中村さやか

経済学入門 第2回
需要と供給
中村さやか
今日やること
1.需要と供給
 需要曲線
 供給曲線
 市場均衡
2.需要曲線と供給曲線のシフト
経済学を学ぶ上での3つのポイント
一つ一つの概念・事柄について:
言葉で説明できるようになる
2. グラフを使って説明できるようになる
3. 数学(数式)で説明できるようになる
1.
入門では1と2を重視します。
需要曲線: 価格と需要量の関係
価格
焼き芋の需要曲線
200
 需要量:消費者が買う量
 価格が高いほど需要は


100
D
50
100 数量


「
」
価格が低いほど需要は
「
」
価格が100の時の需要量
は 「
」
価格が200の時の需要量
は 「
」
需要曲線は右下がり
供給曲線: 価格と供給量の関係
焼き芋の供給曲線
価格
 供給量:企業が売る量
 価格が高いほど供給は
200

100

S

50
100 数量

「
」
価格が低いほど供給は
「
」
価格が100の時の供給
量は 「
」
価格が200の時の供給
量は 「
」
供給曲線は右上がり
価格は縦軸・数量は横軸
需要曲線・供給曲線:
 価格が決まれば需要量・供給量が決まる
⇒需要量・供給量は価格の関数
⇒数学的には価格を横軸・数量を縦軸にとるほうが自
然
経済学の慣例: 価格は縦軸、数量は横軸
⇒ これに従ってください。
市場均衡: 需要曲線と供給曲線の交点
価格 需要
供給
150
75
数量
(市場)均衡点
 需要と供給を一致させ
る点
均衡価格
 需要と供給を一致させ
る価格
この例での均衡価格は
「 」円
もし価格が高すぎたら?
価格 需要
200
150
100
50
供給
例えばもし価格が200
だったら
需要量は 「 」
供給量は 「 」
超過供給
 買いたい人に対して売
りたい人が多すぎる
75 100 数量 ⇒ 価格が下がる
もし価格が低すぎたら?
価格 需要
200
150
100
50
供給
例えばもし価格が100
だったら
需要量は 「 」
供給量は 「 」
超過需要
 売りたい人に対して買
いたい人が多すぎる
75 100 数量 ⇒ 価格が上がる
価格の調整機能
 超過需要⇒価格が上がる
 超過供給⇒価格が下がる
 需要と供給がちょうど同じになるように価格が調整され、
それが均衡価格になる
Abbreviations
P: Price
Q: Quantity (数量)
D: Demand Curve (需要曲線)
S: Supply Curve (供給曲線)
E: Equilibrium (均衡点)
今日やること
1.需要と供給
 需要曲線
 供給曲線
 市場均衡
2.需要曲線と供給曲線のシフト
 農産物の価格変動
 鉄道開設と地価
白菜の供給曲線
価格
供給
 価格が高くても低くても
急には生産量を変えら
れない
⇒価格変化による供給量
の変化が小さい
⇒供給曲線の傾きが急
(単純化のため垂直)
5000万
数量
白菜の需要曲線
価格
価格にあまり関係なく買う
⇒価格変化による需要量
の変化が小さい
⇒需要曲線の傾きが急
需要
数量
白菜の不作による影響
価格
今年の 去年の
供給
供給
300
需要
30
5000万
1億
数量
 台風のために白菜の生
産量が半分に
⇒供給曲線が左にシフト
 去年の均衡価格は
「 」円 (豊作貧乏)
 今年の均衡価格は
「 」円 (価格高騰)
もし需要が価格に対して反応的だったら
価格
今年の 去年の
供給
供給
需要
5000万
需要が価格に敏感
⇒価格変化による需要量
の変化が大きい
⇒需要曲線の傾きがゆる
やか
 供給量の変動による価
格変化は小さくなる
1億 数量 ⇒傾きの大きさは大事!
需要曲線の傾きと不作の影響
 需要曲線の傾きが急
 需要曲線の傾きが緩やか
⇔需要が価格変化にあまり ⇔需要が価格変化に非常に
反応しない
反応的
 もし供給曲線が左にシフト
 もし供給曲線が左にシフト
すると
すると
 白菜が品薄になるが、高く
ても買いたい人がたくさん  白菜が品薄になるが、高
いなら買わないで済ませる
いる
人が多い
 値段が大幅に上がらない
 値段があまり変化しない
と需給が一致しない
鉄道開設が地価に与える影響
D2
地価
D1
S
E2
E1
鉄道開設
⇒通勤時間短縮
⇒宅地への需要増
⇒需要曲線が右へシフト
開設前の均衡点は?
開設後の均衡点は?
宅地需給
供給曲線の傾きの大きさによる違い
S
地価
地価
S
D2
D1
宅地需給
D2
D1
宅地需給
供給曲線の傾きと宅地需要増加の影響
 供給曲線の傾きが急
 供給曲線の傾きが緩やか
⇔供給が価格変化にあまり ⇔供給が価格変化に非常に
反応しない (例: 鎌倉)
反応的 (例: 埼玉)
 もし需要曲線が右にシフト
 もし需要曲線が右にシフト
すると
すると
 買いたい人が増えて地価
が上がっても、売りたい人  買いたい人も増えるが、地
価が上がると売りたい人も
はあまり増えない
大幅に増える
 値段が大幅に上がらない
と需給が一致しない
 値段があまり変化しない