エコロジカル・リアリズム

エコロジカル・リアリズム
[アフォーダンス新しい認知の理論]
著:佐々木正人
2006年1月25日
船戸 大輔
g2105027
はじめに
アフォーダンス
新しい認知の理論
• この章で取り扱っていること
– 自己と環境の関係性を従来の視覚論と対立し
てアフォーダンスという観点から記述してい
る
環境
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 世界と自分の関係
– 世界は[持続]と[変化]の性質を持っている
• 従来の視覚論:[外界の対象やそれに起こ
ること]を抽象的な概念で記述してきた
• 抽象的な概念:形、位置、空間、時間、運動
• [情報]は人が環境から刺激を入力して
加工された結果
環境
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 生態学的視覚論:情報は環境に埋まっている
– [情報]は人間の内部にではなく、人間の周囲に存在
– [知覚]は情報を直接手に入れる活動
私達が認識の為にしていることは、
環境から情報を[探索する]こと
環境:面
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 面についての記述
– 豊富な情報の資源
– 面を固体、液体、気体の[界面]として定義
– 自己までは[媒質]を通して知覚される
• 空気と水は光の配列、音の波、においなど
環境:面
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 面の性質
– [キメ]の存在
• キメによってその面の性質を知覚できる
– 面の配置
• 離れている・付着しているという性質
– 物の面が連続していない=地面から離れている
– 面の変化
• 移動、変位、転回、衝突など、多様な動きを知覚することが
できる
これらは包囲光配列の構造から知覚することができる
自己
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 環境に存在する情報と同時に自己=観察
者についての情報の存在
視野という境界の存在
↓
包囲光の一部は常に自分
の体が占めている
↓
環境と自己の知覚を行っ
ている
[相補性]の研究
ビジュアル・エゴ
自己
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 例:隙間をすり抜ける
– 人の肩幅1.3倍を下回ると急速に回転し始める
• 例:カマキリ
– 手の長さの範囲内に来たときだけ捕獲行動
観察者(自己)が環境の[面の配置]に見ているもの
が、観察者の身体にとっての[意味]や[価値]で
あることを示している
アフォーダンス
• キーワード
– 環境と自己との関係性
– [情報]、[知覚]、[認識]
アフォーダンス
新しい認知の理論
アフォーダンスとは
アフォーダンス
新しい認知の理論
• アフォーダンスとは
– 環境が動物に提供する[価値]のこと
– アフォーダンスは情報
– 知覚者の主観が構成するものではない
=客観的な事実として存在
– 性質
• 動物にとっての[環境の性質]
• 動物によって探索されるもの
• 探索されて始めて知覚を行うことができる
アフォーダンスとは
探索
ハサミ
[情報]
きる
おる
たたく
まげる
Etc….
知覚
観察者
アフォーダンス
新しい認知の理論
例
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 例:紙
– 普通の紙
• 破ることをアフォードしている
– 厚いダンボールの小さな端切れ
• 破ることをアフォードしない、そして破れないと知覚する
• しかし、ものすごい腕力を持った人間なら破ることをア
フォードする
[紙]に[破る]アフォーダンスは存在する。そして、自己の思
考や能力などによってアフォードすることができ、初めて
知覚することができる。
(=情報を環境から探索しピックアップすること)
アフォーダンスの誤解
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 名著[誰のためのデザイン]D.ノーマン
– アフォーダンスの定義が曖昧
• アフォーダンスが事実としてではなく総合的(統計
的)な主観としての関係性として論じられている
• デザイン的な視点での[アフォーダンス]普及
知覚システム
アフォーダンス
新しい認知の理論
• 次章:知覚システムとのつながり
– ギブソンは、アフォーダンスをピックアップ
(知覚?)するための身体の動きを[知覚システ
ム]と名称、次章にて展開していく。