カワモズクニュース№23

カワモズクニュース№23
25.7.3
アオミドロが分厚く繁茂しています。桝から向
かって右側が水流が強いようです。
シャントランシ
ア体から発芽
してくる様子
(100倍、400
倍)
〔ミョウテンジカワモズク〕
4月、水路に出現したミョウテンジカワモズクで
すが、その後は確認できていません。流れを作るた
め池を狭めたのですがアオミドロを制御するほどに
はならなかったようです。金枠や石枠、湧出口の石
に5㎜から2㎝ほどの藻体が出現していますが、現
在、全てアオカワモズクです。
藻体は目視では茶褐色に見えるのですが手にとっ
て(ここまで茶褐色)白い器に移したとたん濃緑色
に変わりアオカワモズクである事が分かります。見
た目で確認するのは大変難しいです。
5月になって金枠や石枠の刷毛状のシャントラン
シア体が衰退してきました。そして、6月池の石に
黒い斑点が現れ、厚みを持ってきました。採取し顕
微鏡で見ると発芽している様子が見えます。
石に幼体が数固体付着しているのも確認できまし
た。配偶体に成長しなければ同定は出来ませんが様
子を見守っています。
〔カワモズクの発芽)
カワモズクの生活環は、胞子→シャントランシア体
左:アオカワモズク
→配偶体→胞子とされていますが、この生活環もシャ
右:幼体
ントランシア体もまだ確立されていません。胞子と
シャントランシア体を繰り返すこともあるようです。
石(ここでは金枠でも)に黒色の斑点が現れ触れて厚
みを持った時シャントランシア体が確認でき発芽が始
まっている事があります。一方、刷毛状のシャントラ
ンシア体抜きで幼体の塊が現れ藻体に発芽してくる事
があります。その時は粘性のある粒々が石などに現れ
ます。
これらは現時点では、藻体が配偶体に成長しないと
カワモズクの種が同定ができません。
上記写真の幼体の様子(80倍、100倍、400倍)
白子湧水とカワモズク(その1)
〔米安さんの流れ〕
米安さんの湧水の流れに平成20年チャイロカワモズクが生
息している事が分かりました。喜んだのもつかぬ間消失してし
まい、その後生息は確認できませんでした。
湧水の流れにはシオグサが生息しメダカが泳いでいます。
今年4月、流れの中に再びカワモズクが発生しました。一つは
アオカワモズク、もう一つはまだ未定です。褐色なのですが造
果器の形、枝の長さからチャイロカワモズクとして良いのか不
明です。(現在消失)
米安さんの流れは地域のホッとできるポイントになっています。
(気温26.5℃、水温18.1℃、PH6.66)
シオグサ
褐色カワモズクのの藻体、造果器、果胞子体
〔滝坂の湧水とカワモズク〕
5年ほど前、地主さんは敷地内の湧水を流出さ
せ、道行く人々の安らぎとなるようにと流れを作っ
てくださいました。
流れは絶えず涼やかな音を立てて流れて、流れ
に思わず手をかざしたい思いになります。
平成21年以来、流れの石に刷毛状のシャントラ
ンシア体が現れていますが、それ以上成長するこ
とはありませんでした。
近年、周囲のシダなどが大きくなって影を落とす
ようになったためでしょうか、今年5月、シャントラン
シア体に変化がありました。気をつけて見ていると、
6月になって発芽の様子が見えました。
(気温25.1℃、水温18.1℃、PH6.30)
刷毛状のシャントランシア体
胞子の付いたシャントランシア体
カワモズクの発芽の様子が見えました