リアル・ヴァーチャル 吉田 第四回 現実世界のヴァーチャル性 と、レポート課題 VR世界と現実世界 ひとつの主体 複数の現実世界 (ただし、AWにはアフォーダンス) アフォーダンス! 想像する AW ¬m(IR)∧¬t(I) VR m(IR)∧t(I) ログイン 想像する PW3 PW2 ¬m(IR)∧t(I) m(IR)∧¬t(I) V世界で倫理は成り立つか? VR技術によって構築されたV世界 「人格の交わり」がある? – 理性的判断力と自由意志を備えた意識的主体 これはOK。可能世界を想像している主体。○ – 相互に因果的な関係をとり結べる「場」の共有 他の主体と因果的な関連が可能。○ 自分の人生=自分の生きている現実を「善く」しようという態 度 – 義務論=主体を善くしようとする○ – 功利主義=世界を善くしようとする→世界へのコミットメントは重要 善くしようと思うことは可能かも。△→アフォーダンス? その世界を「善くしよう」と思うならV倫理は成り立つ コミットメントとアフォーダンス アフォーダンスのない世界にコミットメントでき るか? – アフォーダンス=人がそれを探りつつ世界を認知 し、成長してきた世界の潜在的情報 – アフォーダンスは世界の深み – アフォーダンスのない世界には創造的な発見と 驚きがない – <私>と世界との偶然的でない結びつきをつくる • 出来合いの世界にたまたま存在したのではなく、自分 が生きてきたということがその世界にいるということ A世界とアフォーダンス V世界に対しての現実世界の特徴は? – – – – 感覚と行為によるアクセス そこで他者に出会える 想像を止めても消えてしまわない 世界は自律的に成長する はすべてV世界=A世界になりうる だが、A世界にあってV世界にはないもの – 無限のアフォーダンスは可能世界、V世界にはな い VA世界 だが、A世界には必ずしもアフォーダンスがあ るとは限らない – コンピュータによって実現された可能世界(V世 界)にアフォーダンスがないとしたら – コンピュータによって作られた現実世界(A世界だ が、V世界 VA世界)にもアフォーダンスはない のでは? ユビキタス世界 ユビキタス世界(UW) – ユビキタス・コンピューティング技術によって提供される世 界 – コンピュータを環境に埋め込んで制御する – 人間に合わせて環境を作る – 「仮想の」世界をコンピュータでつくろうとするのではなく、 現実の世界をコンピュータで作ろうとする。 – VA世界 ヴァーチャル=アクチュアル・ワールド UWの現実性 ユビキタス世界は現実性を持つ – – – – 感覚と行為によるアクセス そこで他者に出会える 想像を止めても消えてしまわない 世界は自律的に成長する UWのヴァーチャル性 UWにはアフォーダンスがあるか? – 気温の制御→環境を状況に合わせてコンピュータがプロ グラムに基づいて適切に管理する – もし、プログラマが完全に気温を管理できたとしたら、 – われわれは「予想外」の気温に会うことはない。≒VW – それを発見して驚くようなアフォーダンスの喪失 プログラマ<神 プログラマや現代のテクノロジーは、環境を 完全に制御することはできない – その分だけ、UWにはアフォーダンスが残存し、 VWよりもAWに近づく。 – =プログラマが環境を制御しきるほどにUWは VWに近づく インテリジェント・ビル(部分的な完成度の高 いUW)はVWに近い環境 UWにおける倫理 UWであろうと<私>である主体は一つ – <私>を善くしようとするなら、義務論的な倫理は成り立 つ=他者の人格の尊重 VWと違って、世界はAW=UWであり、分裂しない – 功利主義的倫理は、AW=UWの最大幸福を目指せばよ いので、問題なく成立する ただし、もしアフォーダンスが少なく、コミットメントが 減少すれば、 – <私>や<私>の世界を善くしようとするモチベーション は失われる→倫理の危機 結論 UWはVA世界と考えられる。 – 現実世界であるが、人工的に作られたという点でアフォー ダンスをAWよりも欠き、それだけVWに近づく UWでは倫理は成り立つ – AWである以上、義務論も功利主義も成り立つ UWでの倫理の問題 – UWがVWに近づくほど、VWにおいても問題であった、コ ミットメントの減少が問題になる – それはAWにおけるコミットメントの現象でもある – コミットメントが倫理を支えているとしたら、大きな問題か もしれない 参考文献 吉田の物置(授業資料)のURL 課題 次の問題を順に、授業を踏まえて簡単に論じよ。 授業で紹介したアイデアを展開してもよいし、批判 しつつ別のアイデアを出しても評価する。(A4用紙 一枚800字程度?) 1. ヴァーチャル世界(VW)は現実世界(AW)と区別がつ かなくなるだろうか? 2. ヴァーチャル世界での倫理(V倫理)は可能だろうか? 3. ユビキタス世界(UW)のヴァーチャリティは? – 締め切り7月20日(情報学部学務係脇のレポートBOXまで)
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