知覚するシステム

知覚するシステム
『アフォーダンスー新しい認知の理論』
佐々木正人 著
水野 亮
伊藤精英研究室
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知覚システムとは
• 知覚のための身体の行為、知覚のために組
織される身体
• 能動的
• アナログコンピュータ
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「触ること」による知覚
• 暗闇の中で棒の長さを知るには・・・
– 手を棒の端から端まですべらせる
– 棒を振る
• アクティブ・タッチ
– 対象を知覚するために能動的に触れること
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「振る」だけで長さは知覚できる
• 「ダイナミックタッチ」
• 環境に情報を探索するために、触れる、振る、
つつくなど、手は様々に動く
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不変項としての慣性モーメント
• どのような情報が使われているか
– 棒の回転の力(トルク)?
– 動力学的なエネルギー?
– 接触する皮膚面の変形?
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振り方によって
変わってしまう
• 棒を特定できる、振り方を変えても変わらな
い値(不変項)とは…
慣性モーメント
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「かたち」も知覚できる
ついたての向かって左側で
把手を振り、その先についた
立体が5種類のうちのどれで
あるかを答える
この場合、不変項は
「慣性モーメント比」
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アナログ・コンピュータ
• プラニメータ
「計算」も「推論」
もせずに、面積
を知覚する
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再び「知覚システム」とは
• 手のどこを探しても慣性モーメントを専門的に
感覚する受容器は存在しない
• アフォーダンスはミクロな受容器ではなく、マ
クロに組織化された身体によって知覚されて
いる
• 知覚のための身体の行為、知覚のために組
織される身体 → 「知覚システム」
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知覚の学習(発達)とは
• 知覚システムの獲得する情報は「等価」
– 見るシステムが得ていた情報のかなりの部分は他のシス
テムによってもピックアップ可能
• 知覚システムにとっての「学習」
– 環境に多様に存在する情報を特定できるように、システ
ムの動作を不断に豊かにしていく過程
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