共通性 疑似単一民族国家 多民族国家 言語 方言の共通語化 カナダ等 宗教 国教ありOR 宗教的寛容の徹底 宗教紛争 経済的格差 なし・弱い(従来の日本) 社会主義国家(の理念) あり(構造改革後の日本) 資本主義国家 統合された社会と分裂した社会の メリット、デメリット 統合した社会 分裂した社会 犯罪 少ない 多い 創意工夫の余地 少ない 多い 自由 少ない 多い 拘束・規範 多い・堅固 少ない・緩やか 社会の流動性 (浮き沈みのチャン ス) 少ない 多い 生の意味 明確 曖昧 : アノミー 統合した社会と分裂した社会 • それぞれメリット、デメリット • グローバリズムはどちらの方向? • 皆さんの希望は? 社会の統合の装置(としての側面をも つ)制度や施策 • 義務教育制度:「読み書きそろばん」 → 良質な労働力 → 貧富の格差是正 → 社会の安定・統合 • 公共図書館の無料原則 • コンピュータリテラシー、メディアリテラシーを 身につけさせる政策 • デジタル・ディバイドの解消施策 物質面での統合装置は? • もちろん、上記の情報政策以外に • 累進課税制度 • 各種福祉政策 • 場合によって公共事業と地方交付税 は、物質面で、社会の統合を図る仕組み (富の再配分) スケープゴード(身代わりの子羊) • アドルフ・ヒトラー(1889-1945)の方法 • 社会内部の対立あり → あえて外部にもっと大きな対立軸を作る → 共通の外敵に → 内部の対立隠蔽 葛藤の大きな要因 -属性(デモグラフィック要因)の違う者相互の葛藤- • • • • • 年齢 ・・・ 世代差 性 ・・・ 女性の進出 学歴 ・・・ 階層再生産、生まれ変わり 職業 ・・・ 階級闘争、生まれ変わり 宗教 ・・・ 支配的宗教 年齢による葛藤 • 年齢 : 世代間葛藤、親子の対立、全共闘世 代、新人類(「世代」と「年代」の違いに注意) • 新世代に新しい文化:行動様式(対抗文化) → 親世代に反撥 → 彼らがいずれ親世代に → 主流文化に(ブルージーンズの一般化、ロンド ン五輪開会式ポール・マッカートニー「卿」、アキバ 系の、漢字の読めない元首相・漫画の社会的受容) 性差による葛藤 • 性役割分業の時代 – 女性の社会進出の時代へ(マイノリティの権利と しての女性の権利、ジェンダー論)。 – それを支える家庭の領域への産業資本の浸食。 家電製品の発達、お総菜産業の発展 学歴差による葛藤 • 階層再生産(ブルデューPierre Bourdieu 1930-2002)の道具か、階層の流動化の要因 か(従来は後者のための武器と考えられた) • 前者の考え方・・・教育の差が他の差を拡大 再生産。デジタルデバイドの発想と共通。 • 戦後すぐの日本・・・後者の面、強かった。 宗教の違いによる対立・葛藤 • 宗教:支配的宗教か否か → 社会変動の大きな要因に。 • 意味世界に関わるし、「政教分離」していない 社会においては「権力」の配分にも密接に関 わる – イラクでのシーア派・スンニ派の対立。 – ケネディ元大統領。 1.6 自明性への疑いの眼差し • 現代社会の様々な自明とされる事柄(制度や 仕組み)を改めて疑う • 子供の目で社会ととらえ直す。 • 外国人の眼、あるいは過去の人の眼で、今 の時代をみると、別の様相、異様なものに映 る。 →比較による、自己相対化 • 自明とされた制度や規範、習慣等を相対化。 あるいは制度、規範等の意味、理由を探る。 • 例)現象学的社会学、イリッチなどの病院や 学校を相対化する歴史研究 イリッチの経歴①(ウィキペディアより) • 「イヴァン・イリイチ」イヴァン・イリイチ(Ivan Illich, 1926年9月4日 - 2002年12月2日)は、オーストリ アのウィーン生まれのユダヤ系知識人。社会評 論家。文明批評家。イバン・イリッチとも表記され る。 • 南米での解放の神学などの運動に共感を抱き、 のちカトリックから離れる。 