07 01 第7章.mcd

第ઉ章 年金、社会保険、税に関する問題
第ઉ章
145
341
年金、社会保険、税に関する問題
被災時の保険料の徴収猶予等
被災者の保険料の支払は猶予されますか。また、診療
代や介護利用料についてはどうでしょうか。
国民健康保険料の徴収猶予や納期限の延長および減免や国
民年金保険料の減免、厚生年金保険料等の納期限の延長およ
び猶予等が可能です。また、診療代や介護等の福祉施策の利
用料(自己負担分)の支払が困難な人は減免および猶予が受
けられます。
解
ઃ
説
国民健康保険料
国民健康保険においては、特別な理由がある被保険者に対し、保険
者の判断により、国民健康保険料の徴収猶予、納期限の延長および減
免ならびに一部負担金の徴収猶予および減免を行うことができること
となっています(国保44・77・81)。健康保険においても、災害その他の
特別の事情がある被保険者に対し、保険者の判断により、一部負担金
等の徴収猶予および減免を行うことができるとされています(健保75
の・110の)
。
઄
健康保険料・厚生年金保険料
全国健康保険協会が管掌する健康保険の保険料および船員保険の保
342
第ઉ章
年金、社会保険、税に関する問題
険料、厚生年金保険料、子ども手当にかかる拠出金については、災害
その他やむを得ない理由によるものとして納期限の延長もしくは納付
の猶予が可能となります(平23・・24年発0324第)。
અ
国民年金
国民年金の場合は、保険料を納付することが著しく困難である場合
として天災その他の厚生労働省令で定める事由があるときは、被保険
者からの申請により国民年金保険料の納付義務の減免が可能となりま
す(国年90・90の・90の)。
આ
介護保険等
介護給付等の自己負担分についても、災害その他の特別の事情があ
ることにより、負担することが困難であると認められた場合は減免が
可能となります(障害者自立支援31、児福24の、介保50)。
ઇ 東日本大震災の場合
東日本大震災の際には、厚生労働省保険局国民健康保険課が速やか
に各都道府県の国民健康保険主管課にあてて事務連絡通知を行い、被
災被保険者の国民健康保険料および一部負担金について被害状況に応
じて適切な措置を講じることを要請しました。
なお、災害により国民健康保険料および一部負担金が減免された場
合には、各都道府県に対してその実情に応じて特別調整交付金が交付
されます。また、厚生労働省保険局保険課より全国の健康保険協会に
対しても一部負担金の徴収猶予および減免や保険料の納期限の延長お
よび納付猶予、被保険証等の取扱いについて適切な措置を講じられた
い旨の事務連絡がなされています。厚生労働省社会・援護局からも、
被災した障害者等に対する支給決定等について事務連絡が出され、利
第ઉ章 年金、社会保険、税に関する問題
343
用者負担の徴収猶予ができることの周知とともに、この場合は被災障
害者等からの申請を待つことなく市町村または都道府県の判断によ
り、利用者負担の免除を行うことの要請がなされました。
146
震災により保険証を紛失した場合
避難するときに保険証を喪失しましたが、病院で診て
もらえるでしょうか。また、介護保険証もなくしてしま
いました。
保険証を震災で喪失した場合でも、全国の病院で診察や治
療を受けることができます。病院の窓口で「氏名」、
「生年月
日」
、「住所」、
「勤務先名」、「現在の連絡先」等を申告すれば
保険医療が受けられます。地震の後に他の市町村に移った場
合でも同じように受診できます。また、介護保険証をなくし
てしまった場合も、市町村の窓口に「名前」、
「生年月日」、
「住
所」を言っていただければ大丈夫です。
解
ઃ
説
被保険者証の紛失
東日本大震災の際には、地震当日に厚生労働省保険局医療課より各
都道府県の関係部局等に対して、「東北地方太平洋沖地震による被災
者に係る被保険証等の提示について」の事務連絡が出され、被災に伴
い、被保険者証等を紛失あるいは家庭に残したまま避難していること
等により、
保険医療機関に提示できない場合等が考えられることから、