プエルトリコのカトリッ ク大学の副学長を経て、メキシコのクエルナバカ で、世界文化情報センター(CIDOC、ケドック)を 主催。このセンターは、1976年に閉鎖。 イリッチの経歴② • 学校、交通、医療といった社会的サービスの 根幹に、道具的な権力、専門家の権力を見て、 それから離れて地に足を下ろした生き方を模 索。過剰な効率性を追い求めるがあまり、人 間の自立、自律を喪失させる現代文明を批 判し、学校教育においては、真に学びを取り 戻すために、学校という制度の撤廃を提言。 「脱学校論」として知られる。これは、当時の フリースクール運動の中で、指導的な理論の ひとつになった。 イリッチの経歴③ • また、彼は家庭の主婦の家事労働など、報酬を 受けない再生産労働を「シャドウワーク」(影法師 の仕事?鶴見和子の訳)と命名、女性の家庭内 労働の捉え方で新しい視点を提示したことでも 知られている。 著書 • 『脱学校の社会』 • 『シャドウワーク』 • 『脱病院化社会』 イリッチの写真 http://d.hatena.ne.jp/asin/4938710560http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0436.html 『脱学校の社会』① • 通念「学校・・・賢くする施設」 • イリッチの逆説「学校・・・バカ製造器」 • なぜこういうことがいえるのか? • 好きなアーティストは? • 『源氏物語』、ビートルズの学校化(教科書掲 載) 『脱学校の社会』② • 制度のもつ落とし穴 • 自ら学ぶ力vs制度 『脱病院社会』 • 常識「病院は健康を維持するための施設」 • イリッチ「病院は病気を作る施設」 • これも制度の落とし穴 • 病院・・・医療関係者の生活のための施設 • 自己治癒力、自然治癒力vs薬漬け、検査漬 け • 医原病 『シャドウ・ワーク』① • (旧来の)常識「(専業主婦のいる家庭の場 合)男が女性を食べさせている」 • (20年前の「わたおに」での台詞) • イリッチ「(専業主婦であっても)家計に貢献し ている」 『シャドウ・ワーク』② • フェミニストからの肯定と否定 • 沖縄経済との関係(玉野井芳郎) 韓国(韓流)ドラマの様式とリアリティ • 財閥、不治の病、プラトニックな愛といったお 約束の道具立て • 自明になったものを異邦人の眼によって捉え 直す →日本にいる韓国人留学生に韓国ドラマにつ いて聞く。 →向こう(韓国)に居る時:自然なもの 日本:リアリティが欠如したもの と考えるようになったという。 現象学的社会学での日常生活の 自明性への疑い・・・ •多元的現実論 我々が〈現実〉と呼んでいるもの=多元的な領域か ら成る意味の秩序として主観的に構成されたもの にすぎない。 それでも〈現実〉が客観的拘束力を持つのは、〈現 実〉が主体的に構造的に〈内在化〉されるため。 このような〈現実〉構築のプロセスは本質的に社会 相互作用の場と切り離すことができない 作田圭一・井上俊編『命題コレクション社会学』1986,p.51より(一部改変) コスモス/ノモス/カオス① • バーガー(Peter Ludwig Berger)の用語 • ノモス – 自らの経験に秩序を与える意味世界〔規範〕。 – 社会に参加し、共通の意味世界を分かち合うこと によって成立する。 • コスモス – ノモスの上位に秩序付けられた世界観 – 例:宗教など。 コスモス/ノモス/カオス② • カオス – ノモスを揺らがせる、日常を攪乱する出来事 – 身近な者の病気や死や災害など。旧来の意味 世界では解釈できない出来事 • ノモスはコスモスによってたえず再構築され なければならない 『社会学のエッセンス』有斐閣,1995,p.274 より(一部補足あり) エポケー(哲学的判断停止)① • 現象学的エポケー – 現象学は、デカルト的懐疑という方法を徹底化す ることによって、世界の現実性に対する我々の暗 黙の信念を停止することを教えてきた。 • シュッツによると、これは現象学的エポケーと よばれる。 エポケー(哲学的判断停止)② • 自然的態度のエポケー – 日常世界の中で生活している人びとの自然的態度は 世界は見かけどおりではないのではないか、という疑 いを括弧に入れることで成立している。 – そこでは、世界が経験されるとおりの形でそこにある ことが素朴に信じられ、その存在根拠は問われること なく自明的に理解されている。 • シュッツはこれを自然的態度のエポケーとよぶ。 エポケー(哲学的判断停止)③ • 現象学的還元 – 現象学は、自然的態度におけるあらゆる自明的 理解をいったん括弧に入れ、意識に直接現れる がままの「事象そのもの」へ向かおうとする。 • 現象学還元とよばれる操作によって、世界は 素朴な実在であることを止め、純粋な意識的 生の流れに現れるがままの「現象」となる。 『命題コレクション社会学』1986,pp.52-53より 自明とされる世界を括弧に入れると • 我々は、それぞれ多様な世界、多様な物の見方 (世界観)があり得ることに気付かされる。 • しかし、多様な現実、多様な世界観のなかでも自 分たちが自明とする現実を「至高の現実」と捉え ていることに気づく。 • そのような「至高の現実」は、自分たちの社会的 相互作用(教育による文化伝承や習慣、規範に 基づく色々な相互行為、コミュニケーション等)に よって構築されたものであることに思い至る。 • 命に関わる病気、大災害などを想定したり、 身近な者の死に直面すると・・・ → 今まで自明のものとしてきた世界が異なっ て眺められるようになる。 → 異界からの眼、異邦人の視線で眺め直すこ とが可能になる。 • つまり、エポケーのようなものを強制的に迫ら れると言える。・・・今まで自明のものとしてき た世界、「至高の現実」に疑いの眼を。 神義論① • バーガーによると・・・ – こういったコスモスの変化は「神義論」に関係する。 • 神義論 – ライプニッツに由来する用語。 – 端的に言えば、神がこの世界を創造したにもかかわ らず、なぜ悪や苦難が存在するのか、なぜこの世で は義人が苦しみ悪人が栄えるのか、という疑念に対 して、そのような事態は決して神の存在を脅かすも のではなく、むしろ神の存在の否定が誤りであること を論じて、神を弁護する試みのことを指す。 「ヨブ記」における神義論批判 (http://rc.moralogy.jp/ronbun/360.html)より。 神義論② • 人が不幸な事態(大災害や伝染病、幼少の 子どもの死など)に見舞われると・・・ – 自暴自棄あるいはニヒリズムに陥るケース – 逆に、「だけど神はいる」と信仰世界に入ったり、 神の存在を確信したりするケースも少なくないと いう。 → 意味ある世界秩序、コスモスに憧れ、現世 の不完全性、無意味さを自覚するという道筋 があり得る。 http://www.iwakimu.ac.jp/~moriyuki/sr/07/sr07.htm より。 神義論③ • 例えば身近な人が亡くなった際 – 普段は信仰心の弱い人でも、その人が別の世で 生きていて、亡くなった人のいる「天国」、「来世」 があると考えるケースは多い。 → 亡くなった者があの世へと旅立ち、見守ってくれ ているなどと考えることで死というものを合理化し ようと考える。 • 失われたものが取り返しがつかないものであればあ るほど、我々は失った物の価値を自分の意味づけ の体系の中で下げることで、失った事実を軽く見積 もる合理化を図る。 神義論④ • 「失った事実を軽く見積もる」=この世の生( 故人が失ったもの)を軽くする・・・もっと価値 あるものとして「あの世」の存在を想定する
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